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性能
 | 2020.12.01

危ない省令準耐火住宅

お引渡し前になると必ず質問を頂きます。その質問とは「火災保険」についてです。

ご存知の方も多いと思いますが、火災保険に加入する場合に、保険金額や保証条件は自由に選べますが、選べない部分があります。

選べないのは、建物の構造です。

火災保険は建物構造によって、保険金額が変わります。

簡単に言うと、木造が一番高いです。一番安いのは鉄筋コンクリート構造です。

確かに、鉄筋コンクリートが火災に強いのは理解も出来るのですが、鉄骨(特に軽量鉄骨)が火災に強い事はありません。

私も過去に見たことがあるのですが、軽量鉄骨の場合、ある温度に達すると極端に強度がなくなります。

火災時の温度は1000℃にもなります。

しかし、鉄は325℃位から一気に強度が低下します。

そこで、外壁に耐火性のある材料を使う必要があります。

 

木造はどうなのか?と言うと、やはり木ですので火災に強い訳ではありません。

ですので、耐火性の高い外壁や耐火ボードを張る必要があります。

当社でも建物の外側は耐火性の高いボードを全て貼ります。

当然ですが、室内にも耐火性の高いボードを全て貼ります。

このようにして、外側からの火災と、室内で発生した火災に対応します。

そうは言っても、火災保険のルールは保険会社が決める事なので、どうにもならないです。

しかし、木造住宅でも鉄骨造並みに保険を安くする方法があります。

その方法は「省令準耐火」と言う仕様にする事です。

この仕様の家にする事で、普通の木造住宅よりも火災保険を安くすることが出来ます。

しかし、この「省令準耐火仕様の木造住宅」に怪しい場合があるようです。

その理由は、「省令準耐火仕様」になっているかどうか?は自己申告制だからです。

この辺りは長期優良住宅と似ているかも知れません・・・・

 

簡単に言うと、住宅会社が省令準耐火になっていると言う書類を提出すれば、保険会社はOKなのです。

因みに、書類と言っても所定の書類に捺印するだけなので簡単です。

施工した写真を提出するとか、詳細図を提出するなんて事は全く必要ありません。

しかし、そんな簡単で良いの?と思いますよね。

その理由は簡単です。

実際に火災が起こった時には、保険会社の調査員が入ります。

その時に、省令準耐火になって居ない家だった場合には保険料を支払わない可能性が高いです。

このシステムを悪用して、「省令準耐火仕様」と宣伝している住宅会社も居るみたいです。

でも、その時になって保険が下りないと困るのはお客さんです。

間違いなく、住宅会社はしらばっくれると思います。

木造住宅を、キチンと省令準耐火仕様にするのは、結構な手間がかかります。

もし「省令準耐火仕様標準」と書いてあったら、具体的にどのような工事を行うのか?を図面と共に説明して貰う事をオススメします。

意外に、細かいところまで解っていない住宅会社は多いみたいです・・・

 

最後に、

当社の家は省令準耐火仕様ではありません。

でも、室外も室内も耐火ボードを貼っていますし、軒裏も省令準耐火と同じ仕様になっています。

屋根裏にも、耐火ボードを貼っています。

でも、室内に無垢の柱が建っていると、それだけでダメなそうです・・・

何となく、おかしな気もしますけどね。