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ホーム > ブログ > YouTube > ①高性能アルミ樹脂窓を使う方は誰?②危ないチャレンジ住宅を見かける事が多い③窓面積は外壁の3~6%が正しいのか?④通気胴縁は外壁下地?⑤透湿防水シートではなく防水シートが貼ってあった
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 | 2025.06.25

①高性能アルミ樹脂窓を使う方は誰?②危ないチャレンジ住宅を見かける事が多い③窓面積は外壁の3~6%が正しいのか?④通気胴縁は外壁下地?⑤透湿防水シートではなく防水シートが貼ってあった

今回は、私の配信したYouTubeに対するコメントをご紹介します。

まずは、以下の動画に対してです。

◼︎①高性能アルミ樹脂窓は樹脂窓よりも高額です②樹脂窓が傾くのは設計が悪いから?③窓ガラスの選定を間違っている家は多い④施工が悪い大手ハウスメーカーは何処か⑤私が建てた2回目の家が劣化した
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/kouseinou_kougaku_mado/

「◯条工務店の東西面に掃き出し窓がついているという話ですが、完全注文住宅に多いとおっしゃられていました。動画内にあるように、営業担当がわかっていないんでしょうね。ハ◯ミーなどの規格型住宅では、東西北面は壁の面積の3〜5%程度の採光窓になるようにしているらしいです。」

おかしな話ですが、高性能なアルミ樹脂窓は樹脂窓よりも高いです。「そんなものをわざわざ買う人はいるの?」と思うかもしれませんが、枠が少ないとか、開口が大きく取れるというメリットがあるので、デザイナーズ系の設計士さんは多用している方が多いです。コストはかかりますが、何にコストをかけるかというのはその人の自由だし、同じ結果でもわざわざ面倒臭いルートを通る人もいます。なので、別に悪いわけではないですし、芸術作品というのはそういうことが多いです。

逆にわざわざ回りくどいことをやっても、そういうのを認めてくれて、お金を出してくれるお客さんがいるというのは素晴らしいことです。何でも理論でやってしまうのもつまらないですよね。そんなに数多くはできないかと思いますが、1つのチャレンジだと思うので、私はいいんじゃないかという感じがします。

ただ、明らかに構造的にまずいチャレンジとか、下が小さくて上が大きくて倒れないか不安になるようなチャレンジは、話が違います。自宅の周辺にも、軒ゼロで、樋を中に入れていて、屋根も薄いという家が建っていますが、なかなか大変だと思います。カッコいいですが、30年後は大丈夫なのかなと思ってしまいます。

自然素材の家でも、屋根が薄くて、帽子のつばのような軒なのに、パッシブデザインと言っている家もあります。南面に大きな窓の開口を取って軒を薄くすることで、夏は日差しをカットできて、冬は日射を取り入れられるかもしれませんが、「そもそも通気しているのかな?」とか「この杉板の貼り方はどうなのかな?」と思うところはあったりします。

今のこの気候環境ではどう考えても、西面に大きな掃き出し窓をつけたら夏は暑いですよね。また、北面に大きな掃き出し窓をつけたら、冬は寒くて結露しやすくなります。なのでそういうことはやらない方がいいですが、そうしなくてはならない間取りというのもあります。北面に大きな掃き出し窓をつけたいということは、もしかしたらそこに人が長くいるような部屋があるのかもしれないので、閉鎖的にならないようにそういう風にする場合もあります。ただ、そもそもそういう間取りの家は作らない方がいいんじゃないかという感じはします。

お客さんの要望があるなら、「窓はこのくらいにしておかないとまずいですよ。」とか「空調で頑張らなくちゃいけないですよ。」とアドバイスをしますが、そういう要望がなければ、わざわざそういう家にはしません。ただ残念ながら、“動画内にあるように営業担当がわかっていないんでしょうね”というのは、本当にそうだなと思ってしまいます。

大きなハウスメーカーさんと一言で言っていますが、中小工務店も含めて「どう考えても西面は暑いでしょう。」とか「北面は寒いでしょう。」ということを、理解しながら間取りを作る人はいません。でも、別にそんなことをしなくても法律違反じゃないし、消費者の方も体感としてはわかっていたとしても、プロが書いた間取りに対して突っ込みを入れるまでの勉強はされていないはずなので、仕方がないです。

もっと言うと、高性能にすればそんなことは関係ないと、どこかで思っている人は多いはずです。北や西に大きな窓があっても、高性能樹脂窓で断熱材がたくさん入っているから、そんなことは大したことじゃないと思っている方は、プロも消費者の方も含めていらっしゃいます。事実として、YouTubeにそういうコメントもいただきました。

私の経験では、いくら高性能な樹脂窓をつけたとしても、西面に大きな窓をつけたら、そこからとんでもない量の熱が入ってきます。でもそれはあくまでも私の経験であって、コメントを書かれた方の経験とは違うわけなので、そういう意見もあって当然だと思います。どっちを信じるかなんてことは言えませんが、ガラスはガラスであって、断熱材ではありません。こういうのは本当に、どう考えるかとしか言いようがないです。

“東西北面は壁の面積の3〜5%程度の採光窓になるようにしている”とのことですが、30坪程度の2階建ての家だとすると、結構な窓の量になります。例えば北面を60㎡とした場合、3㎡の窓がついていることになります。ましてや規格住宅で性能を落としていて、樹脂のペアで窓が大きいとなると、余計に影響が出やすくなる感じがします。そうは言っても、他の大手ハウスメーカーさんが作っている家に比べたら性能はいいはずです。

次も、先ほどと同じ動画にいただいたコメントです。

「以前、同じ掃き出し窓でもLIXILよりYKKの方が気密が取りにくいという動画を観たことを思い出しました。その後、“YKK窓で家を建築するので気密がどうなったのかをお知らせします。”とのことで動画が終わっていたので、気になりコメントしました。メルマガ限定情報だったらすみません。」

よく覚えていらっしゃいますね。これはおっしゃる通りメルマガ限定の内容なので、ここでは言いづらいです。こういうのもやっていますので、ご興味のある方はメルマガを登録してください。

次は、以下の動画について解説をします。

◼︎①通気胴縁を正しく理解していない職人さんは多いかも②通気ができていない家で起こる現象③日射取得を拒否する家④お風呂の下だけ基礎断熱はどうか⑤インスペクションを活用すれば大丈夫?
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/doubuchi_rikai_syokunin/

今年の夏も暑くなるので、通気はきちんと取らないとまずいかなと思います。通気を取る理由というのは、単純に暑いからということもありますが、結露の問題というのもあります。今の家は、建物の骨組みをどんどん閉じる方向に行っています。そのため、場合によっては湿気が溜まりやすいです。物質というのは、乾燥状態にして、なるべく水分を溜め込まないようにする必要があります。洋服だって濡れっぱなしだったら気持ち悪いじゃないですか。鉄骨、木、コンクリート、石、瓦、防水材、床でも何でも、乾燥しているものは長持ちします。

その状態を保つためには、通気をして乾かしていかなければ、やっぱりまずいと思うわけです。ただ残念ながら通気に関しては、国の法律に規定されているわけではないので、意識している方はほとんどいません。また、通気胴縁を理解していない職人さんというのは、通気胴縁はサイディングを張るためにつけるというイメージを持っているんじゃないかと思います。

現場を回ったり分譲地で仕事をしたりしていると、つい人のお家が目に入ってしまうんですが、「この胴縁は通気しないだろうな。」とか「この換気口のつけ方じゃ抜けないよな。」と思うような家も見かけます。でも、そもそもそれで抜けるという勝手な解釈をしている職人さんも多いと思います。また職人さん自身も、「そういうのを教わったこともないし、何が悪いの?」という感じだと思います。

モデルハウスの近所でも、某住宅会社さんがグラスウールをむき出しのままにしていたり、外壁に透湿防水シートじゃなくて防水シートを貼っていたりするのを見かけました。でも昔の職人さんは、透湿するという考えはなく、あくまでも防水するという考えなので、「水が入らないようにしなくちゃいけない。」と、防水シートを貼ったのだと思います。ただ、今の家は透湿させなければ寿命が持ちません。そのため、防水しながら湿気を出すということが求められていますが、そこまでわかっていない職人さんも正直まだいらっしゃると思います。

その後、その現場の前を通ってみたら、今度は透湿防水シートが貼ってありました。もしかしたら間違えて防水シートを貼ってしまったのかもしれないとも思いましたが、元々バッチリ貼ってあったので、きっとその上に貼っちゃったんだろうなという感じがしました。防水した上に透湿防水シートを貼ったら、よくわからない状態になりますね。

建築業界に詳しい人に、「何でこういうことが起こるんですかね?」と聞いてみたら、それは大きな会社の難しいところだとのことでした。大きな会社は数をこなしていって、売り上げを出すという経営目標があるじゃないですか。その一方で、人手不足という問題もあります。本来この業界は、最初の3年間はただの助手みたいな感じで、その後ようやく現場監督をさせてもらえます。でも今はそんなことをやっている時間はないわけです。即戦力みたいな感じでポンポンとこなしていかなければならないので、中途半端な状態でみんなが関わっていることになります。

ハウスメーカーさんのすごいところは、施工代理店というのを決めて、その会社に全部投げるところです。なおかつ自社で材料を支給して、同じものを作り上げるところです。性能はあまりいいとは思えませんが、変なことはしないというところは、大きな会社としての1つのプライドなんだと思います。大手ハウスメーカーさんじゃない地方の大きな会社だと、そこまでのマニュアル化はできないし、職員さん教育もそこまでできないので、そういう現場もちらほら出てくるというのは納得です。

でも、そういう細かいことを言っていたら、会社を大きくすることはできないというのも事実です。家づくりをする目的が何なのかというところですね。会社を大きくする、売上を上げる、地域でナンバーワンになるという壮大な目標を持っているのであれば、そんな微々たることで騒いでいる暇はありません。私の場合は、人をたくさん使って大きな会社にできるような能力を持っていないので、ちゃんと意思疎通ができる人とこじんまりやっていくのが合っています。家づくりも商売のやり方も、優先順位によるんだなと思いました。