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Idea

まずは、安全であること。

国が定めた建築に関するさまざまな基準の中で、耐震等級に関しては信頼できる基準です。まずは「耐震等級3」であること。この基準をクリアしていない住宅は、間違いなく危険です。しかし、住宅会社によっては構造計算そのものがきちんとされていない場合も多いのが現実です。また、世の中にはさまざまな種類の制震装置や免震装置といったものがありますが、そもそも基本的な構造がキチンとしていなければ、意味はありません。そのような家では、ブレーキの効かない車にエアバッグをつけるようなものです。

一方、断熱に関しては国の基準は、意味がないほどに低いものです。例えば、一般的に知られている「ZEH基準」では欧米諸国の最低基準すらクリアできないと言われます。当社では「群馬県太田市において真冬に数日間電気が途切れても、オーバーコート1枚あれば無暖房でも過ごせる家」を最低条件と考えました。そのため、断熱基準を「HEAT20 G2」とし、エアコン1台で家全体を一定の温度に保つ空調計画を行っています。近年、自然災害は甚大化する傾向にあるため、断熱性能はますます重要になると考えられます。

現地を見ることは、間取り計画の基本。太陽の報告、周辺建物との関係、駐車導線等、沢山の情報を得る事に繋がる。また、日射取得や日射遮蔽計画を最適化する事により、住み心地と共に年間のランニングコストが大きく影響する。
床下までを部屋の一部と考えるため、ベタ基礎を標準採用する。構造計算を行い、間取りと地盤に合わせた配筋と、地中梁によって強度を担保する。このような施工を行う事で、シロアリや地震にも強い家が出来上がる。
袋に入っていないグラスウールを隙間なく敷き詰めることで、断熱欠損を防止。そして、防湿気密シートをきっちりと張る事で、壁体内結露の防止に役立つ。金物部分にはウレタン断熱材を吹き付ける事で熱橋対策を行う。
工事途中には必ず気密測定を行う。気密測定を行う理由は、気密性能を確かめる事だけでなく、施工の精度を確かめることにも繋がる。出来れば、お施主さんの立会いを希望したい。
家は、建て終わったら終わりではない。卓上の計算だけでなく、実測をする事で実際の住み心地の確認が出来る。そして、より精度の高い設計に繋げることも出来る。
お引き渡し後にもお施主様の協力の元に計測を重ねる。測定をする事は、データの蓄積にも繋がるが、健康で快適な住まい方のアドバイスを行う情報にもなる。高性能な家を建てても使い方を間違うと、その効果を感じない事にもなる。

次に、気持ちの良い空間であること。

家は人生の大半の時間を過ごす場所であるがゆえに、住む人の人生の質を大きく左右します。もちろん子供たちの人格形成にも影響があります。そこにいるだけで落ち着ける空間であること、ゆったりとくつろげて気分がいいこと、その人らしく過ごせる空間であること。本来の注文住宅とは、そういったものです。「住む人のために家がある。」それが家の正しいあり方のはずです。

デザインについても同じです。家は一度建ってしまうと、その場所に長期間存在し、住む人の人格を印象づけます。家のデザインは時代の流行り廃りに影響されることなく、住む人の生き方や、地域の生活習慣、周囲の自然環境に基づくべきものです。田舎には田舎の暮らしがあります。田舎は土地が安く、暮らし方の選択肢が広いはずです。通勤の利便性にこだわる必要性も低いはずです。それだけ自由に選択が出来る環境に居ながら、規格された間取りや仕様に囚われるのはもったいないと感じます。

人それぞれのライフスタイルに合わせた設計をできることが、注文住宅の本質的価値。しっかりと考えられた間取りは、一生涯に渡って使い勝手の良い家となる。せっかく建てる家なのに、決まった間取りから選ぶ事ほど勿体ない事はない。
庭づくりの重要な一部分と考える。せっかくこの土地に暮らすのだから、庭づくりも自分らしく楽しみたい。家は、生活するための場所だけではなく、遊ぶための場所にもなり、仕事をするための場所にもなる。
吹き抜けと格子状のスリットから光が届く。日射の低い冬でもあっても、吹抜けから差し込む光のお陰で、室内の奥まで明るくなる。同時に、温度と空気が循環する事で、1階と2階の温度差も少なくなり、気持ちの良い空間が生まれる。
肌触りの良い無垢材によって気持ちの良い空間が生まれる。冬は暖かく、夏はサラっとした触り心地が生まれる。自然素材はキズがついても経年によって味わいに変わっていく。また、補修をする事でずっと使い続ける事ができる。
自然素材だけが持つあたたかな風味が安らぎをもたらす。調湿を助ける本物の珪藻土は、職人のひと刷毛が命を吹き込む。本物は手入れも簡単で、末永く使い続ける事も出来る。
一生使い続ける場所だからこそ手作りで。造作で作った家具は、使い手に合わせて作る事が可能になる。シンクの下にゴミ箱を置きたいとしても、既製品のキッチンでは無理な事が多い。定期的なメンテナンスは必要になるが、一生に渡って使い続ける事で味わいも生まれる。

そして、住んでからお金がかかりづらいこと。

家は建ててからもお金がかかるものです。光熱費とメインテナンス費用がその代表例です。断熱性能がいい家は、それだけで冷暖房費が抑えられます。逆に、断熱性能を削減した家は、暮らすほどにお金が掛かり続けます。当然ですが、健康にも良くありません。また、昨今はAIを活用した設備が注目されていますが、そういったものに頼りすぎると、ガラケーやCDのように更なる新しい技術に取り残される危険があります。機械を使用する場合は汎用性のあるものを使い、特殊な物は使わないのが得策です。また、家本来の性能を高めることが、最も生涯コストの掛かりづらい家になります。

素材も同じです。世の中には10年経っても変わらずに着ることができる服が存在します。そのような服は丈夫なだけでなく、時間と共に味わいが生まれます。これは、家も同じです。サイディングやクロスといった人工物をなるべく使わないようにすることで、風化はしても劣化はしない家ができます。人工的な材料を維持するためには、必ず定期的なメインテナンスが必要になります。しかし、定期的なメインテナンスを行ったとしても長くは持ちませんので、高額な交換費用が掛かります。自然物はいつまでも丈夫な上に、経年するほどに違う味わいが生まれます。そのような家は自然と周囲の風景に溶け込み、時間とともに街並みの一部となっていきます。

大きな掃き出し窓を設置することで日射取得を促進し、冬でも日中は無暖房で過ごせる。夏は外側に設けたシェードで日射をカットすることで、冷暖房費を最低限に抑えることが可能。可変できる家を作る事が、住み心地が良くてランニングコストの掛からない家になる。
間取りに応じた空調計画を考える事で、部屋の隅々までも温度差の少ない環境を作る事が可能になる。その結果、難しいと言われる大きな平屋の家でも、小さな壁掛けエアコン1台で快適な空間を作る事も出来る。
焼杉は最高の味わいが得られる素材の一つ。また、最もメンテナンスコストが掛からない外壁材とも言われる。ただし、施工者の力量が問われる難しい素材でもある。
杉板や塗壁などの自然素材は劣化することなく、むしろ年月により風味が増していく。また、キチンと施工された杉板外壁は腐る事もない。しかも、サイディングのように定期的に塗装する必要もない。杉板や塗壁は、日本の気候に最適な材料である。
家において最も過酷な箇所は屋根。屋根は、夏の暑さや冬の寒さを緩和する役目と共にゲリラ豪雨から守る役目もある。また、重い屋根は地震にも弱くなる。一般的なコロニアルでは10〜15年で塗替えが必要になり、30年もすると吹き替えが必要となる。しかし、ガルバリウム屋根ならメンテナンスコストを行う事で50年以上使い続ける事も可能になる。