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ホーム > ブログ > プロが語る家づくり > Vol.4 太陽光発電はつけないと損をする
プロが語る家づくり
 | 2020.05.10

Vol.4 太陽光発電はつけないと損をする

小暮:
あともう一方でやっぱり問題なのが、電気量のアップ。確か年間2%でしたっけ。

松尾先生:
経産省が試算してるのは、経産省のWEBサイトを見たら分かりますけど。年率3%の割合でずっと電気代が上がっていくという風に試算されています。

小暮:
3%って、20年30年になると凄いんですよね。

松尾先生:
よくね、金融が好きな人は72の法則というのを聞いたことあると思いますけど。例えば3%ってことは3×24が72になりますよね。ということは24年後には電気代が今の倍になるということなんです。

小暮:
あれは複利ですから、どんどん上がるので。24年で倍って凄いですよ。

松尾先生:
そうですね。でも今、この2012年から2019年まで位で試算すると平均7%分ぐらい上がってきた感じです。皆さんにそこまで実感ないかもしれないんですけど。古い電気料金体系で契約した人って結構それを引きずるので。この7年ぐらいで見ると、3%以上のペースで上がってきたなというのは正直あります。

小暮:
電気代を抑えるためには、当然家の燃費を良くすることと、あともう一方で太陽光ってありますよね。ウチのお客さんは、太陽光を付けてる方のほぼ9割ぐらいは無料で付けられる、あの太陽光をやってるんですけど。いまだに太陽光というと、儲かるんでしょ?みたいな感じでいる人もいるみたいなのですけど。そういう訳じゃないですよね太陽光ってね。

松尾先生:
儲かる…。んー相対的には儲かるんですけど。さっき言ったような物凄く高くなる電気代による損を回避できる、節約できるという感じですね。

小暮:
そうですよね、売電していっぱい儲けましょうという話じゃないですよね。

松尾先生:
そうじゃないです。でもやっぱり付けた人の方が得します。僕は自分で何もかも計算しないと納得しないタイプなんで、エクセルで全部シミュレーションしたところ、だいたい30年位で1回…。いや、15年で1回パワーコンディショナーを交換するコストも含めても、4キロ載せて、だいたい300万位は付けた人の方が得するかなという計算になります。

小暮:
以前に見せてもらったやつですね。

松尾先生:
そうですね。結構いろんなことを言う方がいらっしゃると思うんですけど。自分で計算して確かめたことがある人って、あんまり見たことないんですね。ネットにこう書いてあるからというだけで言ってる人はいっぱいいるんですけど。

小暮:
そうそう。よく私が聞くのが、太陽光を付けると、実際そういう計算になるじゃないですか。ただ太陽光を付けると廃棄処分費がまだ確定していないので、後で凄い金がかかるからやめた方が良いみたいなことを言う人がいるらしいんですけどね。

松尾先生:
これも結構まじめな人でも言う方がいらっしゃるんですけど。例えば太陽光発電、パネルの寿命が25年、30年とかという噂がよく言われてて。その辺は正直誰も分からないんですけど。でも25年前のパネルとかも現役で動いてるのも結構多いんですよ。じゃあもしそれがパネルが本当に駄目になって廃棄するってなった時に、重量で言うと太陽光パネルの9割ぐらいガラスなんですね。若干金属のアルミの部分があるという形で、それを廃棄するのにどれぐらい分別するの大変ですかという話です。ガラスって簡単に溶かしたら再利用できるし、金属だって簡単に再利用できますよね。じゃあ自動車テレビ・ラジカセ何でもいいですけど。電化製品がちゃんとリサイクルされてますかって話なんですよ。絶対されてないですよ。

小暮:
なるほど。

松尾先生:
しかも、ペイバックタイムという考え方があって、太陽光発電を作るのに製造時にエネルギーがかかるから、それを加味してないんじゃないかとかって言う方もいらっしゃるんですけど、そのペイバックタイムという、要するに作った時にかかるエネルギーを発電するエネルギー何年分で回収できるのかって言ったら。もう1年か2年で回収できるんですよ。

小暮:
以前に松尾先生がおっしゃっていた、遠方で電気を作ってこっちに持ってくるのと、実際に自分の家で載っけてやった時に、効率が確か、4倍でしたっけ。

松尾先生:
うーんと。発電所で発電して自分の家まで持ってくる時の減ってしまうというのはだいたい日本の平均で2.7倍ですね。だから、例えば東京電力のエリアの人で、自分の家に1という電気を持ってこようとしたら。東京電力の所で2.7分の石炭・石油・ガスというエネルギーを使ってないと、家に1持ってくることができないのです。

小暮:
効率が物凄く悪いということですよね。

松尾先生:
まぁそうですね。話を戻すと、太陽光発電は25年は使えてペイバックタイムも1,2年。電化製品とか車で25年から30年使える物ってないですよね。しかも、電化製品にしても自動車にしてもペイバックタイムって無限大です。使えば使う程エネルギーを放出するだけで、回収って一切ない。エネルギー的にメリットはない訳で。CO2もお金も排出するばっかりです。

小暮:
そうですよね。

松尾先生:
それこそ自動車なんて言ったら、二人とも自動車は大好きなので恐縮ですけど、金属と皮と樹脂とゴムと三万点と言われる部品があって、分別収集なんかほとんど不可能に近い。じゃあ廃棄した後、途上国に行ってそこからきれいにあの人たちが分別して、捨てられるなんて余程の夢想家じゃないと想像しないと思うんですよ。そこに関しては誰も言わないのに、なぜアルミとガラスだけでできていて、ペイバックタイムが1,2年で、25年以上使える物が廃棄問題とかがこんなに言われるのかって。

小暮:
あんまり太陽光を増えると困る人がいるんでしょうね、単純にね。

松尾先生:
そういうことです。そういう風に考えると何が本当なのかが分かると思うんですけど。

小暮:
アラブの方のお付き合いとか、単純にそういう話になっちゃうんでしょうね。

松尾先生:
地球温暖化懐疑論がこの世の中を席巻したのも、結局はアメリカの大手石油メジャーから資金が出てたというのは、結構いろんな所で言われます。でも日本って結構そっちの方の意見ばっかり結構メディアに出て、主流派の意見が懐疑的に扱われる所は往々にしてありますね。

小暮:
いずれにしてもやっぱり現状としてどんどんエネルギーコストが上がってるのは事実ですからね。やっぱり太陽光発電による自己防衛は一つの手段として、悪くないと思います。

松尾先生:
そうですね。

対談第二弾

Vol.1 最低の断熱基準さえも義務化できない国
Vol.2 HEAT20 G2でも欧米では最低レベル
Vol.3 全館空調はメンテナンスコストに差が出る
Vol.4 太陽光発電はつけないと損をする
Vol.5 現時点では蓄電池より〇〇〇の方がいい
Vol.6 断熱材は 材質×厚みで考える
Vol.7 外断熱か、内断熱(充填断熱)か
Vol.8 木造と鉄骨はどっちが丈夫か?
Vol.9 大手はなぜ樹脂サッシを使わないのか?
Vol.10 住宅会社を見分けるチェックリスト
Vol.11 太陽に素直な設計
Vol.12 中古住宅リフォームの注意点

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