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ホーム > ブログ > プラスチック系断熱材を使い分けるポイント
 | 2022.09.11

プラスチック系断熱材を使い分けるポイント

今回はプラスチック系断熱材、
EPSやXPS、硬質ウレタン
フォーム系の断熱材などに
ついてお話をします。

これらの断熱材は
プラスチックですから
水や湿気に強いです。

性能もグラスウールなどの
繊維系に比べると細かい空気を
いっぱい閉じ込められるので
性能が上がりやすいです。

物としてはものすごくいい。
ただ問題点もいろいろあって、
まずは価格が高い。

これらを施工するための
いろんな工夫も必要です。
それから火災には弱いです。

プラスチック系の断熱材は
いろんな特徴があるわけです。

当社もプラスチック系の
断熱材は実際に使っています。
とくに付加断熱の時に使います。

当社が付加断熱をする時は
外側がプラスチックで、
中がグラスウールの場合が
多いです。

これにはいろんな理由があって、
限られた壁の中でいかに
高性能にするかという問題も
ありますし、グラスウールで
付加断熱をすると厚みで
どんどん外に出てしまいます。

その分、窓の納まりが
いろいろおかしくなって
くるわけです。

さてEPSやXPSと言いながら、
細かい製法はそんなに知らないので、
今回、いろいろと調べてみました。

EPSの正式名は
ビーズ法ポリスチレンフォーム
と言ってドイツで開発されたものです。

XPSの正式名は
押出法ポリスチレンフォームと
言います。

あとは当社がよく使うQ1ボード。
アキレスさんのやつですね。
これは硬質のウレタンです。

性能で言うと
EPSは0.034、
XPSは0.02、
Q1ボードも0.21とかです。

当然、性能が高くなるほど
金額も高くなります。

この中で当社は
EPSを使う時もあれば
Q1ボードを使う時も
あります。

なぜ使うものを
変えているのでしょうか。

例えば今、
当社が群馬県沼田市で
家を2軒、建てさせて
いただいています。

その家の間取りや
窓ガラスの付け方など
いろんな部分が違うので、
全く同じUA値には
なりません。

家の大きさも違いますし、
様々なところで少しずつ
変わってきます。

ただ最終的な性能、
一番わかりやすいのは
UA値ですかね。

UA値を見ると、
0.29と0.31でそんなに
違いはありません。

これは卓上の計算ですが、
最終的には私の中では
住み心地的にはほぼ
変わらないと思っています。

つまり◯◯を使ったら
0.29、0.31とかではなくて、
あくまでもトータルに考えて
変わってくるものです。

使っている断熱材によって
違うという意味ではない、
ということです。

さらに言うと、
仕上げ材の関係もあります。

塗り壁仕上げや
Sto外壁、東レの塗り壁など
仕上げに合わせて変えていかないと
割れやすくなるなど様々な特性が
あったりします。

例えば塗り壁をする時は
割れの問題があるので、
EPSを使うとかですね。

ガルバや杉を使う時は
窓の出幅の問題が出てきます。

付加断熱の場合、
通常の窓枠よりも断熱材が
出る場合は窓枠も大きな窓枠を
作らないと断熱材が出てしまいます。

当社ではなるべく余計なことは
したくないし、そういうところで
コストを掛けるのはもったいないので
なるべく薄い断熱材を使って
出さないようにしています。

例えば塗り壁を塗る厚さは
何mmの世界です。
下地まで含めても5mmぐらい。

ガルバや杉板は胴縁があって、
さらにその上にガルバや杉板を
付けると厚くなります。

なので断熱材をなるべく薄くして、
その上に厚みのあるガルバを
張った上で窓枠より飛び出ないとか
窓枠よりも飛び出なくする方法を
考えなくちゃいけないというのがある。

そうなるとなるべく
熱伝導率が低い物を使った方が
厚みも薄くできるという理屈が
あったりします。

こういう理屈は
住宅会社の方もわかっているとは
思いますが、こっちの方が性能が
良いからこれを使ってくださいと
言って塗り壁をやって後で
バリバリになってしまったなんて
ことになるととんでもない話です。

何でも性能を重視して、
仕上げの特性を考えないで
使う場合も無きにしもあらずなので
この辺りは気を付けた方が良いです。

ちなみに補足です。

最終的な断熱性能は、
熱伝導率に加えて
厚さも重要になります。

この辺りは気を付けて
いただければと思います。

いずれにしても
断熱材は何を使うのかも
重要ですが、
施工や空調計画、
日射遮蔽や日射取得など
トータルに考えることが
重要です。

ぜひ参考にしてください。