今回は、私のYouTubeにいただいたコメントをご紹介します。
nobandさんから、以下の動画に対していただきました。
◼︎①蓄熱暖房機の電気代にビックリ②時代の変化に対応できる家の作り方③メンテナンスコストを気にしない方は多い④家づくりはお互いにメリットが必要⑤良い質問と悪い質問⑥知らないのは最強
①蓄熱暖房機の電気代にビックリ②時代の変化に対応できる家の作り方③メンテナンスコストを気にしない方は多い④家づくりはお互いにメリットが必要⑤良い質問と悪い質問⑥知らないのは最強
「問いの質は家づくりにおいて本当に大切で、施主側も建築会社側もよい問いができるか否かで家づくりが変わると感じます。建築会社側の問いでは、施主が気づけていないニーズを拾い上げるきっかけになり、施主側の問いでは施主のちょっとした課題の解決に繋がったりもする。問いの質は提案力にも直結するし、お互いによい問いをして、理想の家、想定を超えた家にするのが家づくりでは大切だなと感じます。」
これは本当におっしゃる通りです。下田島モデルハウスの見学に来られる方、オープンハウスに来られる方、具体的な家づくりの相談に来られる方、打ち合わせに来られる方など、いろんなお客さんと話をする際に質問をいただきます。単純に「1+1は何ですか?」という質問だったら「2です。」と答えるわけです。ただ、その答えを聞くことによって、お客さんが何を達成したいのかというところがなければ、情報を得るだけになってしまいます。
もっと言うと、「そんなことは別にいいじゃないか!」という情報を、一生懸命貯めることになってしまいます。そして、結局は収集がつかなくなってしまうように感じます。質問をすることはものすごく大事なことですが、その質問をすることによって、何を達成したいのか、何を得たいのか、どういう風に活用するのかというところを考えていかないと、答えを聞いて満足するだけになってしまうのではないかと思います。
たしかメルマガにも書きましたが、他人が書いた質問リストみたいなものを使って問いをする人もいるらしいです。別にそれを使って質問してもいいですが、何をしたいのかというところがなければ、何となくわかった気になっただけになってしまいます。また、その質問リストの内容が、自分が作りたい家と全く関連がなかったらどうするのかなと思ってしまいます。でも、そういう便利なものがあると使いたくなるんでしょうね。
随分前にモデルハウスに来られた方で、紙20枚分くらいあるんじゃないかという量の質問を持ってきた方がいたんですが、明らかに自分で考えた質問じゃないんだろうなという文面になっていました。中には、当社がやっていることとは違う質問をされることもありました。当社で家づくりを検討されているのに、当社の家づくりのこととは関係のない質問をするのは、普通に考えておかしな話だと思います。
それが悪いと言うわけではありませんが、そういうことをやっていると頭の中がいっぱいになってしまうし、時間ももったいないです。また、本当に聞きたいことをシンプルに聞いていかなければ、理解度も深くならない感じがします。お客さんだって忙しいはずなので、やたらめったにいろんな質問をしていくのはよくないと思います。
あとは、予算に合わない家のことを一生懸命勉強する方も、一定数いらっしゃる気がします。車で言えば、200万円の車を買うのに、最新鋭システムを搭載したような車の情報を集めて勉強するような感じです。趣味として楽しむ分にはいいですが、整合性はあるのかなと思ってしまいます。それだったら、「200万円の車の中だとどれがベストなんだろう?」と考えることに時間を費やした方がいいと思います。登る山が違うのに違う山同士を比べても、あまり意味がないですよね。
予算は大事です。また、かけられる予算は人によって様々です。この現実を踏まえながら、いかに有効に使うかという風に考えていかないと、ズレていってしまう感じがします。特に今、建築コストは上がっているじゃないですか。そういう中で高性能な家を作るとなると、ここは外しても仕方ないというところと、ここは守っていかないとまずいというところを調整する必要が出てきます。
もっと言えば、元々考えていた大きさの家を小さくしながら、高性能というところは維持して、快適性やメンテコスト、ランニングコストを考えていくのも1つの方法です。ただ、どうしてもこのぐらいの大きさのものが欲しいと言いながら、予算は決まっているとなると、整合性は合わなくなってきます。最近はそういう人が増えているなという感じが、私の中ではします。
メルマガやXにも書いた通り、ZEHの基準が変わります。今までのZEH住宅は、そこそこの断熱性能でも、大きな太陽光パネルをつけて、計算上ゼロになればOKでした。ただ、それもそろそろまずいという風になってきたわけです。太陽光パネルを大きくするかどうかではなく、そもそもの家の性能を上げる必要が出てきました。
断熱等級は6以上で、太陽光なしでもエネルギー消費を少なくしなければなりません。その上で、太陽光をつけるという感じです。今は太陽光をつけるまでが基準ですが、さらにヘムスと蓄電池をつけないとダメみたいです。そうなると当然お金がかかりますよね。ヘムスぐらいなら何とかなりますが、蓄電池もつけるとなると、よりコストが上がってしまう感じがします。
おそらく国もそういう風に考えていらっしゃるので、補助金などで対策するのだと思いますが、断熱性能の高い=UA値の低い、ヘムスと蓄電池がついた家がたくさん建てられてしまうということが懸念されます。さらに、外壁や屋根、中の仕上げといった部分の予算を落とした家にもなるわけです。要は、理論上は高性能になるので、ランニングコストも下がりますが、そうするための予算が削られていって、結局はメンテコストのかかる家が増える可能性があるということです。
また、高性能にしたいばかりに、窓を小さくして閉じていく感じの家も多くなると考えられます。その結果として、住み心地はあまりよくないものになると思います。他の動画でも言ったように、「UA値0.24なのに寒い家」といった感じです。寒いだけではなく、夏の湿度コントロールもしづらくなります。
国が何かの方針を取ると、関わらない方の部分はおざなりになってしまいがちです。高性能なのはいいことですが、その反動でどこかが失われることになると思います。やっぱり何にしてもバランスが大事です。高性能化することで必ず短所も出てくるので、その短所をどういう風に補うのかということも考える必要があります。
電気代は削減できた方がいいですが、それと共に住み心地がよくならなければいけません。また、長く住むんだったら、メンテコストも削減しなければ大変なことになります。
当社が今のスタイルになる前に建てたお家のサイディングを、一部張り替えました。当社の施工が悪かったわけではありませんが、人工的に作られたものはなかなか難しいこともあるんだなと感じました。建ててから14年経っているので、メーカーさんの保証などは消えている状態でしたが、「10年経ったら私には責任がない。」という風には、私は言いたくありません。そういう気持ちでやっています。
問いは重要ですが、その問いはどういう風に活用するためのものなのかというところは、何よりも重要です。また、自分が目指す家づくりをちゃんと整合させるというところ、高性能化するにあたってそれをどういう風に生かすのかというところは、考えられた方がいいかと思います。