https://youtu.be/lxYRI_ZTn60
今回は、私の配信させていただいたYouTubeに対するコメントをご紹介します。
9月に入り、ようやく涼しくなってきた感じがしますが、昨日の群馬は日中の最高気温が32〜33℃でした。おそらくこの煽りで、今年の冬は寒くなるんじゃないかという気がします。また、暑いところは本当に暑くなるし、寒いところはグンと寒くなって、大雪が降ることもあります。群馬でも寒くはなりますが、多少は温度が上がっていっているので、昔ほど冷えるということはないんじゃないかと思います。
最近、住宅会社さんによっては、冬暖かい家よりも夏涼しい家を重要視した方がいいと言われているみたいです。ただ、これも難しいです。家はアパートと違って、若い方であれば50年ぐらいは住むはずですから、どっちかに特化しすぎてしまうと、おかしなことになってくるからです。その辺りは、断熱性能というものを確保しつつ、空調計画や窓の遮蔽といったところでコントロールしていかないといけません。
夏涼しい家と冬暖かい家というのは、似て非なるところがあると思います。冬暖かい家というのは、断熱性能を上げて熱を与えるという風に、案外シンプルです。その熱というのは、すごく寒いところであれば薪ストーブであったりしますが、この辺りなら厚い断熱材を使って、日射取得をちゃんとしてあげれば暖まるので、意外に作りやすいです。
ただ、夏涼しい家というのは難しいです。断熱性能を上げていっても、それだけで涼しくなることは絶対にないからです。逆にマイナスになることもあります。温度を下げていかないと除湿しにくくなるので、エアコンの設定温度を22℃ぐらいにしないと、なかなか家の中がすっきりしてきません。性能がいい分、22℃に設定すればグングン下がりますが、家の中はすごく冷えてしまいます。年配の方はかなり辛いはずです。
かといって25〜27℃にすると、今度は湿度が下がらなくなってしまいます。この辺りはなかなか難しいですよね。住む方の好みもあるじゃないですか。私自身、冷えると体調が悪くなってしまいます。なので私は、夏の室温は26〜28℃、かつ湿度が下がっているという状態だと、ずっといても気持ちがいいし、体調も崩しにくいです。お客さんの家も、私の好みで作っているようなところもあるかもしれません。
例えば私がすごく太っていて、筋肉モリモリで、年中暑がるような人間だとしたら、家の作り方も変わってくるかもしれません。工務店選びでも同じではないでしょうか。夫婦揃ってすごく暑がりだとしたら、付加断熱をして、どんどん下げていくのもいいかもしれませんが、逆の方だときついかなという感じがします。
建てる場所の問題もありますが、結局は、住まわれる方がどういう生活をしたいかだと思います。温度もそうですし、間取りもそうです。単にUA値がいくつだとか、C値がどうだとか、HEAT20のG2.5がいいという風に、簡単には括れないんじゃないのかなという感じがします。その辺りのことはメルマガなどでいつも話していますので、ご興味のある方はメルマガを登録してみてください。
メルマガを読んでいる方はご存知かと思いますが、AI小暮くんというものを以前ご紹介しました。AI小暮くんというのは、お客さんの質問と、私がYouTube、メルマガ、ブログなどで言ったことや実験結果とをマッチングしてくれるものです。質問数が1200個くらいあったらしいので、みなさん熱心に使ってくれているんだなと実感しました。
ただ、ホームページのように、誰でも使えるようにはしないと思います。やっぱり情報というものには前提条件があるじゃないですか。私のメルマガを読んでいただいている人は、私の考え方を理解してくれているはずなので、そういう方に使ってもらうのはいいですが、違うところから来た人にいきなり使われて「何を言っているの?」と思われたら嫌なので、あくまでもメルマガを登録した方はフルで使えるという感じにする予定でいます。
全てに前提条件がありますので、私の言っていることが全て正しいという風には言えません。あくまでも手前味噌ですが、私はただ単にどこかから情報を引っ張ってきて、それをそのまま言っているということはありません。必ずそれなりの実績を持った方が、ちゃんとした実験をしたことを聞いて、理解したものを情報として出すとか、自分で実験や測定をしたものを出すという形にしているので、精度的には高いと思います。なので、そういう情報が欲しい方に使っていただいて、家づくりの参考にしていただきたいと思っています。
では、1つ目のコメントです。以下の動画に対していただきました。
◼︎①屋根裏エアコンのメンテナンス方法②室温29℃湿度30%でも快適な理由③超高性能なのに不快な家もある④セルロースファイバーに気密シートを使わない条件⑤通気は空気の入れ方と温度で変わる
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/aircon_mainte_houhou/
「エアコンの再熱除湿の再熱の部分に日射を使うということですね。」
何を言っているのかよくわからないかもしれませんが、わかる人にはこの一言でわかると思います。何度も言っていますが、エアコンというのは温度を感知しなければ動きません。さっきお話しした高性能住宅だと、閉じる方向に行っているわけなので、温度を感知しにくくなります。そうなると、温度をどんどん下げていくという方向に行くことになるので、どうしても冷えます。ここが空調計画の難しいところです。低性能の方がエアコンが効きやすいということもあるし、ただ高性能にしただけでは涼しくならないからです。
キャンプ好きの人はイメージできると思いますが、クーラーボックスにもいろいろありますよね。一番安いクーラーボックスは、発泡スチロールでできているものでしょうか。氷と魚を入れて、何時間か持てばいいという感じのものなので、あっという間に氷が溶けてしまいます。発泡スチロールだと性能が悪いので、中の冷気がどんどん逃げてしまうわけです。最近ではすごく高性能なクーラーボックスが出ていて、真空断熱材と高性能発泡ウレタンをドッキングしたようなものもあります。10万円ぐらいしますが、ああいうものだと、同じ量の氷を入れても3〜4日間は持ちます。高性能が故に、中の冷気を維持しやすいからです。
いくら高性能なクーラーボックスでも、氷を入れなければ冷えません。家も全く同じです。高性能と空調計画というものをドッキングさせなければ、快適な家にはなりません。でも今の住宅業界は、高性能という部分はバンバンやるのに、空調計画という部分はいい加減なことが多いので、これらがドッキングしていないわけです。もっと言えば、日射遮蔽や日射取得というものもありますが、そこまでに達していません。高性能という部分だけがずっと1人歩きしているのが現状です。
2つ目のコメントです。先ほどと同じ動画に対していただきました。
「高気密高断熱とパッシブ設計が上手くできたら、次は湿度コントロールが課題ということですね。壁付けの除湿機があるみたいですが、やはりエアコンをいじめて除湿させ続ける方が簡単で安いのでしょうか?」
この方も私のメルマガを読んでくれているんだと思います。メルマガを読んでいる方は、論理が正しい感じがします。前提条件が全部わかっているので、お話ししても上手く伝わりますが、UA値やC値がどうだとか、この断熱材がいいんだとか、そういうところだけでやっている人は、物知りではあっても、論理的な組み合わせができていないので、ただ単に高性能な断熱材を使った家だけができることになってしまいます。この辺りが、家づくりの複雑な部分ですね。
3つ目のコメントです。以下の動画に対していただきました。
◼︎①簡単にリフォームできなくなります②カーポートは確認申請が必要です③カーポートが建てられないケース④違法建築物がバレるケース
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/kantan_reform_car/
「私も昨年カーポートを建てようかと思いましたが、市役所の判断(その方は厳しめの方)により確認申請がないとダメだと知り、1台用ですが、結局何だかんだつけると結構いい値段になってしまったので、断念しました。「確認申請代行はやっていないので個人で探してください。」というところもありましたが、「自分のところでできます。」というところもあり、見積書を出したりもしました。また、1台用なのに確認申請に手数料を取りすぎな見積書を出してくる業者もいたりして、いろいろと勉強させていただきました。」
当社は基本的には、カーポートだけというリフォーム案件はやっていません。あくまでも新築がメインで、一応リフォームもやっていますが、お客さんのご兄弟や親御さんなど、よく知っている人だけに限定させてもらっています。リフォームはトラブルになりやすいところもあるので、餅は餅屋で、町場のリフォーム屋さんにやってもらった方がいいんじゃないかと思います。
カーポートの工事というのは、昔はいい加減でした。庭が空いていればそこにカーポートをポンと建てるのが普通でしたが、今年の春からはそれが正常になったという感じです。また、この方も書いているように、役所の判断によって変わってしまうこともあります。ただ、意外に簡単だったというコメントもいただいたので、本当に場所によって変わってくるんでしょうね。
4つ目のコメントです。1、2つ目と同じ動画に対していただきました。
「日中に仕事で運転をしている時に、いつもそちらの社屋の横を通りますが、ガラスまみれでこの時期は暑そうだなと思って見ていました。日射取得をガンガンすることで湿度が低くなり、カラッとする話はとても参考になりました。」
当社の事務所は、元々は設計事務所さんのビルでしたが、設計事務所さんが辞めたことで空きが出たわけです。たまたまその設計事務所さんの社長さんと私が知り合いだったので、「貸してくれないか?」と言ったら「いいですよ。」と言ってくれて、かなり安く貸してもらっています。なので文句は言えません。
当時のデザインのまま、カーテンウォールみたいな窓ガラスになっているので、冬は暖かいです。夏は日射取得でカラカラになります。ただこれにも限界があって、外気温が35℃くらいまでは調子がいいんですが、40℃くらいになると日射取得の方が勝ってしまい、エアコンをかけても温度が下がらなくなってきます。エアコンにも限界があるということですね。
これから家づくりが始まる現場の近くに、某大手ハウスメーカーさんの暑そうな家があります。絵のように真四角で、2階のど真ん中に大きなFIX窓があって、1階には掃き出し窓があるような家です。要は、軒ゼロの真四角のプレハブ系の家なので、どう見ても暑そうな感じがします。屋根もぺったんこで、窓ガラスから上の部分はすごく短いので、屋根断熱にも限界がありそうです。
その家は、まだ建てて5年ぐらいだと思いますが、汚れ具合からすると5年も経っていないかもしれません。こういう家は、冬は日射がバンバン来るので暖まりやすいですが、逆に日が下がっちゃうと、窓がアルミということもありなかなか厳しいです。カーテンも折りたたむような感じのものなので、ハニカムみたいに熱損失を防ぐことはできなさそうです。
モダンな感じでカッコいいお家ですが、夏は暑くて冬は寒い気がします。どう見てもそういう風にしかならないですし、そういうのがわかっている方は、あの会社で家は買わないだろうなと思います。ちょっと悪口になってしまいましたが、そんな風に感じました。