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 | 2025.12.20

①文章力(質問力)で家づくりは変わる②瓦を使うと耐震性が低くなるのか?③私の好きなデザイン④太陽光パネルを安全に後付けする方法⑤なぜそこにエコキュートを置くのか?

https://youtu.be/u8LtF3FDK6M

今回は、私が配信させていただいたYouTubeに対するコメントをご紹介します。

早速ですが、1つ目のコメントです。

「いつも動画を拝見させていただき、家づくりの参考にさせていただいています。イニシャルコストだけでなく、メンテナンスを考慮したトータルコストを重視する御社の家づくりは非常に勉強になります。1点質問なのですが、御社では屋根にガルバリウムを使用することが多いように見受けられます。個人的にいろいろ調べた結果、トータルコストを重視するなら瓦屋根+透湿防水ルーフィングの組み合わせが屋根材の耐久性、ルーフィングの通気性的にも最適だと感じています。御社でガルバリウム屋根を採用されている理由、瓦屋根のメリットやデメリット等のお話を聞かせていただけると幸いです。」

当社は決して、瓦を使わないというわけではありません。瓦を使いたいという要望があれば使っても悪くないと思いますし、瓦を使ったからといって耐震性が低くなるというわけでもないと思っています。瓦に応じた重量計算をして、それをもとに構造計算をすればいいだけの話です。ただやっぱり、瓦屋根のデザインは私が作っているお家にはなかなか合いません。

当社で家づくりをするお客さんから「子育て設計さんの家は変に和風っぽくないし、設計屋さんが作るような奇抜さみたいなものもないのでいい塩梅ですね。」という風に言っていただくことがあります。どっちつかずと言われたらそうなんですが、シャープな中に、和の雰囲気とモダンな雰囲気を入れるような感じにして、若い方にも日本の住宅というものを感じてもらいたいと思っています。

車で例えるとわかりやすいです。トヨタの車は流線系の形のものが多いじゃないですか。私はどちらかというと、ホンダの車のように四角っぽいものの方が好きなわけです。スーパーカーも、フェラーリやポルシェより、ランボルギーニみたいな男らしい感じの方が好きです。外車はハマーみたいな真四角のものやバンが好きだし、日本車はやっぱり、ホンダのアイコニックデザインのものが好みです。

私が乗っているホンダのNバンや、会社で乗っているエブリイバンは、ちょっと丸みもあるんだけど、基本的な骨格はスパッとしています。私の作る家も、四角い中に水平ラインや縦ラインがあって、窓もラインがあって、中がくぐり戸みたいに丸くなっています。そういうのを気に入っていただけるお客さんがいらっしゃっているのかなという感じがします。なので、どうしても瓦屋根だと厚ぼったい感じになってしまうわけです。

今は家づくりをする前提条件として、ランニングコストや地球温暖化の観点から、太陽光発電を載せるというのがあるじゃないですか。そのような中で、瓦の重い屋根の上に太陽光を載せていくとなると、どんどん重量が嵩んでいってしまいます。そうすると、建物的には不利な方向に行きますよね。

車も全く同じです。私はNバンでキャンプに行きますが、あれは車高が高くて2mぐらいあるわけです。あの上にラックを載せて荷物を積むと、カーブの時にすごく揺れるし、ブレーキをした時も重量のバランスが悪くなります。地震の時にも揺れやすくなるし、地盤が悪ければ杭の本数などにも影響してきます。やっぱりなるべくだったら、頭は軽くして、重いものは下にする方がいいんじゃないかという気がします。

また、瓦は耐久性が高いと言われますが、それは本瓦という、昔ながらの工法で粘土をこねて、うわ薬を塗って焼き付けたもののことを言うわけです。今使われている地震に強い瓦とか、薄く焼いた瓦とか、モニエル瓦というものは、あくまでも耐久性が高いわけではありません。なので、瓦の選定によって全く違ってきてしまいます。瓦は決して悪いものではありませんが、太陽光を載せることが前提になると、どうなのかなという感じがしてしまいます。ただ、使うのはその人の自由だと思います。

“瓦屋根+透湿防水ルーフィングの組み合わせが屋根材の耐久性、ルーフィングの通気性的にも最適だと感じています。”とのことですが、たしかに瓦の場合は通気しやすいので、透湿ルーフィングを使った時にも湿気が逃げやすくなります。それはそれでいいことですが、当社では二重通気をやって空気が流れるようにしているので、そんなに変わらないかと思います。

ガルバは鉄だから熱くなりますよね。瓦も、粘土である上に熱容量が大きいものなので、夏にすごく熱を溜め込みます。昔は屋根裏空間があったので、瓦が熱くなっても放熱することができましたが、意外に瓦屋根というのは熱くなりやすいのかなという感じがします。これはガルバでも同じですけどね。

いずれにしても、私は瓦が絶対に悪いわけではないと思っています。ただ、使う場合は重い屋根で構造計算をすることが重要です。太陽光をつけるのであれば、さらに重い屋根で構造計算をするのが原則です。

今は瓦を使っているお家はそんなに見なくなっている気がします。あくまでも私の勝手な思い込みですが、群馬県の田舎で瓦屋根を使って家を建てるお家というのは、昔ながらの家づくりをしている住宅会社さんが建てることが多いので、断熱、気密、構造に関してそんなに詳しくない人が作っているような気がしていてしまいます。

瓦は昔ながらの日本の気候に合っているし、耐久性が高いというのはわかりますが、さっき言ったマイナスポイントについてはあまり理解せず「瓦はいいものだ!」と言って使っている会社さんが多いように思います。それなのに、太陽光を載せないとエネルギーコストがかかっちゃったり、補助金が貰えなかったりするわけです。

繰り返しますが、瓦は悪いものではありません。ただ、よくないものもあります。また、瓦を使っている田舎の工務店では、古い家のままやってしまうケースが多いので、疑問に感じることはあります。回答になっていないかもしれませんが、参考になればという風に思います。

2つ目のコメントです。太陽光に関する内容です。

「いつも楽しく拝見しております。最近、東京都から、みんなのお家に太陽光というDMが届きました。どうやら東京都民みんなで太陽光発電システムを買って、スケールメリットと化して低価格で購入でき、かつそこに補助金が出てお得に太陽光発電システムが導入できるようです。家を建てた当初は、ここまで電気代が高騰するとは予想していなかったので、数百万円も払って太陽光システムを入れるよりも、素直に電気代を払えばいいやと思っていましたが、最近は安く購入できないか?と思い、興味を持っています。

ただ気がかりなのが、太陽光発電シフトと同時に家に穴を開けたら、気密性能が下がるかもしれないということです。建築後に太陽光発電システムを入れる場合、新たに家に穴を開けることは不可避なのでしょうか?既にあるエアコンスリーブなどから配線を通して、新たに家に穴を開けないというのは可能なんでしょうか?

そろそろ築10年で、屋根材はスレート材、コロニアルグラッサなんですが、メンテナンス時期も近いかなと思います。太陽光パネルを載せる場合、屋根のメンテナンスを行う方がいいのでしょうか?また、当初は予定していませんでしたが、太陽光パネルを載せた時に頭が重くなって、家の耐震性に影響するような気がします。太陽光を載せる方はそんなことは考慮していないのかなと、不安の面もあります。後付け太陽光パネルはオススメできないでしょうか?」

こういうケースは多いと思います。当社のモデルハウスの近くには建売住宅や古いお家がありますが、燃料コスト増大によって、あとから太陽光をつけている家も多いです。そういう場合に絶対条件になってしまうのが、屋根に穴を開けるということです。瓦屋根の場合は、一部の瓦を抜いて金物がついているようなものを差し込む方法もありますが、ガルバリウム鋼板やコロニアル屋根、今回のようなコロニアルグラッサの場合は、穴を打ち込んで骨を取り付けて、その上にパネルを載せるという方法しかないと思います。

当社がやっているガルバリウムの縦葺きの場合は、フックを使って挟み込むキャッチクランプ工法を使うので、穴を開けずにできるというメリットがあります。ただ、昔にネットで見て「危なくないのかな?」と思った方法があります。絵のように屋根のてっぺんに金属製の骨をビューンとやって、穴を開けずに太陽光パネルを載せるというものです。実際に施工している現場を見たことがないので理屈で終わったのかなと思いますが、「うちはやっているよ!」「問題ないよ!」という人がいたら、コメントで教えていただけると嬉しいです。

この方の屋根の場合、メーカーさんは30年持つみたいなことを言うはずですが、そんなことはないという話を以前にしました。実際には15年くらいで塗らないとなかなか難しいんじゃないかなと思います。あとは長くなってくると、割れの問題も出てきます。割れたところからルーフィングの方に水が行っちゃうと、中で水がジューッと広がっちゃうので、早めに交換したり、コーキングをしたりする必要が出てきます。

結論を言うと、コロニアルグラッサの屋根にあとから太陽光を載せるのは、ある程度の危険性があります。やっちゃいけないわけじゃないですが、長く住むのであれば怖いところはあります。じゃあどうすればいいのかというと、屋根のメンテナンスをしなきゃいけないとか、10年後に塗り続けることを何回も繰り返さなければいけないんだったら、この機会に縦ハゼ工法で、ガルバでカバー工法で屋根を作って、その上にキャッチクランプ工法でやってしまうことです。その方が間違いなく安心ですし、金額も安いんじゃないかと思います。

例えばこれを見ている方がご年配の方で、「あと20〜30年も生きませんよ!」ということだったらまた違ってきます。ただ、若い方で「家を30歳で作って今45歳なんですよ!」ということであれば、「お金がかかってもこの際やっておこう!」ということになるかもしれません。この辺りはどれが正解かわからないので、本当に難しいです。一番いいのは、最初から穴を開けない方法でやることですけどね。

配線はエアコンのスリーブを使いたいとのことですが、分電盤の位置によっては家の中を配線がのたうち回ることになるし、美観的な問題も出てくるので、最短ルートではいかなくなる可能性もあります。できなくはないですが、余計にお金がかかるし、ちょっとおかしな感じになってしまうかもしれません。

新築だったら、太陽光パネルの位置、パワコンの位置、分電盤の位置を考えながらやります。あとは太陽光から出てくる配線も、人目につかない方に持っていくために「分電盤の位置はこの辺がいいね!」という風にトータルで考えて、カッコよくすることができます。

エコキュートも同じです。ポンと押した時に、なるべく配管を短くしてお湯がすぐ来るようにする必要があります。それと共に、美観な問題も出てきます。道路から見た時にエコキュートがバーンと見えるのはカッコいいものじゃないので、なるべく隠したいけど、隠しすぎると交換の時に困ります。なので交換しやすくて、見えにくくて、配管が短くて済むように考えて設計していくわけです。

こういうことを考えなければ、当社が高崎で今年作ったお家の近くにあった「なぜここにエコキュートがあるんだろう?」と思うような家になってしまうかもしれません。そのお家は、南側の掃き出し窓の横にエコキュートがボンとあったので、「普通ここに置くかな?」「配管を間違っちゃったのかな?」と思ってしまいました。エコキュートの位置で金額が変わるわけじゃないので、もったいないなという気もしました。太陽光の話からエコキュートの話になってしまいましたが、参考になれば幸いです。