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 | 2023.08.20

①これから家を建てる時に気を付けるべき4条件②100年住宅なのに31年で建て直しになった理由③軒ゼロぺったんこ住宅の危険性

https://youtu.be/CARKQCs4Ygc

本当に今年も暑いですよね。

今年の冬はものすごく寒かったんです。私がなぜ覚えているかと言うと、ちょうどその頃に群馬県の沼田市という4地域でお家づくりをさせていただいたんですけど、お引き渡し前だったので、床下エアコンをかけて温度測定をずっとしてたんです。スマホで温度が見られますから。

10時頃になったら温度が上がって、お昼を過ぎてこれだけ上がって、夜になったら下がったというようにずっと見てたんです。本当に一番寒い時には-10℃・-11℃みたいなのがずっと続いてて、最高気温でも-3℃なんて日があって、沼田ってこんなに寒かったのかなと思って自分の中でびっくりした記憶があります。でも実際、沼田に住んでる方にお聞きしたら、本当にこんなに寒くなることは近年あまりなかったです。ここまで温度が下がるとは思わなかったと。

その沼田で今現在も工事をやらせていただいてるんですけど、今ちょうどやってる最中なんですが、今度はすごく暑いんです。太田市に比べたら多少温度は低いんだけど、ただ沼田って私のイメージだと山に近くて、何となく涼しい現場に行くんだって感じで、車で乗ってって、着いてドアを開けた瞬間に「うわ暑い」と。沼田でもこんな暑いのかと、本当に-11°C〜35℃みたいな感じで振幅がすごく大きくて、気候変動と同じ感じですよね。

こういう中でこれからは家を作っていかなければいけない。これはもう必然だと思うんです。それと、あとはやっぱり地震。最近はあまり聞かなくなったんだけど、やっぱり地震っていつ起こるかわからないから、耐震性というところはちゃんとやらなきゃいけないじゃないですか。あともう1つは、これだけ気候変動してるとメルマガでも書きましたけど、日本の気候が亜熱帯気候というか、大雨が降りやすくなるような気候になっているということもよく語られてますよね。なのでやっぱり地震に対しても考える必要があります。日本は地震国ですから。

日本のこれまでの家って、こういうことが考えられてないわけではないんだけど、そんなに真剣に考えられていなかった気がします。

耐震については未だに、耐震等級1でも特に問題はない。断熱等級については一応最低基準が決められているんだけど、それを下回ったからって違法ではない。あと、ゲリラ豪雨に対してはそのような決まりは特にないです。未だに日本で今作られてる家は、そういう状況というのが事実なので、この辺りを消費者の方も、これだけ今は情報が、私に限らず発信されてるわけですから、認識していただいた方がいいと思います。

今まで作られてきた家はそういうのを踏まえてないのは仕方ないけど、今から作るのであれば、そういうものはちゃんとやりましょうというのは、みなさんに重々と承知していただいた方がよろしいかと思います。

メルマガで、失礼なタイトルなんだけど、「100年住宅だったけど31年で解体した」というものがあって、解体現場ってものすごく私の中では勉強になるんです。それは事実だからです。解体する現場を見ると、どこが劣化してるかとか、当然悪いところばかりじゃなくて、ここは良いとか、さっきの100年住宅の家で言うと、100年住宅とその会社は言ってる、確かに骨組みとか見る限りは、「これだったら100年持つな」「よくできてるな」とか、逆に100年持たせるためにここまでお金をかけるのもすごいなと思ったりする。すごく耐久性があっていいと思うんだけど、逆にそれ以外全然持たないんじゃないの?ということもあったりする。何でこんな風に作っちゃったの?とかね。

私はこの道30年以上やってるし、住宅会社もやってきたけど、前職はゼネコンの現場監督をやって鉄骨住宅・RC住宅を作ったり、土木なんかも免許を持ってるんで、橋梁と言って橋を作ったり、大きな建物を作ったりとか、ちょっと自慢みたいですけど、いろんな構造物を作ってきたので、そんなに専門じゃないんだけど、知ってるという自負はあります。

その中でも鉄骨住宅を私が過去に作った経験からすると、正直「これはないよ」というようなものが見られたので、失礼な言い方をしちゃうけど、ハウスメーカーさんというのはそういうところも含めて安心感があって、お客さんも「大きな会社だから」と信用して任せたわけじゃないですか。ハウスメーカーさんで家を建てる人は(費用が)高いとわかってると思います。最近の方だったら性能はそんなに良くないとわかってる。断熱・気密性能も高くないのが事実だから、窓だってほとんどアルミ樹脂ですから、樹脂は基本的に使わないと思う。床だって普通のフローリングだったりとか、無垢でも突板だったりするし、キッチンなんかはいいものを使うかもしれないけど、家の性能って部分で言ったら特段高いわけでもないです。

そういう中でも大手ハウスメーカーさんを選ぶのはやっぱり信用という部分だと思ってる。大きな会社ならではの綿密な施工計画・施工・信用、社員教育もあったり。そういうことで選ばれてると思うんだけど、解体現場を見る限りは「ん?」というところがかなりあったので。

最終的には信用とは、現場で施工したもの・施工方法とか作ったものがきちんとしてることが信用に繋がるので、「うちはこうやってます」と口先だけでは本当の信用は得られないんじゃないかなと改めて感じた次第です。

そう感じた現場があったという話でした。

かなり長くなりましたけど、今は地震だとか暑い・寒いだとか、ゲリラ豪雨とかが多い中で、未だにこういう家が作られてるんだなというのを最近見たんです。当社は今、群馬県桐生市というところで家を作らせていただいてまして、その現場へ行って足場に登って屋根の納まりを見たり、どんなお家が建ってるか見たりする機会がありました。

工事中の家が遠目に見えたすごいです。恐ろしいほどの軒ゼロぺったんこ住宅、車で言うと超車高短です。家の形を上から見るとよくありがちなコの字型のお家です。

普通に前に敷地が広くあって、周りに何もない田舎だから、日射取得バリバリで、周りが全然空いてるような敷地なのに、なぜわざわざこんな狭い家を作るのか。そして明らかな日射取得不足。暖かくなることはないんだろうなと。メルマガなんかに書いたから、みなさんはわかると思うけど、夏でも熱が入らないと家の中の湿度が高くなっていっちゃうんです。除湿がなかなかできなくなっちゃう。

ただ何度も言いますけど、こういう家を作っちゃいけないというわけじゃない。こういう家を作ることによって、長所としてはカッコいいとかあったりする。ただ短所としてはこういうことが起こっちゃうから、短所・長所を含めた中で、カッコよさを取ったなら悪くない。その人の選択なので、私がいろんなお客さんと話しをしてる中で、この状態の家を建てちゃうとこういう短所が出ちゃうんだけど、寒くなる・夏に除湿しなくなるとか、家の中が暗くなるということもあったりするけど、それでもやっぱりそういう家を作りたいんですかね?と、仮にきちっと説明した時に、私はそれでもそういう家を作りたいんですと言う人はあまりいないと思います。

温熱環境の話ですが、この家は恐ろしいほどぺったんこです。屋根の勾配(傾き)ってある程度は決まってて、例えば瓦屋根であれば3.5寸という傾きがないと雨漏りしやすいです。コロニアルだと3寸・2.5寸にしてもいいけど、傾きが薄ければ薄い程雨が流れにくくなるから限界がある。ガルバリウム鋼板は鉄板を1枚で継ぎ目なく葺くことができるような施工をすれば極端な話1寸でぺったんこにできます。ただ1つ問題点としては屋根の通気がしづらくなるというのがあります。ある程度の傾きがないと通気はしづらいです。

屋根の勾配(傾き)は、瓦だと3.5寸、コロニアルだと2.3寸、ガルバリウムは1.0寸です。ぺったんこのガルバリウムってあります。デザイナーズ住宅であれでも雨漏りはしにくくはなるでしょう。大体ぺったんこの家を作る方って、あまり通気を気にしない人が多いです。デザインが優先になってるので、本来は通気というのは軒先を通って棟から出ることをやらないと夏は暑くなります。通気・排気が重要です。これはメルマガでも言います。

ぺったんこだと傾きがなさすぎて、湿気が登っていかないことがあります。仮にこれで通気を取っちゃうと、湿気が登れないうちにこの辺りで湿気だけ置いていかれる感じです。空気は何とか通るんですが、空気と一緒に入った湿気はこの辺で溜まる傾向があります。これは他のメルマガやYouTubeでもお話ししました。

なおかつ怖いのが、本来は軒を出して雨水を垂らしたら良いのですが、ないから雨が降るとここは怖いです。おそらくだけどこういうお家の方は、通気・断熱を気にしてなくて、さらに雨仕舞というのも気にしない傾向があるので、こういうところってペタッとやってコーキング処理をしちゃえば終わっちゃうみたいな傾向は、施工的によく見られます。ただし、全ての方とは言ってません。ちゃんとした施工をしてる人もいるけど、私なんかが見る限りでは、あまりそういうところに細かく気を使ってないような会社さんの方が多いかなと思います。ゲリラ豪雨が起こって10年経ってシーリングが切れたりすると、それが天井裏に入ったりもします。

寒い・暑い問題とかゲリラ豪雨、耐震はわからないですけど、耐震は取ってたらいいんだけど、寒い・暑い・ゲリラ豪雨の問題って、あれ?というところに通じちゃうから。

コの字型の家を作っちゃいけない、とは言わないんだけど、こういう家は複雑な問題を含んでいる。それでもこういう家が欲しいという方は、作っちゃいけないわけじゃないので、そういうことを住宅会社さんなりに確認して作られた方がいいかなと思います。こういう家って1つのトレンドなんですかね、特に若い方なんかはカッコいいとか、あとはコの字型にしてプライベートスペースっぽくなるとかね。それはそれでカッコ悪くはないと思うし、そういう家も写真を見たら素敵だなと思うけど、自分がいざ作るってなった時はちょっと「ん?」と思うところもあるし。

お客さんにはよく説明をして、こういう造りの時はこういうことをしなくてはいけないよとか、逆にお金がかかるんだよというところも説明してからやる。いいですね!それカッコいいね!とか大丈夫!と言うような軽さで作れるような家じゃないかな、という感じがします。