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ホーム > ブログ > YouTube > セルロースファイバーの長所と短所を解説しました
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 | 2020.07.21

セルロースファイバーの長所と短所を解説しました

今回は
セルロースファイバーに
ついて解説します。

セルロースファイバーは
当社でも屋根の断熱に
使っています。

セルロースファイバは
意外に人気があります。

当社に来るお客さんも、
セルロースファイバーの
何々がいいですよね、と
ちょっと勉強してる方が
おっしゃいます。

先日もモデルハウスに来た
お客さんに、天井断熱には
セルロースファイバーを
使っていて、壁はちょっと
違うと言ったら、壁まで全部
セルロースファイバーで
やっていただけませんか?
みたいなことを言われました。

なぜか尋ねると、
セルロースファイバーは
こんなところが良いと
おっしゃるのですが、
少し勘違いされている方も
多い気がしたので、改めて
セルロースファイバーに
ついて解説をします。

そもそもみなさんは
セルロースファイバーは
ご存知でしょうか?

セルロースファイバーは
主に新聞紙です。

その新聞紙を裁断しますが、
裁断するときにふわっと
させるようなテクニックが
あるらしいです。

壁にセルロースファイバーを
入れるときに、紙だから
あとで沈んで断熱欠損を
起こしちゃうんじゃないか
ということを心配される方が
います。

こういった断熱欠損を
起こさないための対応策が
あります。

まず製品として繊維状に
フワフワするような感じで
カットされています。

そうすると
積み重なることで
間に空気がいっぱい
入っていきます。

断熱材は、壁の中に空気を
閉じ込めことで性能が
上がります。

なので細かい空気を
入れてあげればあげるほど
断熱材の性能は上がります。

空気は本当に
熱伝導率が低いものなので、
最高の断熱材になります。

話がズレましたが、
セルロースファイバーを
沈下させないためには、
密度を高くしていっぱい
吹くようにします。

セルロースファイバーは
すごく密度が高くて、
16kとか24kとか55k
というのがあります。

55kなら55kg/㎥。
1㎥の中に55キロの
重さの物が入るという
意味です。

そんなものをふわっと
させながら細かく入れて
空気の層をつくっています。

だからある程度の量を
入れていけば、
そんなに沈下するもの
ではありません。

それでも心配な場合は、
一気に吹くのではなく
層を分けるという
防止策もあります。

セルロースファイバーは
そんなに安い物では
ありません。高い物です。

でも安く
セルロースファイバーを
やる会社さんには傾向が
あって、防止策をせずに
一気に吹いちゃいます。

あとはキロ数がそもそも
低くて量も少ない。

なのでもしみなさんが
セルロースファイバーを
使うなら、このキロ数は
ひとつのポイントになる
と思います。

話を戻します。

当社が接客したお客さんが
天井・屋根だけではなく
壁もセルロースファイバーに
したいとおっしゃいました。

その理由はみなさんも
勘違いしてると思いますが、
調湿効果があるからという
話でした。

これは先に言うと、
はっきり言って間違いです。

そもそも断熱材は、
調湿をするために使う
ものではありません。

セルロースファイバーは
確かに乾いた新聞みたいな
ものを使っていますから、
水分を吸いやすい傾向は
あります。それは事実です。

グラスウールみたいに
ガラスの繊維だとか、
ロックウールみたいに
石の繊維ではないので
水は弾きません。

水分を吸うので、それを
調湿と言えば調湿ですが。

ただ断熱材に
水を吸わせてしまったら、
まず断熱性能が落ちます。

そもそも断熱材は
完全に乾燥したとき、
湿度0%のときに最高の
数値を現すものなので、
調湿させてはいけません。

なので防湿気密層を付けて、
湿気を入れないのが基本です。

もしみなさんが
セルロースファイバーを
使いたいと思っていて、
住宅会社さんから調湿効果が
あるみたいなことを
言われたらはっきり言って
ダメです、その瞬間に。

おそらくその住宅会社さんは
断熱材のことをわかって
いないですし。本当に
住み心地の良い家ができる
とは私は絶対思わないです。

はっきり言っておきます。
断熱材は調湿のために
使われるものではありません。

ただこういう
言い方はできます。

仮にもし防湿気密層が
あるのになんかの事故で
水分が壁の中に入って
上手く外に抜けないときに、
木がその湿気を吸って
腐ってしまうなら、そこで
セルロースファイバーが
吸った方がいいのかな
という考え方はあります。

一瞬そこで吸わせて、
骨組みの方に被害が
いかないようにする
というのは確かにあります。

最後の砦というやつです。
バリアですかね。

あとはウッドファイバー
という天然の断熱材が
あります。

そういう断熱材を使ってる
会社さんがよく言うのが、
熱容量。

断熱材の性能を表すときに
熱伝導率や熱抵抗値という
指標がありますが、その中に
熱容量というものがあります。

熱容量を簡単に言うと、
自らが熱い熱を蓄えて、
他に影響を及ぼさない
ようにするという感じ。

そう考えると
ウッドファイバーは自分が
熱を溜めることによって
他に影響を及ぼさない効果が
あると言えばありますが、
逆にこれがねマイナスに
なる場合があります。

この辺りは長くなるので
また別動画で配信します。

いずれにしても
セルロースファイバーは
悪いものではないけど、
熱容量がどうとか
調湿がどうとかと言う方が
多すぎるんじゃないかなと
思います。

最後になぜ私が屋根断熱に
セルロースファイバーを
使っているかと言うと、
セルロースファイバーは
断熱欠損がしにくいからです。
隙間なく入れられます。

ただ熱伝導率が
少し低いので、その分は
厚みでなんとかカバーします。

特に屋根は厚みを増やす
ことによって、最終的な
熱抵抗値を上げることが
できるので、そういう部分は
ものすごく便利なものだと
思います。

調湿は期待しませんが、
最後の砦として使うのは
ありということで、私は
セルロースファイバーを
使っています。

おそらく一般の消費者の方が
セルロースファイバーを
使う理由は、少し勘違いを
してることが多いので、
注意喚起ではありませんが、
解説をしてみました。