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 | 2023.11.20

①中古住宅をリノベーションすると新築よりも安くなるのか?②卓上の計算と実際は違ったりする③正しい間取りの作成ステップ④大手ハウスメーカーの設計レベルは高い?⑤捨選択できない人が多い

今回は質問コーナーです。

私のYouTube動画を見てる方は新築を目指している方がほとんどだと思うので、リフォーム系・建てた後系の動画は見る方は少ないのかなと思うし、ちょっと感じるのが新築に関してはいろんな動画が出ていて勉強する流れになってきたんだけど、リフォームに関してはなかなかそういう流れはまだできてない感じがします。リフォーム動画も、恐らくほとんどが何か取り替えた・塗ったというもので、もっと根本的なリノベーションの動画っていうのはなかなかまだないんでしょうね。

松尾先生も高断熱リフォームの動画をこの前上げられてましたよね。建築・新築のコストが上がってきてるので、中古住宅を買ってリノベーションというか高断熱リフォームをやるのも1つのおすすめだと、それをやることで新築よりも金額が抑えられる確か500万円ぐらい安くなるみたいな話をしていたと思います。森下さんもそういうのとは違うけどリノベーションの必要性みたいな動画を上げていたと思います。いずれにしても、中古住宅を買ってリノベーションして本当に新築よりも500万円安くなるかはちょっと私はうーん?と思うことも正直あります。なぜかと言うと、購入する中古住宅によってはとんでもないものもあるし、目利きというかちゃんとしたものを選ばないと返ってお金がかかるんじゃないかというところもあるので、気をつけた方がよろしいんじゃないかなと感じます。

では最初の質問です。

「いつも動画ありがとうございます。構造用面材がノボバンSTP2というものでした。高性能住宅を取り扱っている建築系YouTuberの方々は、構造用面材は透湿抵抗の低いものを使った方が良いというコトをよく言われておりましたので、当該品ですとかなり透湿抵抗の高いものになるのですが大丈夫なのかなと思いました。」

恐らくこれは外張り断熱系ですよね。通気をさせない工法ですよね。外張りと内張りでダブル断熱なんて言ったりしますけど、通気させない工法です。この場合だとノボバンを使っても通気をさせない形なので、特に問題はないという考え方です。

ただ通気をしないような壁構成でも、正直、何があるかわからないのと、計算がありますよね。あれも難しいのが、本当にケースバイケースだし、あの計算通りにいかないパターンもあるのと、逆に、この前、西の巨匠が言ってましたけど、セルロースファイバーの屋根断熱をしてその内側には気密シートなどを貼らないと、ソフト上ではエラー、内部結露を起こす、と結果が出るんだけど、実際はそんなこともない、ということがある。ただそこは屋根の構成とか厚みなどの条件があるんでしょうけど、この辺りはソフトで全てがわかるわけじゃない側面もあると思う。

もっと言うと、空調計画でエアコンの冷気が、よくあるのが屋根裏エアコンで、計算上はOKでも、屋根裏エアコンの冷気の当たり方によって一部が冷やされてそこで内部結露してしまうケースもあるので、そういうのも含めて保険というのかな、何重にも保険をかけるとどんどんお金も掛かって複雑になるので、出ないよりも出るようにしておいた方がいいんじゃないかってくらいの保険。そのくらいの保険はやっておいた方がいいんじゃないかなと個人的には思います。

では次です。

「小暮さん、いつも動画ありがとうございます! 今日のお題にぴったりの訪問のお兄さんが来ました。 親方が奥さんの家の屋根が壊れてるから知らせてこいと言われて来たんですが、近くで工事してるついでに、安く直しますよと言われて、そんなに近くに工事してる家が見当たらないので、詐欺かな?とピンと来ました。」

おかしいですよね。本当にこんな感じなんですよ、不安商法は。世の中、そんないい人はいませんよ。ちょっと話がずれるけど、新築住宅でも同じだと思います。「無料で間取りを描きますよ」と言っても、そんなに真剣に描かないですよ。契約してくれるかも、わからない人のために、無料で図面なんて、目を血まなこにして、「これで日射取得・日射遮蔽が」とか、こういう間取りの方が、奥さんが助かるかなとか、あの家はお子さんが小さいから、こうかなと。なんて、そこまで考えて、間取りを作るのは当然私も作りますけど、意外に大変なんです。

まず現地に行って、太陽の方向とか周りの環境を見るとかして、お客さんの要望もしっかり聞かなくちゃいけないです。それも1回じゃなくて、私がいつも打ち合わせが長いんだけど、お客さんに、「本当にじっくり聞きますね」と言われるけど、そうしないと、できないんです。聞いたお客さんの要望と、現地を見た状況、日射取得・日射遮蔽じゃないけど、前の風景だとか、隣に家があれば、窓・玄関の位置とか、外構計画も含めて考えながらやっていくと、間取りって、だんだんできていく。それを何回か繰り返して、ようやく間取りができるんです。そんな簡単に、初めて会った方に、「無料で間取りを作ります」と言われても、そんなにいい間取りはできないんじゃないかと、私は思いますけど、

先日。当社の下田島モデルハウスの近くに建った、某大手ハウスメーカーさんの建売住宅の間取りを解説しましたよね。

▼4,200万円の建売住宅を解説してみた
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/4200_tateuri_kaisetsu/

何も間取りがどうとかがわからない方、そういうのを勉強したこともない方が、仮に建売住宅展示会の営業マンに連れられて、営業マンにまくし立てるようにセールスされて、太陽光発電も蓄熱電池もついて、この金額なんですけど、もしお決めいただけるんだったら、ここから200万円引きます、と言われたら、ポッとなっちゃうパターンなのかなと。でも住んだ後に、あれ?って思うようなことがたくさん起こってしまうのが、普通に大手ハウスメーカーさんが設計した家なんです。

建売住宅の間取りって、すごくいいと思うんです。いいというのは、自分でいろんなことを考えて、これがベストと思うことを提案できるんです。私もお客さんと打ち合わせする時に、ちょっと変わったことを言われる場合もあるんです。できなくはないけど、返って使いづらいんじゃないかと思う時もあるんです。そういう時は素直に、「できるんだけど、使いづらいと私は思うけど、いいですか?」と話します。なんでも、「はい、いいですね」というのは、プロの仕事じゃないので、それは現実的には使いにくいと思いますし、なんでそれをそこに置かなきゃいけないんですか?とか、外の物置じゃダメなの?とか、外の物置の坪単価なら安いよ?って、家の坪単価は物置に比べて高いので、なんでわざわざ坪単価の高い家の中にそれを入れなきゃいけないんですか?って、入れちゃ悪いって意味じゃなく、もったいなくないの?って。

こういうのを考える、建売住宅は、自分でそこに住まわれるご家族の生活動線はこんなのがいいだろうなとか、年を取った時はこうなった方がいいんじゃないかって、想像しながら自分が提案できるんだから、すごく描きやすいと思うし、自分勝手にできるじゃないですか。それなのに、なんであの間取りになっちゃったの?というのが、私的には、はてなマークというか、プロとしては、ちょっと失礼な言い方をしますけど、レベルが低い設計だと感じました。間取りだけで家を買うわけではなくて、そのメーカーのデザインが好きだとか、場所がよかったという人もいるわけだけど、間取りだけに関して言うと、そういう感じでしたよというのが、あくまでも私の意見です。そういう風に捉えていただければと思います。

あともう1つ、

この動画とあるもう1つの動画については、昔の動画なんですが、コメントというか批判が多いです。地熱の動画と、建物は南に向けない方がいいみたいな動画。南に向けない方の動画は最近は全くコメントないですけど、地熱系は「地熱で冷暖房することはオススメしません」という動画。

この方はちゃんと客観的に見てますよね。「皆さんこの動画を観て、地熱と地中熱を混同してしまうのだと思います。」

私が言っているのは、基礎断熱の建物を泥の中にちょっと埋めると床下が暖かくなるから、地熱になる、みたいなことを言うけど、それは地熱の問題じゃなくて、基礎断熱のおかげじゃないかって話。地中熱っていうのはもっと深いところから熱を引っ張り出してきて、地面の中の熱って、冬でも夏でも一定なので、それをうまく引っ張り出してきて、それだけだと熱として足りないから、ヒートポンプの式の機械を使ってうまく活用するという技術なので、あれはあれで、ものすごくいいことだと思う。ただ問題なのが、それをやるためのコストがなかなか掛かるので、住宅でそれをやる場合は、割に合わないんじゃないかなと思います。それだったら、家の性能を上げて、空調機を使ってやった方が確実だし、その方がトータルコストは安いんじゃないかなという意見です。

この方が言っているように、混同してしまうのだと思います、と言うけど、混同することがまず問題だと思います。そこを客観的に物事を見る目がないと、情報の取捨選択はできないと思うんです。今はこれだけ情報がいっぱいあるじゃないですか。その中で一番大切なのは、情報を得ることよりも、今は取捨選択で、「取」もいいんだけど、それよりも「捨」。捨てる、切っていく、さらにその中から選択をしていく、「捨選択」って感じ。

これができないと「取」ばっかりになって、頭の中のハードディスクがいっぱいになって、プロセッサーが回らなくなって、何が何だかよくわからなくて、最終的にはやっぱり、大手ハウスメーカーかなって、なる人もいる、頭の中がおかしくなっていっちゃう人もいる。「取」をしてるけど、間違った「取」をしちゃう。間違った「取」とは何かと言うと、人間は基本的に、自分の好きなもの、理解しやすいものを「取」るんですって。ただ自分が理解しやすいものとか、好きなものばっかり「取」っていると、場合によっては、間違ったものを、正しいものを「捨」してしまって、間違ったものを選択してしまう結果も起こるかもしれないから、この辺りは気をつけた方がいいんじゃないかなと。個人的には思います。