https://youtu.be/LQ4pCUfDH78
今回は、私が配信させていただいたメルマガに対するコメントをご紹介します。
以前YouTubeで「選んでいるのか、選ばされているのか。」という話をしました。私はキャンプが好きなので、キャンプ場の動画を見るんですが、動画はすごいのに、実際に行ってみたら全く違ってガッカリしたという経験があります。なので、必ずGoogleマップに載っている写真や、実際にそこに行って撮影してくれた人の写真を見て、精査をしています。せっかくなら私が思う気持ちのいいキャンプ場に行きたいので、そのような素晴らしい動画は、見るだけで当てにはしません。
住宅業界でも、今はそういうことが本当に多くなっています。特にインスタグラムには、見た瞬間に「この家は危ないな。」と思うような家や、外構を全くやっていない家の動画が載っています。
その中で、以下のコメントをいただきました。
「いつもYouTube見ています。ためになる情報発信ありがとうございます。これから新築を計画しているものです。YouTubeで情報収集していると有名YouTuber化している○○建築さんの動画で散々◯◯工法を推されていて良いなと思い通気断熱工法で建築を進めていました。
が、これから進めていくにつれ、松尾さん、小暮さん、など知識がとても豊富な方達がこぞって高気密高断熱を推しているので◯◯工法に疑問に感じていました。WBの体験カーと構造見学に行ってみましたが体験はあまりに不利すぎる環境と比較されていたり、構造見学は断熱施工済で二階建て30坪程の家に16人で2時間以上いましたがずっと寒かったり不安を覚えるようになりました。
また、完成見学では午後から参加して、午前からファンヒーター1台フル回転のはずなのに風が当たらない部屋は寒かったし、匂いは天井やアクセントで使われていたビニールクロスの匂いで充満していたのでちょっとYouTubeでは過大評価されてるんじゃないかと思うようになりました。他の工務店で施工されたセルロース断熱+外張りEPSで内装はほぼ漆喰のお宅は築7年での見学させて頂いた時はとても暖かく匂いも木の香りが心地良く、人が住んでて嫌な感じは全くしてませんでした。
話が長くなってすみません、本題です。◯◯工法に関してメルマガで書いたとの動画を見つけたのですが、メルマガを最近登録したので見れていません。小暮さんのご意見をお聞きしたいです。メルマガでもYouTubeでも構いません。もし、YouTube等で言及していればその動画を教えて欲しいです。すみませんが、よろしくお願いします。」
メルマガでも言いましたが、「そんないい話はないだろう。」「何か違うな。」という違和感を、素直に違うと思える人もいれば、そうでない人もいるわけです。もっと簡単に言うと、「大手ハウスメーカーさんだからいい家なんだ。」とか「聞いたことのある会社だから、いい家を作っているんだろう。」という感覚は、年配の方に多くあると思います。若い方でも、勉強をあまりされない方にはこの感覚があるはずです。
過去に相談いただいたお客さんで、ご主人さんは当社がいいと思ってくれたけど、奥さんは大手ハウスメーカーさんがいいとのことで、結局大手ハウスメーカーさんで建てたという方がいらっしゃいました。それは別に悪いわけではありません。大手ハウスメーカーさんというブランドがよくて建てたなら、それは正解だと思います。でも、住み心地がよくて、ランニングコストやメンテナンスコストが安い家がよくて建てたというのであれば、それは違うんじゃないかと思います。
大手ハウスメーカーさんの家はランニングコストもメンテナンスコストも確実にかかっていますが、ブランドがあるのも事実だし、人に言った時に「あの会社ね。」と言われるのも事実なので、どっちがいいかはわかりません。事実を知るというところよりも、その人の主観的な考え方で引っ張られた感じがします。
ホームページにいいことを書くのは、誰にでもできます。わざわざホームページに「夏暑くて冬寒い家」とか「ランニングコストのかかる家」と書く人はいません。UA値やC値がどうだとか、構造計算や許容応力度計算がどうだというのは、どこからでも拾ってこられます。本当にやっている会社のホームページを探して、その通りに書けばいいわけです。また、それを書くことによってSEO対策にもなり、YouTubeのアクセス数も増えるという方式もあります。
だからといって、そこに書いてあることを実際の家づくりでやっているかどうかというのは、全く別の話です。消費者の方は「書いてあるのに何で?」と思うかもしれませんが、ビジネスというのはそういうものです。なので、書いてあることとやっていることが本当かどうかを、ちゃんと確認することが大切です。それは以前YouTubeで「旅に出る」という話の中でも言いました。
昔はSEOがどうだということはなかったし、ホームページというものもなかったので、そんなテクニックを使うビジネススタイルはありませんでした。また、自分で言ったことに責任を持ってやるのが職人のプライドだと思いますが、残念ながら今は「そういうものじゃない。」と言う人も多いです。
商売のために売上を伸ばして、利益を稼ぐためにおかしな施工をする職人を使ってしまう会社もあります。青空の中グラスウールがそのままになっていても、会社は大きくなるわけです。昔だったら「そんなことまでして売りたくない!」という感じだったと思いますが、今はそんなことを言っている人はいません。
昭和のオッサン臭いことを言っていますが、いくらホームページにいいことが書いてあっても、本当にその通りになっているかどうかを確かめるために、実際の家を見学するとか、話をちゃんと聞くということはするべきだと思います。
私自身、YouTubeやメルマガでもっともらしいことを言っていますが、それを確かめるためにモデルハウスやオープンハウスに来てもらうのは、お客さんのためにも私のためにもなります。それを端折って、メールだけで「大体の金額はいくらですか?」と問い合わせをされる人も多いですが、その方が何を望んでいるのかも、どこに建てるのかもわからないので、なるべく会わずに簡単に済ませようとすると、ババを引く可能性が高いんじゃないかなと思います。
いずれにしても、こういう質問をいただいて「まさにこのことだろうな。」と思ったので、取り上げてみました。別に変な意味はないので、「そうだな!」と思う方は参考にしていただければ幸いです。