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 | 2023.05.19

①地域別G1・G2・G3の断熱仕様②窓によって断熱方法が変わる③基礎下の防湿シートは絶対に必要か?

今回は質問コーナーです。
まずは1つ目のご質問です。

「四国で新築計画中です。いつも参考にさせていただいてます。床断熱にネオマフォームを使用予定です。高断熱住宅を目指しておりますが、床断熱の理想的な断熱材の厚さは何ミリ程度なのでしょうか?」

ここでまず私が気になるのが、高断熱住宅にもさまざまな種類があるということです。たとえば、いわゆるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)も高断熱住宅の1つですし、断熱等級4の家も昔の家に比べて高断熱です。また、パッシブハウスという家もあります。ですので、どれを高断熱住宅と呼んでいるのかがわからないと、なかなか答えられません。

ただ、一般的に高断熱住宅と言うと、G1以上の性能を指すことが多いです。HEAT20のG1やG2を作る際、天井や壁、床や基礎の断熱材の種類によっても異なります。地域によっても違いがあります。窓の強化による高性能住宅を作る場合もありますし、窓や断熱材の両方を強化しながら行う方法もあります。

たとえば、北海道の1・2地域でG1の性能を持つ天井断熱をする場合、グラスウールの厚さは400mmも必要になるのです。ちなみに、うちの会社ではセルロースファイバーを使用して、300mmの厚さでG2の性能になります。6地域では200mmでも十分です。壁について言えば、北海道では付加断熱しないと厳しいです。

窓の取り扱いも重要です。個人的には日射取得型の方が暖かく感じます。例えば、寒い地域では窓は強化しますが、どこを強化するかは場所によって異なります。強化しない部分があると性能が低下するため、断熱の面でその差を補うことで、相対的に暖かくなるのではないかと考えています。こうした要素によっても断熱の構成が変わってきます。

質問者さんは四国にお住まいとのことなので、仮に6・7地域でG1の家を作るとします。天井断熱の場合は、天井はグラスウールの16Kを使用します。もし開口部に樹脂窓を使う場合は、天井の断熱材はグラスウールの厚さを150mmぐらいにすると良いです。

壁に関しては、普通のグラスウールで16Kの105mmで大丈夫です。床断熱の場合、ネオマフォームを使用すると、厚さ45mmぐらいでも十分ですが、根太床の場合は剛床などの場合は逆に厚さを95mmぐらいにする必要があります。

ただ、これらの数値目安はあくまでも参考ですし、絶対にこれを守れば良いというものではありません。なぜなら、あくまで1つのモデルケースであり、モデル的な間取りを元にした数値データだからです。

話がこんがらがってしまうかもしれませんが、最終的に住み心地が良いかどうかは、こうした断熱材の厚さだけで決まるものではありません。基礎的な部分をしっかりと設計することも大切ですし、窓の付け方なども重要です。パッシブ設計の基本である窓の付け方や、日射取得・日射遮蔽も当然考慮する必要があります。また、最後には空調計画も欠かせません。

当社も約7年から8年前に高性能住宅を作り始めた時、勉強はしていましたが、手探りの状態でした。いろんなことを考えながら進めていた時に、部位別の情報を参考にし、ソフトウェアを使って間取りを作成し、天井や壁、窓の厚さなどを調整し、UA値やQ値といった数値を確認していました。

消費者の方は、もちろんソフトウェアで毎回間取りを作成するわけにはいかないでしょうから、やはりこうした情報を参考にするのも良いと思います。この情報は、インターネットで「HEAT20 G1・G2 断熱仕様」と検索すれば、簡単にダウンロードできるものです。これを持っておくと、参考になるかもしれません。

ちなみに、ここで規定されている断熱材に関して言えば、先ほど言った床断熱の場合、6・7地域では躯体強化型を使用し、開口部強化型を使用することが推奨されています。

開口部とは窓のことです。窓をLow-Eの複層樹脂タイプにした場合は、床断熱にはXPS3種の厚さ45mm+XPS3種の厚さ45mmを使用します。XPS3種とは、熱伝導率で言えば0.028という値で、押出法ポリスチレンフォームのことです。一方、ネオマフォームなどの場合は、0.02のフェノールフォーム系になりますので、より薄くなります。

私に質問していただいても結構ですが、こちらの情報を見ればなんとなく理解できるかと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

次の質問です。

「ベタ基礎の防湿シートは150mm被せるのですが、その被せは特に気密テープなどで止めずガムテープで転々と貼ってあるだけなのですが、気密テープは不要なのでしょうか?また基礎断熱で基礎が高低差で地中に掛かる(半地下状)のですが、側面の防湿シートは不要ですか?」

ベタ基礎の中には、鉄筋が入っています。さらに、必ずこの下に砕石という石が入っています。沈まないようにするために、土の高さで埋まってる感じです。地中からの湿気を室内に入れないように、そこに防湿シートを敷きます。

単純に言うと厚みのあるビニールシートですね。当然、基礎の大きさを1枚で全体には張れないから、幅1mのロール状のシートになっています。それを重ねながら張ります。この時に重なった部分を15cmぐらいにします。ご質問者さんは、重ねただけで気密テープを貼らなくていいんですか?とおっしゃっています。

正直に言うと、ここで気密を取っても仕方がないと思います。別に気密層じゃないので、このシートは単純に湿気を防湿するためだけのものです。上からコンクリートが乗っかって、シートが最終的にペタッと潰されれば、湿気が家の中に入っていくことは考えづらいし、気密テープってあくまでも気密を取れる所でやるものなので、外でこうやっても気密テープの意味がないんです。でも消費者の方って、こういう風に感じるところがあるんでしょうね。気密を取らなくちゃいけないみたいな。

もっと言うと、コンクリートってある程度防湿効果があります。それほど湿気が高くないような所、例えば高台とか水がないような場所だったら、別に敷かなくてもいいんじゃないかと思います。ケースバイケースで、今回は敷かなくてもいい、今回は敷いた方がいいと判断するのは難しいじゃないですか。なので一律で、うちは全部敷いています。

こういうところは、素人だからこそ気になるのかなと。プロ側の目線だとなかなかわからなかったというか、気にしたことがなかったです。

あともう1つが、高低差がある基礎の側面のシートは不要か?についてです。これはうちは張ったことがありません。なぜかと言うと、さっき言った通りに、コンクリート自体である程度防湿できちゃうから、下に接してる部分からの湿気はガードできます。

でも横からの湿気って、横向きに入る前に上に上がるでしょう。方向としては上に行った方が早いので、横から湿気が室内に入るというのはちょっと考えづらいです。

ただ、下からの湿気はどうしても、うまく逃げていくことはありません。なのでシートを敷いて、少しずつ逃がすのか下に戻すのかという考え方です。

極端なことを言っちゃうと、よっぽど水位が高い所というかずっとジメジメしてる場所じゃない限りは、コンクリート自体の厚さがある程度あれば、中がそんなに湿気るということはありません。私の経験的にはそう思います。

このご質問者さんは、いろんな所をよく見ていらっしゃる方だなと感じました。こういうのも確かに重要ですよね。基礎の下のシートを後で変えるなんてことはできるわけじゃないから。

ちなみにこのシートも厚い物と薄い物があります。薄い物って破れやすいので、施工に注意が必要です。できればシートは厚めの物を使った方がいいかなと思います。張らなくても、場所によってはそんなに悪いことでもありません。ただ、私が他社さんを見ていると、防湿シートを張ってる会社の方が多いと思います。

ぜひ参考にしてみてください。