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ホーム > ブログ > YouTube > ①ペロブスカイト電池はどうか?②断熱材は熱抵抗値で考える③通気層があっても通気しない家がある④小屋裏エアコンのフィルタは汚れる⑤付加断熱を行えば一年中快適になるのか?
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 | 2022.12.15

①ペロブスカイト電池はどうか?②断熱材は熱抵抗値で考える③通気層があっても通気しない家がある④小屋裏エアコンのフィルタは汚れる⑤付加断熱を行えば一年中快適になるのか?

今回は質問コーナーです。
まずは最初の動画です。

太陽光の動画について
ご質問をいただきました。

太陽光に関しては
松尾先生もおっしゃっていますが、
間違った情報を発信する方が
いらっしゃるみたいですね。

太陽光を付けると
こんな問題が起こるとか、
逆に損するという動画を
発信されているようです。

太陽光を付けると最初はいいけど、
撤去する時にすごくお金が掛かるなど
色んな議論がありますが、その辺りも
理論的に解決されています。

松尾先生だけではなく、
東京大学の前先生や
エコワークスの小山さんなど
識者の方々がそう言われています。

専門の方々が
ハッキリとおっしゃっていますので、
そちらの情報を信用された方が
良いと思います。

さてご質問ですが、
ペロブスカイト太陽電池は
どうでしょうか?という
コメントをいただきました。

ペロブスカイト太陽電池は
革新的なものみたいですね。
私も聞いたことがあるぐらいですが。

ただそんなにすぐ
普及するものではないと思うし、
まだいろんな問題もあるので
実際はどうなのかと思います。

もしかしたら5年後ぐらいに
出るかもしれませんが、
太陽光の積載KWを決めないと
いけない状態で決めるのは
難しいでしょう。

YouTubeにも返信しましたが、
100%を狙うはなかなか難しいです。

その時、その時に
最適な物を選ぶのが最善であって、
100%を狙っていくと
とんでもないことが起こることがあります。

基本としては、
断熱や気密、窓の選定や窓の配置、
日射取得・日射遮蔽をきちんとして、
建物の向きなども考えた上で
家を作るのが絶対的な基本です。

その上で今だったら
太陽光はこれがいいんじゃないかとか
器具を選定していくという流れであって、
器具の方が先になると全然違う方向に
なってしまいます。

UA値を気にするのもいいけど、
UA値が低いだけでは家は暖まりません。

逆にUA値が多少高くても、
日射取得を入れる方が最終的には
トータルで住み心地が良くて、
ランニングコストが下がる
というのもあります。

この辺りはなんでもかんでも
数値や器具などを目指すものでは
ないというのが私の経験上の
言えることです。

では次の質問です。

屋根断熱に吹き付けで
240mmはオーバースペック
でしょうか?というコメントです。

まず240mmがオーバースペックか
どうかというのは、熱抵抗値で計算します。

厚さも重要ですが、
そもそもその断熱材が持っている
熱伝導率というものがあって、
熱伝導率と厚さで熱抵抗値を計算します。

その熱抵抗値が
最終的な性能になるわけです。

仮に100倍発泡のウレタンが
240mmの場合、熱伝導率が0.04なので
熱抵抗値は6になります。

6というのは低くはないですが、
6地域辺りでHEAT20のG2ぐらいを
狙うのであれば、6というのは
低いかなという感じがします。

例えば当社だと、
セルロースファイバーを300mmで吹けば、
熱伝導率は0.04ぐらいなので、
熱抵抗値は7.5になります。

そのくらいやって、
HEAT20のG2にようやくなるぐらい。

240mmを100倍で吹いたからと言って、
性能が高いというわけではないです。

あとは100倍発泡のウレタンを
使うのであれば、スキンカットを
しなかったとしても基本的には
防湿気密シートは貼った方がいいし、
仮に貼らないようであれば
通気するようにしていかないと
場合によっては問題が起こる可能性があります。

30倍の場合は吹きっぱなしでも
屋根断熱ではスキンカットはしませんが、
最悪のことを考えて防湿気密シートは
貼った方がいいし、30倍でも絶対に湿気を
通さないわけではないので、湿気が
抜けるようにしておいた方がいいです。

ただ抜けるというのは、
断熱材の湿気を抜くだけではなく
屋根断熱の上に通気層を取るということは
夏の暑さ対策にも繋がります。

通気層というのは壁もそうですが、
壁と屋根に通気層を取るということは
暑さ対策にもなります。

ご存知でない方も多いと思いますが、
夏型結露対策にもなります。

夏型結露対策というと
可変気密シートを室内側に貼るのが
1つの方法ではありますが、
それよりも通気層をちゃんと取った方が
夏型結露対策にもなります。

室内の湿気を逃がすこともできるし、
夏も涼しくなってすごくいい。

もっと言えば構造体を乾燥できるので、
通気層というのはものすごく重要です。

ただ通気層を取ればいいという
問題ではありません。

通気層がちゃんと機能するように、
空気がちゃんと抜けるように
家の施工をすることはものすごく重要です。

通気層はあるけど
通気しない家は本当にありますからね。

通気層はあるけど、
空気がどん詰まりになっていて
抜けていないという家もあります。

あとは棟換気が付いていても、
そもそも棟換気が屋根に1個付いるだけでは
全く抜けません。

大きい屋根に1個だけあっても、
どうやってここから抜くの?
というのは本当にあります。

町中の家を見ていても、
あれだけしか付いていない
棟換気でどうやって抜くの?
と疑問に思う屋根はあります。

棟換気は屋根を一周して
入口も出口もなければ
空気は抜けません。

少ない換気口だけで
空気はうまく抜けませんからね。

屋根先をフーフー吹くとか、
モーターが付いていたら
吸ってくれますが、
屋根にはそんなものはありません。

あくまでも自然に風が吹いて、
温度差で空気が抜けるかという
ぐらいのレベルです。

別に強制的に換気扇で
回しているものではありません。

なのでたまたま吹いた風が
抜けるように考えて、
どこからでも入れるようにして
どこからでも出るように
しておかなければいけません。

換気計算上は大丈夫だという
話になるのであれば、
実験を見ると本当にわかります。

こういうところは
国もアップデートしてもらった方が
良いという気がします。

アップデートしていない
わけではありませんが、
国が実験している家と
実際に作られている家では
乖離していたりします。

実験では総2階建ての
20〜30坪の家を作っているのに
実際はものすごく大きい家で
ほぼ平屋みたいな家だったら
全く条件が違いますからね。

実験はなかなか難しいです。

そう考えると、どんな家でも
当てはまるような方法を
やっておいた方が
間違いはないと思います。

換気や通気は
後でできるものではないので、
最初にちゃんとやっておく方が
いいと思いますし、
やっておかないと怖いです。

その辺りは消費者の方も
気にされた方が良いですね。

では次です。

屋根裏エアコンのフィルタは
埃などがそれほど寄ってこずに
汚れにくいですか?という
ご質問です。

実は屋根裏エアコンは
意外に汚れます。

床下エアコンは
床下の近くにあって
埃も下に落ちていくので、
床下エアコンのフィルターも
汚れやすい気がしますよね。

屋根裏エアコンは
天井裏にありますし、
人間が住む場所でもありません。

埃も落ちないので
汚れない気はしますよね。

ただ屋根裏エアコンは
室内の空気をすごい勢いで
吸っています。

玄関ドアまで
引っ張るぐらいの勢いで
吸っていて、風速計を置いて
測ってみるとガンガンに
吸っているのがわかります。

例えば夏でも
2階で洗濯物を干したい人はいます。

そうすると洗濯物の塵を
吸うので意外に小屋裏エアコンは
汚れているケースがあります。

逆に言うとフィルターが
汚れているということは
それだけ吸ってくれているという
ことなので、エアコンにとっては
悪いことだけど、機能としては
いいことだという微妙な感じです。

では次です。

温暖地域で付加断熱をすると、
中間期では快適ではない、
ということは起こり得るか?
というご質問です。

これは起こり得ます。

中間期は気温のバラつきが
あるので、なかなか難しいですね。

エアコンを掛けるまでもないけど、
日射遮蔽ができなかったりすると
家の中がすごく暑くなります。

付加断熱をすれば快適だというのは
一方で言うと正しいかもしれないけど
一方で言うと正しくもない。

もし付加断熱をすれば
一年中快適なんですよと言われたら、
それは疑ったほうが良いでしょう。

参考になれば幸いです。