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 | 2025.10.05

①付加断熱をしても室温35℃②【断熱=熱を断つ】は正しいのか?③勝手に無料見積サイトに載せられている④おひさまエコキュートは割りに合うのか?⑤知識よりも大事な能力

今回は、私の配信させていただいたメルマガに対するコメントをご紹介します。

1つ目のコメントです。nobandさんからいただきました。

「お世話になります。ノボパンも付加断熱有りで内外硬質ウレタンみたいな家が増えてくるなら良いのかもしれませんね。でも自分も色々考えましたが付加断熱はネオマ一択だなと。付加断熱はEPSにしちゃいましたが。お世話になった工務店さんも新住協に入って、ネオマに切り替えました。ただ、建築価格高騰で、建築資材の選択も難しくなってしまいましたね。30坪4000万円時代。こういう時代だとある程度、内製できる工務店は幾分強みになるのでしょうね。」

ノボパンで内側に100倍、120倍発泡ウレタンを吹いた某住宅会社の家が、ずぶ濡れになった状態のまま放っておかれて、家の中がカビだらけになったケースがありました。ノボパンを使う場合、透湿抵抗が高くて湿気が出ないので、外側で付加断熱をしてバリアする必要があります。あとは、内側も軟質じゃなくて硬質ウレタンでやった方が安全率は高いです。

nobandさんのお家も、たしか付加断熱をやっていたはずです。あまり日射取得ができないような条件が悪いところだったんじゃないかと思いますが、付加断熱でUA値を下げて、エアコン1台で何とかしたと言っていました。付加断熱を否定するわけではありませんが、日射取得ができる場所であれば、無理して付加断熱をしなくてもいいと思います。

何度も言っていることですが、付加断熱をしたからといって家の中が涼しくなるということは、夏に関してはありません。このモデルハウスも、去年の6月に改修工事をしましたが、エアコンをかけなければ夏の室内は35℃になります。冬も同じで、日射も入れず床暖房もかけなければ、12〜13℃くらいになってしまいます。誰も住んでいないというのもありますが、「断熱とは何なの?」と思いますよね。

たしかに断熱性能を上げることによって、夏は熱を断つことができます。ただ、これが有効なのは、あくまでも頭です。屋根の断熱をよくすれば、夏の暑さを断つことができるのは事実です。屋根をやらずに壁だけやっても、熱は断てません。さらに、何もしなければ当然暑いです。断熱というのはこういう風に言えますが、私はそれよりも保冷、保温という意味合いの方が大きいと感じます。

キャンプ好きな方だったら、高性能なクーラーボックスと低性能なクーラーボックスを比べると面白いと思います。高性能なクーラーボックスだからといって中に物を入れておいても、冷えませんよね。要は、同じ氷を入れたらどっちの方が持つのかという話です。断熱というのはこれと同じと考えた方がいいんじゃないかなという気がします。

断熱も大事ですが、冷たい熱も暖かい熱もあるので、これをどうするのかというところまで含めてコントロールしていかないといけません。断熱にこだわりすぎる人ほど、意外に空調がいい加減というのは定説です。断熱だけではなかなか難しい感じがします。

話を戻します。別にネオマを使わなければいけないというわけではありません。私は過去にアキレスのキューワンボードも使ったことがありますが、別に悪いわけではありませんでした。そこまで性能を上げなくていいんだったら、EPSでもいいと思います。

また、30坪で4000万円になってしまう地域もあれば、そこまでにはならない地域もあります。これは人件費の問題もあるし、地域性の問題もあります。都心部だと仮設経費がものすごくかかりますが、田舎だと仮設経費はかかりにくいし人件費も安いので、そこまではいかないかなという感じもします。

どこまでを価格に入れるかというのは難しいですよね。当社が言っている価格というのは、そっくりそのまま全てです。地盤調査費や保険代、地盤補強保険代も含めます。当然、ハニカムブラインド、エアコン、照明も含まれています。その土地に作るもの全てという感じです。ただ、銀行に払うお金、司法書士さんに払うお金、家具、電化製品というのはわかりません。どこで借りるのかもわからないし、借りる金額によっても諸費用は変わるからです。

最近は、ダイニングテーブルも造作である程度作ってしまうお客さんが多いです。必要な家具は椅子やベッドくらいになるので、家具代は比較的かかりにくくなっていると思います。いずれにしても、当社が提示する価格は「全部含めていくらかかりますよ!」という感じです。これが正規の価格だと思います。

以前、当社で無料見積もりが取れると勝手に紹介しているサイトがあるという話をしました。当社はそんなことはやっていないし、登録をしたこともありませんでしたが、勘違いされて、メールで「大体の金額を教えてください!」と送ってくる人がいました。勝手に人の情報を餌にして集客しているみたいなものなので、はっきり言ってすごく迷惑でした。さらに、そこに書かれていた内容は間違っていたので、そういうビジネスをする人がいることには本当に腹が立ちます。

2つ目のコメントです。

「エコキュートについてですが、◯条工務店のハ◯ミーで建てた際にオール電化なのでエコキュートを付けました。おひさまエコキュートが選べず(多分自腹にすれば選べました)ノーマルエコキュートでした。営業さんとも話し、エコキュートだと日中沸かせないから電気代の節約にならないじゃないですか、と伝えたところ以下のやり方を教わりました。エコキュートをおひさまエコキュートのように使う術として、エコキュートの設定時刻を12時間ずらす。というものです。夜10時から沸かす設定にしておけば、午前10時から沸かしてくれるようになります。これによりおひさまエコキュートではなくても、日中の太陽光による発電でお湯を沸かすことができるようになりました。入居して2年目になりますが、5月はやっと電気料金0円を達成しました。どう考えても、おひさまエコキュートにした方がお得ですよね。」

おひさまエコキュートのメリットは、太陽光が発電できる時は、それに準じて湯沸かしをしてくれるというところです。つまり、蓄電池と同じ効果があるということです。蓄電池は入れるのにロスして、出すのにもロスするわけなので、むしろ蓄電池よりも効率がいいかもしれません。

ただ、おひさまエコキュートは今年の春にすごく値上がりしました。当社では、以前は差額で9万円ぐらい貰っていましたが、今は14〜15万円は貰っているはずです。そして今のところ、私の家でも当社のOBのお客さんの家でも、大体15年で壊れています。仮に15万円だったら、年間1万円のメリットがあればプラマイゼロだったということになりますし、当然それ以上になれば、得したことになります。ただ、15年持たなければ、逆に損してしまうというわけです。そのお家の使い方にもよるし、地域ごとの発電効率にもよるのでなかなか難しいですが、絶対に正しい計算というのはないので、「こっちが得だ!」と思ったら信じて使うしかないと思います。

3つ目のコメントです。

「5/21のメルマガに取り上げていただきありがとうございます。問い合わせをしたものです。違和感はとてもしっくりきました。表現できてませんでしたが、確実に違和感を感じていました。◯◯工法で概算見積やプランを作成していただきましたが、気密、断熱、日射取得、遮蔽、間取り計画、空調計画には詳しくなさそうでした。

要望でパッシブデザインで庇を大きくして欲しいとか断熱は等級6.5となるようにしたいとお願いしていて、ある程度できると思っていました。が、東西南北どこも同じような大きさの窓で1階の窓に庇はなく、断熱は天井も壁と同じ厚さにしてあったり、気密処理しないと言われたり、空調は全部屋付けることになってたり…◯◯工法を採用している工務店は小暮さんがおっしゃられてた通り詳しくなかったです。気密、断熱、日射取得、遮蔽、間取り計画、空調計画など詳しい工務店さんにお願いして建築するよう進めています。

メルマガで回答頂き、不安がなくなりなにか安心出来ました。ありがとうございます。これからも情報発信頑張って下さい!参考にさせて頂きますし、私のように救われる方がきっと居ると思います!」

違和感はあるけど、情報が邪魔をしちゃっているということは意外にあります。また、勉強すればするほど、違和感を勝手に消しちゃう人もいます。もっと素直に考えたらいいんじゃないかと思いますが、そうはできないわけです。この場合は、その人の優先順位というものがあるわけだし、違和感が正しいわけでもないし、情報が正しいとも限らないので、仕方がありません。その人自身の問題だと思います。

ホームページには詳しく書いてあるし、その会社の方も詳しそうに喋っているのに、実際に頼んだら詳しくなかったということはあると思います。今年の春頃に引き渡しをさせてもらったお客さんは、松尾先生のセミナーを受けていて、パッシブ設計でやられていて、建てる場所からも近い会社に間取りを書いてもらったところ、「付加断熱をする割には日射遮蔽、日射取得をしないな。」とか「家を建てる場所はそんなに寒くないんだよな。」と、違和感を抱いたとのことでした。さらに、松尾先生の名前を出す割には、床下、屋根裏エアコンについて全く詳しくなかったことだそうです。

その後、当社に来られたので、「付加断熱をすることは悪いわけではないけど、日射取得を促進した方が早いと思う。」とか「昔はその辺りは寒くて冬寄りの設計だったけど、今は夏寄りの設計に移ってきているような感じもする。」と、いろいろとお話をさせていただきました。仮に寒くなったとしても、断熱等級6を守ってあげればいいということで納得いただき、作らせていただいて、実際に引き渡しをしたのは今年の冬でした。寒い時期で小雪が降ったこともありましたが、中は暖かかったです。なかなか難しいですが、そういうこともあります。

知識も大事ですが、それと共に、客観的に物を見る目も大事だと思います。いずれにしても、知識だけで物事を考えるのはよろしくないのかなと思います。