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 | 2023.07.30

①家づくりがうまくいかない方の特徴②空調計画を考慮しない工務店や設計事務所は多い③理屈を理解していない施工方法も多い

今日はYouTubeにいただいたコメントをご紹介します。

このコメントをいただいた方は、「こうなっちゃいそうだ」ということをわかってやっています。私のメルマガに対して、よく「いやー失敗しちゃいました!」「そこを勘違いしました」みたいなことを率直に言ってくれる方なので。

かと言って、住宅会社さんに対して「なんなんだよ」という態度は感じません。そこがいいですよね。

あくまでも自己責任として、自分でいいと思ってやったし、それがいいと思って判断した。それに対して後からグチグチ、「そうだとは思わなかった」「やっぱり違いますよね」みたいなことを言うのは楽しくないし、100%のものってまず無理ですよね。

例えば室温1つとってもそうじゃないですか。逃げと捉えられても嫌なんだけど、エアコン1台で床下エアコン・屋根裏エアコンを使って家中すべてのスポットをまんべんなく温度を保つのは難しいです。

窓際で日射が強く入るところであれば、当然温度が上がりますよね。ただそれは、ちょっと内側に入ればいいだけの話だったりするじゃないですか。

窓ガラスにひっついて「温度が違うじゃないか」と言う人はたぶんいないと思うけど、そこまで言われると困るというのがあります。

前にメルマガでもYouTubeでも、人間には不快指数があると言いました。それを基準に、ほとんどの人間が不快と感じないようなところでやるしか、やりようがないのです。

もし仮に「自分は完璧にできる!」という人間がいたら、その方法を教えてもらいたいです。

冬のマイナス何℃の時でも暖かくて、夏の40℃の時でも涼しくやれるんだったらすごいと思うけど、そこまでやったらなかなか家は作れないでしょうね。残念ながら。

勉強しすぎてそこを目指している人もいらっしゃるような感じがします。残念ながら私にはそれをやるのは無理なので、当社ではできませんと言っておきます。ご勘弁ください。

話を元に戻して、コメントを読み上げます。


自宅は、日射があまり取れない&熱損失を減らす目的で、適熱窓が多いです。

この条件でも、エアコンは安いやつで構わないとの話もいただきましたが、工務店さんもエアコンに詳しくなく、嫌な予感がしたため、その話は無視をして再熱除湿タイプを激安なタイミングで購入し設置しました。

結果として正解でした。たまに湿度60%超えることもありますが、普通のエアコンで弱冷房除湿をやろうとしたら、温度が下がりやすい分サーモオフになってジメジメしただろうなと。

電気代を気にしましたが、2台稼働でも日中照明込みで0.5kwくらいで太陽光で電気代は賄えており、とりあえず夏は、、、問題ないな、と。

恐らく冬は色々問題がある気がしています。

勘違いしてる人がまだ多い気がしますが、遮熱窓というのは日射があまり取れない&熱損失を減らす目的であります。夏の暑さを減らすための窓じゃないので、ここは勘違いしないでくださいね。

この方は元々、敷地の関係もあってなかなか敷地の中で日射が取れないから、ほとんど日射取得は期待できないだろうと。夏の暑さを防ぎやすいのは事実だから、そこはいいんだけど。

これも何度も言ってますけど、日射取得は冬も大事だけど夏にも大事なんですよね。それをこの方はわかってます。

日射取得できないと湿度が高まる傾向があるから、再熱除湿を使うことによって温度を下げずに湿気を飛ばすことを機械でやったんですね。

これをやらずに普通のエアコンで冷房したら、温度は下がるけど湿度が下がらないから、寒くてジメジメになるだろうということです。これが一番気持ち悪いやつですね。

ちなみにこれも前のメルマガかYouTubeで言ったけど、実際そういう家ってあるんです。某メーカーさんの全館空調の家です。

アメニティエアコンを1階と2階に付けて冷やしたら冷えるんだけど、日射取得をあまり気にしないで南側に縦すべり出し窓を付けて閉じてしまっても、サーモオフになってしまいます。エアコンがストップしてしまうということです。

エアコンってセンサーが付いていて、設定した温度になると勝手に止まっちゃうんです。そうすると、もっと除湿してもらわないと困るということになります。なかなかそういうところをわかってる方って少ない感じがします。

工務店さんもエアコンにあまり詳しくなくて、嫌な予感がしたためそこは自分で判断したということで、賢い選択ですね。

自慢してるように聞こえたら嫌なんだけど、住宅屋さんっていろんなタイプの方がいて、空調計画に詳しい人って本当に少ないと思いますよ。

最近は高気密・高断熱ブームだから、付加断熱をすればUA値が下がるとか、ホームズ君を使ってこうやるとこうなるとか、ひたすらUA値を下げる方に行く人ってすごく多いです。

気密を上げるために発泡ウレタンをバンバン吹くし、確かに気密性能が上がって理論上はUA値が下がったりするけど、それで本当に快適なのかというと、夏涼しくて冬暖かい家とは全く違う話になるケースもあります。この辺はやっぱり難しいですよね。

冬って意外に簡単と言えば簡単です。日射取得を促進して断熱性能を上げていけば暖かくはなるので。でも夏って一歩間違えると、オーバーヒートを起こして暑くなっていきます。

コメントをいただいた方は、その辺りも含めていろんなことを勉強されています。自分の敷地はこういうものだからこういうマイナス面があるとか、それは仕方ないからこういうところで補うということをわかっているんです。

「恐らく冬はいろいろ問題がある気がする」というのも、冬は日射取得がないから厳しいんだろうなとか、窓を全部遮熱しちゃってるからとか。その辺りは仕方ないから、空調機で補うしかないんだなというのを、今から予想しているということですね。

ぜひまた個別に、私のメールに冬の状況も教えていただけるとありがたいです。お待ちしております。

さらにこの方から、他の動画でもコメントをいただきました。これもありがちなパターンですね。

▼高気密住宅は日本の気候に合わない
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/koukimitsu_nihon_awanai/


出先でこの動画はまだ見れてないですが、防湿と気密をごちゃごちゃに認識してる工務店さんもあるようで、合板で気密はとりつつ、室内側の防湿層はコンセント周り他、カットしたままってケースもありますね。

コンセント周りくらいなら、ビニールクロスでカバーできるでしょうが、防湿層の処理如何で危ういところはあ
るでしょうね。

気密を取るっていろんな方法があるんです。一番簡単なのは発泡ウレタンを吹くことですが、それはそれでまた違う問題があったりします。スキンカットの問題とか。

ここにも書いてあるように、コンセント周りにちゃんとコンセントボックスを付けて発泡ウレタンとコンセントが分けられるようにしておかないと、配線のところで事故が起こる可能性があります。

前にもそういう事件があったと思います。コンセントに発泡ウレタンがかかっちゃって、金属のところで発泡ウレタンの成分が化学反応を起こして、コンセントから青汁が出てきたみたいな事故です。

最終的には、発泡ウレタンを切ってコンセントを替えて、コンセントボックスを付けなおされました。そのために壁を剥がさなくちゃいけないとか、余計なことになっちゃうから、気密だけを取ろうと思ってやっちゃうとマズいんです。

防湿と気密って似てるようだけど違います。室内側に防湿気密シートを貼って外側に透湿防水シートを貼るのは、結露防止も含めて家の中の環境を良くするためにやっていることなので。

防湿気密シートを貼ってしまうと、家の中がカプセルになっちゃうから結露を起こすんじゃないかという意見は、正直何を言ってるのかなと思います。

ただ、自然素材系とか昔ながらの家づくりをされている方とか、全くそういうのがわからない工務店さんとか住宅会社さんは、そういうことを言いがちです。人間がビニールの中に住んでいるのは、健康によくないというイメージがあるみたいです。

ただ、ビニール袋の中にいて人間が「ああ苦しい」とやっているのとはわけが違います。それをやることによってメリットがあるという話なので。

過去の動画で、壁には5つの層があると説明した動画があります。その層がなぜあるかについて、理論的に説明しました。

それをやることによって、結露しにくいとか、快適になるとか、建物の耐久性が高まるとか、夏の暑さを防ぐとか、いろんな機能があるんです。

うちのおじいさんも大工だったけど、そんな理屈なんて持っていません。なんとなく作っているんですよ。親方から言われたことを守って。その結果として、いろんな問題が出てきました。

その1つが北海道のナミダダケ事件ですね。そういうのを踏まえた中でこういうことをやらなきゃダメだとか、体系化されてきた歴史があるはずなので、それを全部すっ飛ばして「昔はこうだった」とか言われても全く意味がわからないと私は思っています。

信じるか・信じないかは自由ですが、そうは言っても俺は嫌なんだという人は別にいいんです。その人の趣味というから好きだから別にいいんですけど、残念ながら昔の家にいろんな問題があったのは事実ですよね。

それも検証した上でやらないと、単純にノスタルジックな考え方だけで昔は良かったとかカラッとしてたとか言うのは、ちょっと違うかもしれないです。

私のYouTubeだけでなく、松尾先生も詳しく言っていたような気もするので、ぜひ参考にしてみてください。