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ホーム > ブログ > YouTube > ①床断熱か?基礎断熱か?②基礎断熱と屋根裏エアコンの相性は良くない③断熱は重視するけど空調はイマイチ
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 | 2024.02.15

①床断熱か?基礎断熱か?②基礎断熱と屋根裏エアコンの相性は良くない③断熱は重視するけど空調はイマイチ

今回は質問コーナーです。

基礎断熱と床断熱とではどちらがいいのかを解説したのですが、私は基本的には基礎断熱しかやっていません。ただ、リフォームの場合はどうしても基礎断熱が難しいケースもあり、そういう場合は床断熱で対応することもあります。しかし新築住宅に限ると、基本的には基礎断熱しかやっていません。その理由は明白で、基礎断熱をきちんとしてあげると、床下の温度は一定とまでは言いませんが、夏はそんなに上がらず、冬でもそんなに下がらないからです。

動画に対しては過去にも「基礎断熱の場合、冬の床下の温度はどのくらいなんですか?」という質問をいただいています。これは当然地域によって違い、寒い地域であれば寒いなりの対応しますから、温度はそんなに変わらないのではないかと思います。

私は北海道に住んだことはないから安直なことは言えませんから、あくまでも当社の施工エリアでのお話しになります。例えば下田島モデルハウスは、性能はG1.5ぐらいで、基礎断熱をおこなっています。前提として、モデルハウスだから誰も住んでいないし、防犯の関係で日中に日射取得をしているわけでもありません。地域は太田市なので、夏は40℃ぐらい、冬は、すごく寒かった昨年で-5℃ぐらいになりました。

昨年は、群馬県沼田市でも施工をしていましたが、-11〜-3℃という感じだったので、太田市と比べても沼田市はすごく寒いと思いました。今年は暖冬ですが、沼田市のお客さんに聞いたら「そんなに寒くない」と言っていました。床下エアコンを多少は使うけど、昨年の-11℃の時にしていたように、日中につけたりはしていないそうです。本当に如実に表れていますよね。

そういう条件の下田島モデルで測ると、床下の温度は15℃ぐらいはあります。15°Cもあったら暖かいですよね。夏で外気温が40℃ぐらいの時でも、さすがに家の中は40℃にはなりません。断熱材や、軒が出ていて日射遮蔽をするからです。

空調をしない状態で外が41℃ぐらいになると、さすがに室温も35℃ぐらいにはなります。しかし、床下は22°Cぐらいです。

図で描くとこんな感じです。15cmぐらい基礎が埋まっていて、間取りによっては下に地中梁があります。この下に砕石があって、土台・床・壁・屋根があるとします。

基礎断熱の中でも、当社がやっているのは内基礎断熱です。折り返しは、一般的には60cmぐらいですが、当社はもう少し伸ばしているはずです。断熱材の厚さも、寒いところと暑いところとでは違います。寒いところだと10cm、少し寒いところだと7.5cm、逆に埼玉などの暖かいところだと6cmぐらいなど、使い分けることが多いです。

この状態で、例えば冬場、外気温が-3℃、室温が無暖房で14℃ぐらいだとします。この時でも、床下は15℃ぐらいであまり変わらないんです。逆に、夏に外気温が41℃の時には、何もしないと家の中は35℃ぐらいになりますが、それでも床下は22℃ぐらいです。その理由は、さっき言いましたが窓がなくて光が入らないからです。

ちなみに、地熱の効果ではないと思います。基礎断熱をやって外部からの熱の伝わりを少なくして、なおかつ基礎の下に砕石が敷いてあるからです。これも案外断熱になるんです。

断熱材は、空気を静止させて閉じ込めて、熱伝導率を抑えてくれるものです。その空気を閉じ込める手段が発泡ウレタンというプラスチックもあれば、セルロースファイバーという新聞紙もあれば、グラスウールというガラス繊維もあれば、ロックウールという石もあれば、ウッドファイバーという木の繊維もあります。あくまでもそれは手段であり、いかに中に静止空気を入れられるかが、断熱材の勝負どころです。

砕石の場合も、石と石の間の隙間に空気が入ります。なおかつ、その中の空気は風が吹くわけではないから担保されます。静止空気層と言うのですが、それが断熱材の代わりになっている感じです。

基礎断熱だと温度が冬でも夏でもいい状態なのは、断熱材の効果もあれば、静止空気層の効果もあるのではないかと思います。

当社は基礎断熱にして床下エアコンをつけていますが、以前これに対しても質問がありました。床下エアコンを使い続けていると、床下エアコンの熱が基礎に蓄熱をされると理解している方もいるのですが、私の考えとしては、床下に温風を吹いてもそれが室内に上がるように使っていますし、床下エアコンの温風ぐらいで蓄熱はしないと思います。

それよりも、基礎断熱が元々持っている性能と、その下の静止空気層の断熱によって熱が保存されるという方が正しいと思います。それが蓄熱かどうかと言われると厳密なことはわかりませんが、あの温風で蓄熱するのはなかなか難しいと思います。

ただ、屋根裏エアコンに関して言うと、基礎断熱は実はあまりよくないんです。屋根裏エアコンから冷気が出て下がった時に、床面で止めた方が、床下まで冷気が落ちるよりいいですよね。床下の広大な面積まで冷やす必要はないじゃないですか。だから屋根裏エアコンの場合は、床で断熱・気密を取って、室内だけを冷やす方が効率的だし、家の中が涼しくなるんじゃないかと思います。

西の巨匠にも聞いたら、エアコンの冷房に関しては床断熱をした方が、体感的にもよくなると言っていました。ただ一方で、床下エアコンの暖かさも捨てがたいので、どっちを取るかという話になります。

今のところは基礎断熱で屋根裏エアコンでも涼しくなってくれるからいいですが、もしこれからもっと暑くなって、冬の最低気温が8℃とかになるようであれば、わざわざ基礎断熱をしなくても、床断熱で冷房を効かせるのでもいいかもしれません。

ただ、冬の最低気温が8°Cの地域だからといって最高気温もすごく高くなるというわけではないから難しいです。この辺は、家を建てる場所に応じて断熱方法も空調方法も変わると思います。世の中の流れ、気候なども含めて検討してもらうことで、これがOKだと断言はできないですが、そういうことも考えながら私も家づくりをしていきたいと思っています。

ここまで、空調計画と断熱計画の両方の話をしてきました。これはあくまでも私の考えですが、大手ハウスメーカーさんの家は断熱計画よりも空調計画にすごく力を入れている傾向がある気がします。しかし、工務店だとすごく断熱にはこだわって、空調計画はほとんどやらないこともあります。これがどこかでミックスができれば、本当にいい家ができるのではないかと考えています。