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 | 2024.06.10

モデルハウスを改修してわかったこと

今日は宣伝になりますが、下田島モデルハウスで改修工事を行っておりまして、現在お見せできない状態です。ホームページにも書いているのですが、モデルハウス見学のお問い合わせがちょこちょこ来るので、お待ちいただきたいということも含めて、現状を説明させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

下田島モデルハウスは群馬県太田市下田島町にあり、うちの会社から車で10分もかからないところにあります。8年前の7月頃、梅雨明けぐらいに完成しました。工事をスタートしたのが8年前の2月・3月頃で、完成したのが夏前です。今撮影しているのが6月なので、来月の20日〜30日には築丸8年になるモデルハウスです。モデルハウスなので誰も住んではおりませんが、実際にお客様が住んでいる家とは同じ状況にはなりません。

モデルハウスを作った理由は、外部の劣化の状況や内部の床の色がどのように変化するのかを確かめたかったからです。見学された方はご存知かと思いますが、一般的な住宅会社のモデルハウスとは少し志向が違う感じがすると思います。うちのモデルハウスは、より現実的という感じです。住宅会社が作るモデルハウス、特に大手ハウスメーカーさんなんかは現実的でないものを作って「すごいでしょ」という感じに見せるケースが多いと思います。私の会社の施工エリアでもこういうモデルハウスを建てている会社さんはいますが、実際にはそんな家を作っていないことが多いです。大きすぎたり、高価な素材ばかり使っていたりするケースもあります。そういうモデルハウスを見るのは夢の世界に行った気になって楽しいですが、現実的ではないと思います。

一般的なモデルハウスでは測定を全くしないので、結露の状態もわかりません。窓はデザインを重視して大きいものをつけますが、見た目は素晴らしいです。しかし、実際にそんな家を作ると、夏は暑く、冬は寒いでしょう。そういうことを理解した上でモデルハウスを見なければいけません。ただ、消費者の方がそこまでわかるかどうかは、その人の知識レベルによります。

私はメルマガやホームページの「よくある質問」にも書いていますが、モデルハウスを見るのはいいですが、実際に作っている家を見た方が良いと思います。

こっちの方が現実的です。現在、久喜市や鴻巣市で施工中の現場もありますので、お客様の了解を得て、個別に案内することも可能です。そうした機会を利用して、実際にお客様が住んでいる家を見た方が間違いないと思います。これから梅雨に入り、今年の夏も非常に暑くなると言われています。真夏の屋根裏エアコンの効き具合や、冬の床下エアコンの効き具合、エアコンをかけない状態での室温などを体感していただくと、よりわかりやすいと思います。

また、仕上げに使用している材料の触り心地や匂いも体験することで、実際の家の雰囲気がわかると思います。特に若い方は、家を建ててから何十年も住むことになりますので、こうしたポイントは非常に重要だと個人的に思います。話が少し逸れましたが、下田島モデルハウスについてご存知の方も多いかと思いますが、現在、外観を改装中です。

以前はガルバリウムサイディングを張っていましたが、それを全て剥がしました。玄関の一部には窯業系サイディングを使用していましたが、これはサイディングの説明のためでした。現在、周辺に建売住宅がたくさん建っており、みなさんがサイディングを使用しているため、説明の役目を終えたと思い、剥がしました。

ガルバリウムサイディングだった部分には、ファサードラタンを隙間を開けて横張りにし、窯業系サイディングが張ってあった部分には本塗装を施します。本塗装は、下塗り・中塗り・仕上げ塗りを行い、ひび割れ防止のメッシュを二重に入れて進めます。これにより耐久性が高くなり、最上塗りの材料も適切なものを使用することで劣化を防ぎます。

私の実家は、私が結婚した時に建てたので、25〜26年経っています。小さなひびは当然入りますが、剥がれたり浮いたりすることは全くありません。汚れはつきますが、時々ホースで洗い流しているため、サイディングのように色が薄くなったり藻が生えたりすることはありません。これが良いと思います。

当然、施工費は高くなります。当社のOBさんでも、15年前に家を建てたお客様から依頼が来て、外部のサイディングが随分と汚れて色が褪せてきたということで現地を見に行きました。コーキングはそれほど悪い状態ではなかったので、直すところは直して、直さないところはそのままにしました。足場を組んでサイディングを塗り直し、屋根は瓦だったので塗らなかったですが、最終的に150万〜160万円くらいかかりました。良いものを使っているので、塗料を安いものにすればもっと安く済むと思います。

また、ペンキ屋さんによっては、自分の家に在庫が多い塗料を安く提供するところもあります。安く仕上げたい場合はそういった方法もありますが、元と同じ色を選ぶとどうしても値段は高くなります。どこの家でも150万〜160万円かかるわけではなく、面積によりますが、現実的には15年・20年以内に塗り直さないとサイディングは吸水して劣化してしまいます。

50年間住むとすれば、生涯のうちに3回塗る可能性があります。2回は絶対に塗らなければならないと思いますが、3回目は塗らずに解体するかもしれません。それでも2回塗ると約300万円かかります。サイディングの一番怖いところは、塗ればいいわけではない場合があることです。50年持つかどうかはわかりませんし、反りが出ることもあるので見た目的にも問題があります。これらの点はよく考えた方がいいと思います。

先ほど言いましたが、ガルバリウムサイディングを張ってファサードラタンにしました。ガルバリウムサイディングの塗膜はちょっと薄いと感じました。築8年ですが、色の褪色が進み、日焼けによる西面の色の飛びが見られました。ガルバリウム鋼板ならそこまでいかないと思います。ガルバリウム鋼板の塗膜とガルバリウムサイディングの塗膜はやはり違うと感じました。

透湿防水シートについての質問もありましたが、うちではタイベックを使っています。西面のガルバリウムが日焼けして色が飛んでいましたが、剥がしてみると全く劣化していませんでした。中に貼ってあるテープも問題ありませんでした。ブチルテープなどは良いものを使っておけば、触ってもまだベタベタしていてガッチリついています。安いテープは10年ほどで劣化する可能性があります。

タイベックの透湿防水シートも、窯業系サイディングメーカーがセットで販売しているものだと、10年ほど経つと中の繊維が出てくることがあります。特に西面では太陽に晒されて劣化しやすいので、注意が必要です。

これはJIOも言っていますが、雨漏りが起こって、どこで雨漏りしているのかを調べるために外壁を剥がしたら、タイベックの中の繊維が見えている状態で、手で触るとポロポロしていました。ただ、それでも水が染み込むわけではないらしく、ある程度のバリアは保たれているようです。しかし、そこからさらに30〜40年持つかというと、多分持たないと思います。透湿防水シートやテープは後からやり直しができないので、良いものを使っておいた方がいいと感じました。

下田島モデルハウスの屋根はガルバリウム鋼板なので、当然汚れはしましたが、全然錆びもなく問題ありません。築8年ですので、家の外壁についてはそのような状態です。室内については、キッチンが今までは既製品だったのですが、天板はステンレスなのでそれだけを活用し、下は全部取り換えて造作キッチンにしました。若い方は造作キッチンを好むケースが多いので、それを参考にしてもらうのもいいと思います。

また、2階の床は一般的なフローリングで、1階は無垢の杉板を使っていました。これはフローリングと杉板の歩行感の違いを感じてもらうためです。冬は暖かさが全然違い、夏はペタペタ感が異なるので、役目を終えた今、2階の床板は無垢のアカシアに張り替えて、2階の硬さと1階の柔らかさを体感してもらおうと思っています。2階の天井も梁出し天井からシナベニヤの目透かし天井に変更し、より現実的に施工しています。

特に注目すべきは断熱性能の向上です。8年前に作った下田島モデルハウスはG1.5程度でしたが、今回のリノベーションでは、外壁周りにファサードラタンを施工する前に付加断熱を施し、屋根にはセルロースファイバーを充填しています。また、基礎断熱も強化し、G2.5〜3の間くらいの性能になっています。鴻巣の家ではUA値が0.37で、G2.5くらいの性能です。

G3にすることが目的になってしまうと、日射取得率を考慮しないと夏に問題が出ることがあります。予算のほとんどを性能向上に使うと外構や外壁にお金をかけられなくなるため、バランスが重要です。性能を高めることは大切ですが、住み心地には温度や湿度だけでなく、手触りや匂い、見た目も関係してきます。性能とデザインのバランスをうまく取ることが重要です。

下田島モデルハウスは6月14日頃に完成し、写真をホームページにアップします。6月22日以降は見学が可能です。ご興味のある方は、先行で予約することもできます。既に2組のお客様が予約を入れているので、ぜひご検討ください。以上です。