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 | 2024.04.25

①ファサードラタン仕上に挑戦します②建ててはいけない家③あまり悪口を言わない方が良い④家づくりの参考になるおすすめの書籍

今回は質問コーナーです。

今日もいつもの通り下田島モデルハウスで撮影をしています。メルマガで書いたような気もしますが下田島モデルハウスは今年で丸8年を迎えます。8年前に作ったということもあり、今建てているお客さまの家よりも性能はよくないです。大きめの窓が西や北に多いし、断熱性能もG1.5ぐらいで、G2まではありません。しかし、間取り・デザイン的には悪くないですし、使っている珪藻土・床材などは、今作っている家と全く同じなので、参考になると思います。

ただ、私が前から気になっていたのが外壁の仕上げ方です。モデルハウスを作った当時、私は杉板推しではなかったので、ガルバリウム鋼板のサイディングと、玄関前の一部に窯業系サイディングを張っているんです。なぜ窯業系サイディングを張ったかというと、お客さまに「これがサイディングというんです」「こっちがガルバリウム鋼板です」と説明したかったからです。しかし今考えると、周りの家が全部サイディングなので、「あれがコロニアル屋根です」とか「あのサッシはアルミです」と他社の家を見ながら説明できます。

下田島モデルハウスと今の家の違いは、使ってるもの・デザイン・性能です。もっと言うと、モデルハウスのキッチンは既製品なんです。食器収納やテレビボードは造作ですが、キッチンは既製品を置いた方がわかりやすいかなと思って置きました。

最近だと、既製品のキッチンを使うケースは少ないです(年間で1人か2人ぐらい)。造作キッチンは、つけたいもの・作りたいものを考えるのが大変なので(楽しいといえば楽しいですが)年配者の方は既製品のキッチンを選ぶ傾向があります。メーカーさんのショールームに飾ってある中から選ぶ方がわかりやすいし、話としても早いですよね。

4月の中旬から、モデルハウスの改装工事に入ります。まずは1階についているキッチンを、既製品から造作にする予定です。あとはガルバリウム鋼板と一部サイディングの外壁を、全部剥がしてしまいます。ただ、その後には杉板を貼るのではなく、断熱性能がG1.5しかないので、付加断熱をしようと思っています。付加断熱をしてその上に胴縁をつけて杉板を貼り、杉板同士の隙間を多めに開ける貼り方を考えています。それが「ファサードラタン」です。今までお客さまの家ではやっていなかったのですが、やってみたいと思います。

「ファサードラタン」を群馬県でやってるケースはないと思います。私の知り合いで、山梨で工務店をされている天野保建築さんは「ファサードラタン」をやっていますが、かなり珍しいです。「ファサードラタン」は隙間が多い分、中に水・日光が入ってしまうので、下に透湿防水シートを貼ったりします。防水シートもいいものを使わないといけません。付加断熱の上に貼る防水シートは超耐久型のものにして、隙間を開けて横張りで杉板をずっと貼っていきます。玄関に貼っていたサイディング部分は、ガルバリウム鋼板の波板を使うつもりです。

当然形は変わりませんが、見た目は変わります。性能値も上がるので、床下エアコンと屋根裏エアコンを稼働させて断熱性能がどれだけアップするのかを比べる楽しみができました。

4月15日ぐらいから着工して5月いっぱいには完成する予定です。その期間は店舗改装中のような状態になるので、もしご興味のある方は店舗改装が終わった6月の中旬以降に見ていただいた方がいいかなと思います。

その代わり4月の13・14日には、群馬県玉村町で平屋のオープンハウスを開催させていただきました。また、5月の18・19日には群馬県前橋市でオープンハウスをします。施主の方は、去年結婚したばかりの20代の若いご夫婦で、土地探しから家づくりをお手伝いさせていただきました。若い方でもちゃんと勉強されていて、なるべく住んでからお金がかからないようにしたり、お金をかけるところ(断熱・気密・造作のキッチン・食器収納など)と、かけないところに優先順位をつけて割り切りができている方でした。この辺りのバランスは家づくりで大事です。。そして日射取得できる土地を選び、その土地に合わせて間取りを作らせていただきました。あくまでも施工エリア内で当社の家づくりにご興味のある方は、ぜひ参加してみてください。

本題に入ります。今回はメルマガにいただいた感想をご紹介します。

メルマガの感想も、おかげさまでいろいろいただきます。読むとみなさん「よく見てるな」とか「よく考えてるな」と感じます。その中でも圧倒的に送ってくれるのは“nobandさん”です。家づくりは去年あたりに終わってるはずなんですが、いろんな意見をいただけるので嬉しいです。自分の家ができて「住んでみたら失敗したと思う部分があるけど、それも可愛い失敗だ」と言っています。完璧というのは難しいし、失敗といっても住み心地としてはちゃんとしているはずです。大失敗したわけではないので、それは勉強の賜物だと思います。

大失敗と私が言っていいのかはわかりませんが、先日「この家はまずいだろう」という家を見かけました。それについてはメルマガで書こうと思います。その家を建てた方はどんな方かわからないし、依頼者さんが何を優先して建てたのかもわかりません。もちろん私に「そういう家を建ててはいけない」と言う権利はないです。ただ、「今の時代に、なぜこの家を、この場所・この間取りで建てたのかな」と思ってしまいました。明らかにお金はかかるし、住み心地も悪い家になっていると思います。「住宅会社もプロなんだから言ってあげないとダメじゃないの?」とも思いました。

1つ目のコメントです。最近YouTube・メルマガで、2回連続ぐらいで同業者批判のような投稿が続いてしまい、それを見た方からご心配をいただきました。「言っていることは間違ってませんが、言い過ぎるとハレーション(悪影響)を起こしますよ」と。確かにそうかもしれないですよね。

「今回のメルマガについて思ったことは、文字や言葉を認識できても文脈は理解できないという人たちが必ず一定数いるということです。文脈が理解できない人たちが勘違いをする文盲目という言葉が当てはまる事例なのではないかと思います。ただ、この話自体は込み入った内容だと思います。最近のメルマガでは他の建築系YouTubeに関する話題にどうしても触れる機会が多くなっているので、ハレーションが起きないか少し心配しています。小暮様や森下様が配信されている動画は、他の住宅関連動画とは趣が違っており、まさに今注文住宅の契約をしたばかりの自分には大変参考になっています。今後動画で配信してほしいトピックとして、参考になる住宅関連の書籍やテキストを紹介してほしいです。この前、森下様がYouTubeのコメントで書いていた『建築知識ビルダーズ』は購入しました。」

認識してるけど理解できないというのが一番怖いですよね。ハレーションは今のところ起きてないです。ただ、当社で家づくりされているお客さまから、「ネット検索していたら、子育て設計さんの悪口を言ってるやつを見ました。しかしそれを書いているのは同業者だと、一発でわかりました。住宅業界というのはああいう感じなんですね」とのことでした。そんなところに悪口を書くなら「さっさと仕事しろ」という感じですよね。ハレーションが起きてしまうのでこの辺でやめておきます。

このコメントの中で、参考になる住宅関連の書籍やテキストの話がありました。森下さんが『建築知識ビルダーズ』をオススメしていたとのことですが、私も毎月取っています。いい写真も載っていて、見物としてはいいかなと思います。ただし、私はオススメしないです。それよりももっと根本的な原理原則・客観的な事実を学ぶことをしてほしいです。それができた人は『建築知識ビルダーズ』を読んで、デザイン性やいろんな家を学ぶのがいいかなと思います。

学ぶためにはどの本がいいのかというと、やはり松尾先生の本になってしまいます。断熱・気密に関してはいろんな本が出ていますが、それと共に日射取得・日射遮蔽・空調計画・窓の配置・つけ方というところまで、わかりやすく書いてある本は松尾先生の本しかないと思います。松尾先生の本は3冊ぐらいありますが、まずは『ホントは安いエコハウス』という本を読んでほしいです。その次のステップとして『お金と健康で失敗しない間取りと住まい方の科学』を読むのがいいと思います。これらと『エコハウス超入門』の計3冊を読んだ上で知識をつけていただきたいです。

これらの本は工務店選びをする時にも役立ちます。また、工務店さんが書いた間取り・配置計画を見た時に、なぜこの間取り・空調計画になったのかを、工務店さんが説明できているかがわかります。当然地域性もありますし、松尾先生が言っていることはあくまでも原理原則なので、全て正しいとは限りません。例えば群馬県などの暑い所では、松尾先生の原理原則を元に、より冷房計画に重きを置くなど、その地域に合った間取り・配置計画等を説明してもらうことが、工務店選びでは必要だと思います。

この3冊は基本として、他には前先生の『エコハウスのウソ』という本も参考になります。前先生は建築士ではなく東京大学の先生で、いろんなデータを取って解説をされています。「こうやったらこうなったよ」という解説なので、工務店選びには参考にしづらいかもしれません。ただ、膨大なデータを客観的に分析した結果が載っていて、やっぱり断熱・気密はいいとか、日射の力の強さ・日射遮蔽の必要性を理論的に語っているので、すごく参考になります。

Amazonだと、松尾先生の『本当は安いエコハウス』と前先生の『エコハウスのウソ』の、2冊セットで4950円で売っています。この2冊を読むと家づくりの根本的な原則がわかります。これを読んだ上で『建築知識ビルダーズ』を読むといいと思います。

これとは別で『住宅営業マンぺこぺこ日記』という、住宅業界の営業マンさんの辛さや住宅業界の本当のところみたいなことが書いてある本があります。実際に大手ハウスメーカーさんなどは、本当に書いてあるような感じです。やはり家づくりに対しての考え方が違うんじゃないのかなと思います。家づくり初心者の方や家づくりをちゃんとしたいという方は『ホントは安いエコハウス』と『エコハウスのウソ』を読まれることをオススメします。