Facebook
X
YouTube
ホーム > ブログ > YouTube > 3種類の木を解説しました
YouTube
 | 2020.09.25

3種類の木を解説しました

今回は3種類の
材木について解説をします。

材木には大きく分けて
3つのものがあります。

グリーン材、
KD材、AD材の3つです。

まずグリーン材というのは、
森で木を切ってすぐに四角に
製材をしたものです。

全く水分を抜かずに
乾燥されてない材木を
グリーン材と言います。

木というのは、
中に水分があります。

切った瞬間に地中から
水分を吸わなくなるので
それ以上に水分が入る
わけではありません。

状況にもよりますが、
重量の50%ぐらいが
水分ということもあります。

それだけの水分が
入っている状態だと、
ブヨブヨなので強度も
ありません。

放っておけば、
空気や太陽光に当たるので、
だんだんと水分が抜けます。

そうすると強度は
高まりますが、
曲がってしまいます。

昔に作られた家は、
ほとんどがグリーン材でした。

なのでグリーン材をつかって
建てた家は曲がってきて、
扉が開かないことがよく
起こりました。

それを防止するために、
昔の家は1年間ぐらいかけて
少しずつ水分が抜けるのを
待ちながら家をつくりました。

ただ現実的には
1年間かけて家をつくっても
水分は抜けません。

途中で壁を貼ったりすれば
水分が中に入るので、
完全には抜けきらないです。

あと昔の家は隙間だらけ
だったので、水分が残って
いても水分は抜けました。

今の家は気密が高いので、
グリーン材を使うと恐らく
壁の中でカビが生える
可能性が高いです。

なのでグリーン材を
使っている方は
いないと思います。

ただ今の住宅でも
グリーン材を使っている
部分があります。

それは、土台です。

土台はシロアリ対策として
シロアリ用の薬剤を
注入します。

本来であれば
注入したあとに乾燥させた
ものを使いますが、すごく
安い住宅とか本当によく
知らない人だと、
乾燥してないものを
土台に使うことがあります。

乾燥させてない分、
手間がかかっていないので
安いです。

グリーン材を使うのは
やめた方がいいと思います。

次にKD材。

キルンドライと言って、
人工乾燥した木材です。

切った木を窯の中に入れて、
ゆっくりと水分を抜きながら
乾燥させていきます。

低温でやる場合もあるし、
高温で一気にやる場合も
あります。

高温で一気にやる場合は
木が中で内部焼けすることが
あるらしいです。

高温でやる方が
水分がかなり抜けるので
強くなったり、あとで
曲がらなくなるらしいです。

低温も高温も
一長一短があるので、
どちらが良いとはなかなか
難しいです。

最後はエアドライ。
天然乾燥です。

自然に放っておいて
乾燥させる感じです。

ただ自然に放っておいて
乾燥させるのではなくて、
乾燥しやすいように井形に
組んで風が通り抜けるように
して乾燥させます。

逆説的ですが、
ある程度水分を入れてから
水分を抜くこともあります。

木は水分を当てることで、
中の水分が一緒に流れ出る
という性質があるらしいです。

そういうことをして、
時間をかけて乾燥させるのが
天然乾燥です。

なので木の性質や
太さにもよりますが、
半年や何年もかけて
抜いていくのもあります。

当然それだけ
出荷ができないので、
お金がかかります。

金額で言うと、
AD材、KD材、グリーン材の
順に高くなります。

強度で言うと、
語弊があるかもしれませんが
KD材が一番安定しています。

天然乾燥の材木は、
無垢で使う方のが
多いと思います。

無垢の木は木の強さを表す
ヤング係数が決められている
わけではないので、
場合によっては強度が低い
ものもあるかもしれませんし、
高いものもあるかもしれません。

その中で乾燥率が悪いと
最終的な強度がどうなのか
という不安はあると言われます。

なのでどれを使えばいいか
なかなか難しいです。

ちなみに当社は
人工乾燥のものを使っています。

なぜかと言うと強度が出て
耐震計算もちゃんとできる
というのがあります。

あとは変化することも
ないし、お客さんに迷惑を
かけることもありません。

当社の場合は珪藻土を
かなり塗りますので、
ヒビ割れることもないので
KD材を使っています。

ただAD材を
使っている方からすると、
KD材は邪道だと
言われる方もいます。

強制的に乾燥させたもの
だから、木が死んでるとか
木の細胞を壊しまくっている
と言います。

そういうものを使うのは
良くないという事を
言われる方もいます。

批判されても困りますが、
それもどうかなと私は
思います。

そもそも木を切った瞬間に
物体になってるわけなので
木の生命量がどうと言うのは
私はわかりません。

なのでグリーン材でなければ
AD材でもKD材でも
どちらでも良いと思います。

木の問題と言うよりも、
最終的にちゃんとした
耐震性のある設計や計算を
するのが一番です。

もっと言うと、
いくら構造材が良くても
断熱性が悪かったり
気密性が悪かったり
使っているサッシが
悪ければ、住まれる方に
とって良い家なのか?と
感じます。

私の個人的な経験ですが、
昔のお客さんで、
当社ではなく他社さんを
選ばれた方がいました。

当社でなにか不都合が
あったのか聞いたところ、
実はAD材を使っている家が
良いと言われました。

その後、
他社に決められたその方の
現場をたまたま通ったときに、
できた家がアルミサッシを
使っていて、北側には
大きな掃き出し窓を
付けておられました。

恐らくですが、
そんなに住み心地が
良い家ではないだろうと
想像はつきます。

使ってはいけないのはなく
家づくりの本質は
一つの物体だけで決まる
ものではないと思います。

そういうことがもし
経験としておありなら、
いろんな目で見て
いただいた方が良いと
いう思いで解説しました。