https://youtu.be/wKRsWgzn6A4
今回は、私が配信させていただいたYouTubeに対するコメントをご紹介します。
早速ですが、1つ目のコメントです。
「間取りはシンプルにという件ですが、自分自身が歩行困難なので、マイホームの設計時からバリアフリーについてはものすごく考えました。小暮社長が言われるように、若い時はいいけど、年を取った時、さらにはイレギュラーな出来事で足を骨折してしまった時に、家がスキップフロアだったらと考えるとまさに地獄ですよね。
近所でもバリアフリーで、車椅子完全対応を売りにしている歯医者さんがありますが、実際には勾配が急すぎるので、そのスロープ勾配で実際に自分で車椅子に乗って漕いでみると、いかに無謀な設計かということが歯医者の院長さんも理解できると思います。」
コメントいただいた焼肉太郎さんは、他のコメントでも「電気の分電盤を低めにつけてもらわないと使いにくいから、低めにつけるよう指示したんだけど、高い位置につけられて困った。」と言っていました。こういうのは、その人の要望をちゃんと聞いて、気をつけなきゃダメですよね。
スキップフロアはたしかにインスタ映えするだろうし、花があると思います。でも私は、スキップフロアの家は設計しません。理由としては、構造的に問題があるからです。別にスキップフロアだから構造的に問題があるというわけじゃなくて、スキップフロアの家で構造計算をちゃんとやるというのは、なかなかシビアなので、おそらくほとんどの住宅会社さんが作っているスキップフロアの家は構造計算をしていないと思います。
YouTubeやメルマガでも解説しましたが、地震の時に力がどういう風に伝わるのかということには、原理があります。よく聞くのは、壁を強くすると地震にも強くなるということです。そのように言っている住宅会社さんもありますが、合っているようで合っていません。
壁だけで床がない空間だと、当然たわみますよね。四角い箱で、水平につっかえ棒がなかったら、ペチャンとなるじゃないですか。なので、床があったら水平方向に突っ張ることによって、壁が変形しないわけです。もっと言えば、壁がない状態でも、床がちゃんと突っ張っていれば、家は変形しません。壁がなくても、床に水平剛性があれば家はたわみません。
車でいえば、屋根とフロアがなければ、サイドのボディだけペチャンとしてしまいます。スキップフロアだと、どうしても一部しか繋がっていないことになりますよね。ただ残念ながら、そういうことを正しく理解されていない工務店さんは多いと思います。特にローコスト系の会社が作っているスキップフロアは怖いなと思いますが、消費者の方はそのことを知らないので、「カッコいいからいいんじゃない?」みたいな感じで作ってしまうわけです。
あとは、段差のある家も怖いです。1階の床が段々になっている感じの家は、たしかに見栄えがよくて面白いかもしれません。ただ、率直に言うと使いづらいです。そういう家を設計している会社さんには申し訳ないですが、家の中を上がったり下がったりするのは嫌だし、何より疲れます。たまにそういう家に行って楽しむ分にはいいですが、毎日となると面倒臭いですよね。
ましてや年を取って、だんだん足が弱くなってきて、「あれ?」と思った瞬間に転んじゃって、足の骨を折ってしまったら、そのまま寝たきりになると思います。当社のお客さんは比較的、介護系や医療系の方が多いんですが、みなさんそう言われます。足が丈夫だったら長生きできますが、足がダメになった瞬間に筋力が衰えて、そのまま座りきりになって、体が曲がってきてしまいます。動かないから食も細くなって、病気になってしまう人も多いそうです。なので床に段差があるのは、本当によくありません。
お洒落系の設計士さんからすれば、家というのは作品なんでしょうね。私の場合、そういうイメージは全くありません。ただ、ホテルだったらいいと思います。当社のお客さんで「ホテルは行くところ、家は帰るところ。」と言っていた方がいるんですが、名言ですよね。
かといって、ホテルライクな家が全部悪いというわけではありません。そういうことまで考えずに段差だらけの家を作ってしまうと、後々大変なことになる可能性はあります。若い時は勢いで作ってしまうこともあるし、そういう家をどんどん勧めてくる住宅会社さんもあるので、本当にいいかどうかは考えるべきだと思います。
このことに関連して、今でも覚えているお客さんがいます。そのお客さんはキャンプ好きな方なので、山小屋風みたいな家を作って販売しているフランチャイズ系のメーカーさんのモデルハウスに行って、家づくりを検討していました。ただ、真剣に考えた時に「この家は間違いなく寒いだろうな。」と気づいたそうです。その後、当社に来られました。私もキャンプやアウトドアが好きなので、そういう別荘があったらいいなとは思いますが、母屋としてはちょっときついだろうなという風に話した記憶があります。
いろいろなYouTubeを見て一生懸命勉強している人を、頭がいいという風には思いません。それを踏まえてこうなんだと、自分で結論を出せる人こそ、頭がいいなと感じます。なので、客観的に物を見なくちゃいけないかなと思います。
私も調子が悪い時に病院に行くことがありますが、公共系のところにはちゃんとした設計が入っているので、適正な勾配のスロープがあります。ただ、個人のお医者さんがどこかの建築屋さんに頼んで作ったスロープは、スロープがあるというだけで終わっていることが本当に多いです。
自走できるスロープと、介添人さんがいて無理なく押せるスロープとでは、勾配は倍ぐらい違います。絵のように、自分で車椅子を漕いで上る場合は、大体12倍です。対して介添人がいる場合は、大体6倍です。要は自走で上ると12m、手伝いつきで上ると6m必要というわけです。誰かに押してもらうにしても6m必要なのに、実際は4mぐらいになっているのが現状です。若者が一生懸命押す分にはいいですが、押される方はきついと思います。
これは、建築計画か何かで通常習うべき6倍の法則、12倍の法則というものです。でも、それすら覚えていなかったり、勉強していなかったりするような人が設計してしまうわけです。こういうことを知ってしまうと、病院に行く度に「この設計はダメだな!」と言いたくなってしまいます。せっかく完成しても使いづらいということになってしまうので、覚えておいてもらいたいです。
2つ目のコメントです。
「断熱について疑問があります。断熱性を強化しようとした場合、窓はたとえトリプルだとしても、充填断熱をした壁の断熱性の半分にも満たない断熱性しかありません。家の中の温度の大部分は窓からの出入りであることとすると、外壁に付加断熱をするよりも、内窓等で窓の断熱性を壁の断熱性に近づけてやる方が効率的なのでしょうか?」
トリプルガラスの窓をつけたとしても、当社の壁に入っている断熱材に比べると、UA値性能は4割ぐらいしかなく、断熱性は弱いわけです。なので、日射取得をしない西面、北面、東面の窓は、小さくしていかないとダメだと思います。ただ、それ以外の面に関しては、日射取得できるようにするべきです。
また、ハニカムブラインドで強化することもできますが、この方は「窓は弱いという事実があるんだったら、壁にそれ以上お金をかけるよりは、窓をよりよくした方がいいんじゃないですか?」と言っています。これは一概には言えません。日射取得ができるような環境かどうかというのもあるし、地域性もあるからです。そもそも小さい窓をつけているんだから、それ以上強化してもしょうがないというところもあります。
某工務店さんのように、トリプルガラスを使っているからといって、北面にでかいFIX窓をつけているところもあります。その会社さんは付加断熱をやっているので、それだったら窓を小さくしてもいいのかなと思います。ある程度、壁の断熱をやっているのであれば、窓を小さくした方が相対的なバランスはいいはずです。
残念ながら正しい答えはありませんが、断熱がいくつあったらいいとか、窓がトリプルだったらいいということではなくて、トータルとしてどういう風に考えるかというのが設計です。なおかつ、空調計画はどうなっているのかというところまで含めてやるべきです。なかなか難しいと思いますが、そういうものだと理解していただければと思います。



