今回は質問コーナーです。
まずは1つ目です。以下の動画に対していただきました。
▼V2Hは割に合わない
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/v2h_wari_awanai/
「ニチコンに電話で確認したところ、ニチコンのV2Hは、太陽光(直流)を交流に変換してからまた直流にしてEVに!(トライブリットは別です。)太陽光から直流で充電出来ない時点で変換ロスが大きすぎる!EVからHOMEに電気を送るのにも変換ロスが大き過ぎるので災害時のみになると思う!一度、EVに充電した電気は、そのままEVで使用した方が利口!(V2Hはエネルギーがもったいない)EVでAC1500Wが使用出来ない日産のリーフはイマイチ!なので、三菱のPHEV車かトヨタのPHEV車が良い!充電は200Vの普通充電!
スマホも、急速充電よりも低速充電の方がバッテリーが長持ちする。マグネット式の充電も有線充電に比べると充電効率は落ちる。トヨタのPHEV車に急速充電が対応していないのもこれが理由なので納得!!
太陽光との組み合わせはV2Hや蓄電池よりも、お日さまエコキュートやEVよりも200V充電のPHEV車になるのかもしれない。」
V2Hというのは、太陽光発電で発電したものを車に入れたりするような、変換器みたいなものです。ただ、実際はその時にロスが出てしまい、最終的には100だったものが60になっちゃう感じです。設置コストと効果を照らし合わせると、なかなか難しいんじゃないかと言われています。
実際にV2Hを設置した方のコメントも何度か聞きましたが、「なかなか割に合わない」とみなさん同じことを言います。ある方は補助金が出たそうで、それがあったから収支計算してもまあまあいいけど、補助金が出なかったらマイナスだそうです。こういうのは、単純にそこだけでプラスマイナスを見るわけではない側面もあるので難しいです。蓄電池も同じで、価格だけで考えたら、正直全く割に合わないですよね。ただ、災害時の問題などのメリットもあるし、それを含めて考えるのならいいと思います。
営業マンさんによっては「蓄電池をやることで電気を買わなくなるから儲かります、得します」ぐらいのことを言う人がいるけど、はっきり言ってそれはないと思います。「得はしないけど、こういうメリットがあります」という言い方ならわかるけど、そういう言い方をすると売りづらいから「得をします」と言い切る人もいるそうです。特に大きな会社の営業マンさんは、よくわからないで言っている人もいるから、気をつけた方がいいです。
コメントについては、全くその通りだと思います。何か噛ませてくるとそこで絶対ロスしていくので、なるべくシンプルに使っていった方がいいです。また、スマホに例えるのもすごくわかりやすいですよね。最近は満タンまで充電しないで、80%で終わりにする機能がついていますよね。これがバッテリーを長持ちさせます。あとは、一気に充電しないで朝までにゆっくり充電するなどもそうです。これで電池の劣化を防いでいます。トヨタのPHEVに急速充電が対応していないのも、バッテリーの劣化の面を考えながらやっているんだと思います。
意外にそういう所をわからずに、住宅会社さんが「V2H+蓄電池+太陽光=最強!」などと言ったものを「何かわからないけどすごいんだな」と思ってつけている人も多いのかなと思います。つけちゃいけないわけじゃないけど、本当にそれって得なんですか?と思います。
以前もメルマガで言いましたが、群馬県に本社がある、大きい電機販売店が親会社のローコストメーカーさんがいます。その会社が作っている家が本当にその通りなんです。失礼だけど、家はローコストでそんなに性能も高くないんだけど、親会社が電機屋さんだから、太陽光もV2Hも蓄電池も、何でもついている感じです。金額はすごくて、最新の電気製品をバンバンつけているから、30坪のローコスト住宅なのに4000万円を超えています。
宣伝文句は「次世代に引き継ぐ家」で、「次世代に引き継げる家だから安い」と言っていますが、次世代は無理じゃないかと思います。少なくとも機械は無理だろうし、正直家も、この家じゃ無理かなと思います。
次は以下のコメントです。
「製造業に勤めてますが、一番ぼったくってるのは実は消費者なのではと感じてます。1万円で売ろうとする商品に対して、ざっくり消費者への値引きが2割、小売りの粗利が2割、製造の粗利が2割で、1万円の配分は消費者は2000円、小売り1600円、製造1280円、原価5120円。まあお金を出す方が強いので仕方ないですが。」
これはすごくいい視点だと思います。住宅会社のコストについて、オプションをつけただけですごく高くなるという話があって、中には「住宅会社はぼったくり」みたいに言う人もいて、それに対して私が「いろんな諸事情がある」と解説しました。
例えば住宅業界では、値引きが当たり前、値引きするから契約してくれ、みたいな商習慣が、特にハウスメーカーさんはあるんじゃないかと思います。「今お決めいただければ300万円引きます」と言われて、喜んで契約する人がいますが、これが他の動画で言った、勘というところです。本当に300万円値引きすると思いますか?普通に考えて、そんなのしないです。中には本当に仕事がなくて、なんとか値引きしてまで契約を取る会社もありますが、ハウスメーカーさんはそうではないと思います。
当社のお客さんでも、前の会社でそういう経験をして、その会社で建てるのをやめた方は多いです。営業マンさんが「契約してくれれば、乾太くん・給湯器・床暖房もサービスする」と言ってきたそうです。でも「ただしガス会社は指定させてください」と言われたことで、完全に嘘だと思ったそうです。つまり、ガス会社さんがハウスメーカーさんの要請で、値引き分を負担しているんです。後からガス代に乗せて請求するんだろうと、勘のいい方ならわかりますよね。でも、失礼だけど勘の悪い方は、得したと思うんです。
今のところ、当社のお客さんは「値引きできますか?」と聞く人はいないし、私もしないと言い切っています。ただ、残念ながら昔はそういうお客さんがいました。今の時代、職人さんも少なくなっているし、コストも上がっています。その中で値引きするというのは、あらかじめ値段を乗せておくしかないです。
次は以下のコメントです。
▼①課金する建築系YouTubeを聞いてみたい②基礎断熱の湿気処理方法いろいろ③住宅業界の利益率は低い④透湿防水シートは必要ないのか?⑤高層ビルも低性能
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/youtube_kiso_shikke/
「基礎コンクリートの湿気問題は、プールに使う耐水ペイントを塗ればバッチリと思ったりしますが、そんな建て方見たことないから素人考えなんだと思います。特別な工法のお話について、工法の良し悪し判断は全くつかないものの、キーデバイスが1社提供で、その会社が店仕舞いしたら家のメンテは終わりというのは、ちょっと怖いと感じます。」
ベタ基礎で湿気が出るとよく言いますが、それを出ないように、耐水ペイントをして湿気を抑えればいいのかと思ったけど、そんなことをやっている人はいないから、実際は無理なんでしょうか?という話です。結論は、できなくはないけど現実的に無理という感じです。理屈としては確かにあるかもしれません。しかし、耐水ペイントを塗るためには、コンクリート自体が本当に乾燥しないと、ちゃんと付着しないんです。
例えばガレージを作った時に、汚れ防止のためにガレージの土間にペイントしますよね。あれもガレージが乾かない状態で塗ると、後から水分のせいで全部剥がれてしまいます。例えばプールだったら、日にずっと当たっていればある程度水分が飛ぶけど、住宅の基礎は床下だから日に当たりません。その水分が飛ぶまでには1〜2年掛かります。1〜2年待って水分が飛んだ後に、下に潜って耐水ペイントを塗れば付着するかもしれないけど、そうなったらもう塗らなくていい状態になっています。もしくは、基礎を作って1年くらい天日干しして、耐水ペイントを塗ってから上棟する方法もあるけど、でもこれも同じく、その頃には塗らなくていい状態になっています。でも視点として面白いと思います。
実は、私が自宅のガレージで、この失敗をしたんです。10年以上前、車庫を作った時にペイントを塗ろうと思ったんです。1ヶ月ぐらい放っておいて、でもそれくらいで建物の基礎が乾くわけはないんだけど、車庫に車を入れられないと困るから、ペンキ屋さんに塗ってくれと言ったんです。ペンキ屋さんも「剥がれないかな?」と言ったけど塗ってもらって、でも夏になったら全部剥がれました。
また、コメントの「キーデバイスが1社提供でその会社が店仕舞いしたら家のメンテも終わり」というのも、私がよく言っていますよね。オープンハウスでも、床下エアコンの設置の仕方、屋根裏エアコンの設置の仕方、冷気の送り方などを、来た方にはお見せしています。その時に私がよく言うのが「エアコンは普通のエアコン」「冷気を送るのはこういう装置」「ここをジョイントしないことでこうやっている」「これが壊れたら、ここをこうやれば交換は簡単」などということです。
電気工事をやっている人なら、見た瞬間にどこのメーカーかわかるし、普通に売っているものを使っています。「それを持ってきて交換してくれ」と言えば、メンテナンスできます。それが、おそらく最大のアフターメンテナンス対応だと、私は思っています。
できれば当社がずっとアフターメンテナンスをしたいけど、未来はわかりません。もしかしたら当社が倒産するかもしれないし、私が事故で死んじゃって、会社ができなくなることもありえます。その時のアフターメンテナンスを考えた結果、一番壊れるのは機械なので、機械類はなるべく誰でもできるようにしておくことと、複雑なことはしないこと、どこにでも売っているものを使うことを選択しました。
こんな言い方は失礼だけど、当社がアフターメンテナンスしても他の誰かがしても、お金が掛かるのは同じです。その時に、誰がやってもできるようにしておいた方がいいと思います。それがもし「小さい会社は不安」「ちゃんと一生面倒を見てもらいたい」「言ったらすぐ飛んでこい」みたいなことが希望なのであれば、大手ハウスメーカーさんがいいと思います。
大手ハウスメーカーさんはアフターメンテナンス専門の会社を作っているし、手厚いアフターメンテナンスをしてくれると思います。ただそうすると、家の作り方はアフターメンテナンス専門会社さんがいる前提になるから、今回この人が言ったように、その会社の専門の機械でのメンテナンスになり、間違いなくコストは高くなると思います。
無料で何でもやってくれる会社はいません。あくまでもうちの会社はこうやっていますといつも説明しているし、それをどう思うかに対して、私は良い・悪いは言えません。そういうことも、住宅会社選びの1つかなという感じもします。