facebook
instagram
youtube
ホーム > ブログ > YouTube > ①屋根裏エアコンの家は2階の方が涼しい②高性能で低価格の家はあるのか?③家づくりで100%を目指す方の特徴④【1日10円】で涼しく出来る機械
YouTube
 | 2023.08.10

①屋根裏エアコンの家は2階の方が涼しい②高性能で低価格の家はあるのか?③家づくりで100%を目指す方の特徴④【1日10円】で涼しく出来る機械

今回の撮影は別の場所で行っていますが、いつもの下田島モデルハウスは温度や湿度を測定できるようになっています。去年のお盆休みも、モデルハウスにセンサーを置いて毎日チェックしていました。

現在、下田島モデルハウスの外気温は37.2℃、室内の1階は26.4℃、2階は25.2℃です。さらに、洗面脱衣室、一番奥でエアコンから遠い所の気温は28.5℃。でも、湿度は48%なので、実質そんなに暑くないです。

エアコンの設定温度は25℃の自動運転。2階はちょうど25℃になってるんですよ。でも、1階は冷気が下がるのにタイムラグがあるから、1℃ほど高くなってます。湿度は1階が50%、2階が53%ぐらいです。

なんで2階は涼しくて湿度が高いのか、1階はちょっと温度が高くて湿度が低いのか、というと、冷気がすぐ2階に降りてくるからです。その後、1階まで冷気が降りるのに時間がかかるから、下の方が暖かく感じます。

一般的な家は2階の屋根が熱いじゃないですか。だから、2階の方が暑いんじゃないかと考える人もいると思います。

ところが、屋根裏エアコンの逆転現象というものがあります。屋根の断熱をきちんと施し、通気と排熱をしっかりと行って、屋根裏エアコンをつけると、冷気がすごく効いて、2階の方が涼しくなるんです。

湿度に関しては、1階が50%でちょっと低め、2階が53%で少し高めです。これは、夏の太陽の高度と日射の関係が影響しています。

夏は太陽が高い位置にあるため、下田島モデルハウスのように軒が出ている家では、2階は日射が当たりにくい。でも、1階は少し日射が入るんです。

今この家には誰もいないので、アウターシェードは使用していません。ハニカムブラインドを閉めつつ、南側は少し開けています。防犯の観点から全てを開放するわけにはいきませんが、少し開けて熱を入れると、湿度が飛ぶんです。

こんな風に、夏でも少しだけ日射を取り入れると、温度が高くても湿度が下がり、意外と快適なんですよ。

こういうのって、実は理屈じゃない部分が大きいです。UA値の計算やC値計算、樹脂窓の問題ではありません。

正直、こんなことをYouTubeで解説しても、あまりウケるとは思えないです。多くの人は「UA値はいくつ?」「一種換気の除湿量は?」「使っちゃいけない設備器具10選」という内容に興味を持ちますよね。

それがウケるのはわかってますが、私としてはあんまり面白いとは思えないんですよね。それでも、好きな方だけが見てくれればいいと思って、こういう動画を配信しています。

ちょっと宣伝になりますが、メルマガではより具体的にモデルハウスでのプチ実験や、実際に建てているお客さんのお引渡し前の家での測定結果などを公開しています。興味がある方は、ぜひご覧ください。

ただ、業者さんや同業者の方は見なくて大丈夫です。また、「ああ、そういうのもあるんだ」と適当に知識を得たいだけの方も、見なくていいと思います。

少し横柄に聞こえるかもしれませんが、真剣に学びたい方のために時間をかけて書いています。そういう方にとって、参考になるメルマガだと自分では感じています。

家づくりは一生に一度の大事なことなので、ちゃんとした家を建てたいですよね。もちろん安い方がいいけど、安くて中途半端な家を作られるぐらいなら、お金をしっかり出してちゃんとした家を作ってもらいたいという人は、真剣に考えていると思います。

もちろん値段は聞かれるけど、「そんなにするんですか!?」と聞くような人はそもそもうちに来ません。ちゃんとした家を作るとなるとそこそこのお金はかかる、という感覚の人が多いんです。

また、コストを安くしようとばかり思う人は、YouTubeも見ないのかな、と私は感じます。

さっきの話の続きですが、夏における「日射取得」、つまり、熱を取り入れることはとても大事です。家の中の湿度を一種換気で除湿する方法もあるけど、機械には限界があります。

某高性能住宅メーカーの家を持ってる人から、夏がジメジメして大変という話を聞くことがあります。冬は暖かいのに、夏は湿度で苦労していると。

先日、空調に詳しい大学の先生の講義を受けたんですが、高性能住宅でエアコンが効かないという問題が出てきているようです。

前にもメルマガで書きましたが、私が尊敬している西の巨匠が広島にいます。新住協の創設時代から活躍していて、私よりもだいぶ年上の方です。

「Q1.0住宅」など様々な家を設計されてきたのですが、高性能が必ずしも良いわけじゃないし、逆にそれほどお金をかけるんだったらもっと簡単な方法があるということを、自分の経験からおっしゃっています。

私もその通りだと思っています。しかし、「一種換気はダメだ」とか「高性能にしてはいけない」という意味ではありません。

そこまでの完璧を求めなくても、普通の家で暮らせる人もいるのではということです。100%完璧な家を望む人は、保険として色々なものを取り付け、お金をかける選択もアリだと思います。

私の考えでは、暑い時は暑いし、寒い時は寒い。それが自然じゃないかなと思うんです。

ただ、極端に寒い家は困りますよね。1枚羽織る、エアコンの温度を調節する、窓を開けて除湿するなど、そういう工夫で快適に過ごせるのが、本当の意味でエコだと思っています。

飛び抜けて高性能な家を建てると、建築コストやメンテナンスコストもかかります。ランニングコストは下がっても、メンテナンスコストが高くなるかもしれませんね。私は、そこまでしなくても快適な家を作ることができると思っています。

また、これから高性能住宅ブームがくると思います。ようやく断熱等級6・7ができてきたので、恐らく数年後には、ハウスメーカーさんも断熱等級6の商品を出していくと思うんです。

それによって、高断熱住宅なのに住み心地が悪くなるケースが増えるんじゃないかと思います。ハウスメーカーさんも大量にバーンと売っていくから、いろんな問題を抱える人が出てしまうんじゃないでしょうか。

そういうことにならないように、みなさんもぜひ頭の片隅に置いておいていただければと思います。

ようやく本題ですが、今日は簡単な話です。

私がお客さんにお家をお引渡しさせていただく時に、アドバイスをさせていただくことがあります。冬であれば床下エアコン動画、夏であれば屋根裏エアコンの解説動画をお送りするんです。

私がモデルハウスやお客さんの家で、屋根裏エアコンの使い方や湿度の管理のポイントなどを説明している長い動画を観てもらって、まず自分で使ってみてもらいます。

その上で使い方がイマイチわからないとか、私の生の話を聞いてみたいという方には、お呼びいただければ私がお家に行きます。

動画でご説明している中の1つが、今日のテーマであるサーキュレーターの使い方です。

サーキュレーターと似たものに、扇風機ってありますよね。風を送るという目的では似てるけど、実はサーキュレーターと扇風機って目的が違う物だということをご存知でしょうか。意外に知らない方も多いのかなと思います。

うちのお客さんでも、「扇風機でもいいんですか?」と言う人がいらっしゃいます。悪くはないけど、扇風機だとあまり効果がないです。

そもそもの目的として、サーキュレーターは空気を循環させるためのものなので、狭い範囲で強い風を送る感じです。

屋根裏エアコンから冷気が降りるじゃないですか。冷気は自然に落ちながら拡散するのですが、すごく暑い時期は多少降りる速度も遅くなります。

また、吐き出した後の冷気は段々暖まってきますよね。特に1階って日射が入るじゃないですか。なので暖まりやすいんです。

それにサーキュレーターをかけると、降りてきた冷気をうまく回してあげられて、最終的にリターンと言ってエアコンが吸ってくれて回っていくことになります。

これも、体感してもらうとすごくわかりやすいです。大きめのサーキュレーターを使って上下左右に振ってみてください。

日中そんなに暑くない時でも、「弱」でいいのでつけてもらうと、冷気が撹拌されて家の中が涼しくなりますよ。

お客さんによっては「扇風機でもいいですか?」と聞かれるけど、扇風機って人間が当たって涼むという前提で作ってる製品です。

そんなに強いパワーは出ないし、範囲を広くして緩やかに風を送るものなので、撹拌する力ってほとんどありません。なのでサーキュレーターを使ってもらった方がいいです。

サーキュレーターをそんなにかけてたら、電気代が上がってお金がかかるんじゃないかと思う人もいます。

製品によって消費電力も変わりますが、ざっくり1日8時間くらい使ったとしても、電気代は10円かかるかどうかだと思います。毎日使っても1ヵ月約300円です。

エアコンの温度を上げても涼しくなるから、トータルで言ったら安いんじゃないでしょうか。

ちなみにうちの事務所は、重量鉄骨の軒ゼロぺったんこ事務所で、恐ろしく環境の悪い賃貸物件です。

シングルペアガラスアルミサッシという環境の中でも、エアコン28℃設定でサーキュレーターを回しておくと、寒くなるぐらいです。あの事務所でも冷えるんですから、本当にサーキュレーターってエコだと思います。

モーターの種類がACモーターとDCモーターとあって、DCモーターの方が細かく調整できるしパワーも強いので、どうせ買うならこっちがオススメです。

機械代が少し高いのは仕方ありません。せっかく高性能な家を建てて、まんべんなく空気を回せるんだったら、ちょっと高くてもDCモーター系のサーキュレーターを買った方がいいと思います。

仮にもし、言った通りにやったけど涼しくならないという場合は、ご勘弁ください。恐らく涼しくはなると思うし、暑いアパートでも活用できますので、ぜひ参考にしてみてください。