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ホーム > ブログ > YouTube > ①エアコンは除湿器では無い②電気代はかからないけど不快な家もある③住んでから快適な家の基準④空調計画は理屈だけでは難しい⑤床下エアコンはセンサーと設置場所が重要
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 | 2023.09.20

①エアコンは除湿器では無い②電気代はかからないけど不快な家もある③住んでから快適な家の基準④空調計画は理屈だけでは難しい⑤床下エアコンはセンサーと設置場所が重要

今回は質問コーナーです。

私が言うのも偉そうですが、空調計画に対して、かなり甘い人が本当に多いと思います。なんとなく空調計画というと、エアコンの畳数だけ気にしているとか。

冷房エアコンは、冷たい空気は上から下に下がるから、一番高い所につけた方がいいんじゃないかと、確かにそれも理屈としては合っている。一番高い所につけた方が冷気は下に下がるからいいんだけど、難しいのが、家って間取りがあるわけじゃないですか。間取りもあるし、建物の形もある。

エアコンにはセンサーついていて、そのセンサーの位置が上部・側面・下部・背面とバラバラです。そのセンサーの位置に室内の空気を感知させて、センサーが指令とセンサーの温度差を埋めるために、冷気なり暖気を吹き出します。吐き出して、空気がセンサーに回ってきて、指令と実温度の差を埋めるように一生懸命頑張るんです。その過程で、例えば冷房であれば、温度を下げつつ、除湿、水分を取り省くことをやるだけの話。すごく簡単ですよね。

そこで設定した温度にセンサーが「言われた温度まで達した」と思ったら、そこで運転を止めるわけです。設定した温度になったら止まっちゃうから、湿度が高かったとしても関係ないんです。

エアコンは除湿器ではありません。冷房機です。除湿は除湿器がやることです。冷房機は、熱を出すと熱くなっちゃうから、温度を下げながら、水分を取っていくだけで、あくまでも除湿は二次的な効果。それをうまく使って、温度も下げつつ、湿度も下げたい。もっと言うと、温度をあまり下げないようにしながら、湿度を下げるもので、再熱除湿エアコンという変わったエアコンもあるんだけど、これも完璧かというと、完璧じゃないです。再熱除湿エアコンをつけたのに、意外に除湿しなかったってこともあります。

その中で私がいつも思っているのは、エアコンはものすごく単純な機械なので、エアコンを動かす時に効率的に動かすのではなく、エアコンを騙すわけです。エアコンは効率的にすると、意外にちゃんと動いてくれない。ただ、非効率的にしちゃうと、一生懸命働いてくれて、温度も下がって湿度も下がって、ものすごくいい環境になる。もちろん、動いた分の電気代がかかります。動かなければ、電気代かからない。

ただ、そこで動いたからって月の電気料金が2〜3万円もかかることはないです。プラス1000円ぐらいです。その1000円でさえ、節約したいという人は1000円はかからなかったけど、なんかちょっと熱いんだよねって過ごすしかありません。これはその人の好みです。でも太陽光発電が乗っていれば1000円ぐらいはペイできちゃうから、俺はいいんじゃないかと思います。

世の中っていろんな人がいて、電気量マウントを取る人がいるんです。うちの作っている家はエアコンがこんなに小さくて電気代がかからないんだと言ってマウントを取ろうとする人がいるんです。でもその家が本当に快適かどうかは、また別の話だったりしますよね。多少電気代がかかっても快適の方が良いじゃん、健康にもいいし、健康もお金だから、そういうところも含めながらやっていくのが私は正論じゃないかなと思っています。

例えば、その会社が作っているモデルハウスとか、引き渡しの前のお家って誰も住んでないし、内部発電もそんなに多くないわけです。こういう状態でエアコンをかけて測定したときに、湿度が60%を超えているのはちょっと問題かと思います。その状態で60%を超えているということは、住んでから絶対もっと上がっちゃうから、不快になるかなって気がします。私のイメージだけど、空の引き渡し前の状態でエアコン1台をかけて測定した時に、湿度が55%以下が基準になると思います。場合によっては40%台とか、それぐらいにならないと実際に住んでから快適にはならないかなって思います。

今言っている温度・湿度はメインの場所、リビングとか、人がいる場所、バックヤードのウォークインクローゼットとか、洗面・脱衣室みたいなところはどうしても日も当たりづらいし、そこまで冷気を配分してもいいんだけど、冷気って限られている部分もあるし、どんどんやりすぎると、他の部分で燃費が悪くなっちゃうから、効かせる場所・効かせなくてもいい場所はある程度分ける前提で言っています。

空調は本当に、エアコンの効かせ方・間取りとか、いろんなものが関係するから、本当に難しいです。断熱材を入れて、気密を高めて、窓を樹脂にしてUa値がいくつっていうのとまた違う。そっちの方が簡単かなって感じがしますけどね。

では次です。エアコンも住宅設備として建築会社にご依頼するものでしょうか?というご質問ですね。

ほとんどの会社は多分こんなことやってないと思います。なんとなくエアコンというのは各部屋につけるのが普通でしょうね。当社は床下エアコン・屋根裏エアコン、アウターシェード・ハニカムブラインドも含めて、全部つける前提で工事を承っています。エアコンは個人的にやりたいという場合は、イレギュラーとして、例えば、趣味の部屋を作った音楽室とか、オーディオルーム。そこの部屋は小さいエアコンをつけて、自分で好き勝手にやって、寒い・暑いがあれば対応するぐらいの扱いで、必要だったら自分で家電量販店で対応するので、エアコンのダクト抜きとコンセントだけつけてくれませんかっていう依頼はあることはあります。そういう場合は自分でやってもいいと思います。ただ、家全体としての空調計画は当社の方でやります。

では次です。床下エアコン、小屋裏エアコンのドレン配管はどこを通しているか?というご質問ですね。

床下エアコンの場合は、床下に半分埋めて普通に基礎の上を通して、なるべく最短距離で外に出すだけなので、難しくないですよね。そもそも床下エアコンは基本的には暖房しか使わないので、ドレンの水は出ないという側面もあります。

屋根裏エアコンの場合は、切妻の屋根なら妻面。妻面っていうのは正面じゃない所、横の三角の部分とか、そこから出します。寄棟の場合は、寄棟って4面屋根だから出しにくいんだけど、天井高さを変えて何とかやれば、出せないことはないんだけど、ただ基本的に、うちは寄棟ってやらないです。寄棟屋根は、太陽光発電の乗せ方に問題があるのと、換気・棟換気、屋根裏換気がしづらくなってくるので、私は寄棟は、基本的にはやらないです。できないわけじゃないけど、寄棟はやらない方が私はいいと思っています。

では次です。小屋裏エアコンの室温感知センサーをどうやって “騙して” いますか?というご質問ですね。

いい質問です。本当にいいところについています。

床下エアコンに使うエアコンのセンサーは本当に難しいんです。基本的に床下エアコンで使うエアコンはセンサーが上についていないといけない。もしくはワイヤードセンサーがついていて、そのセンサーをワイヤーで伸ばして別のところにつけて、そこでエアコンを監視させるものもある。ただ困っちゃうのが、エアコンが壊れた時にワイヤードが使えればいいんですけど、もし仮にエアコンがモデルチェンジしちゃってワイヤードが全部ダメになっちゃうと、使わないワイヤードセンサーがずっと残ってしまうことがある。なので私はワイヤードのエアコンは使わないです。

あとはいかに床下エアコンのセンサーが家の中の空気を感知しやすいようにするかが重要です。例えば日射取得をして温度が上がって、「あったかい」ってエアコンが思うから暖房しなくなりますよね。でも隣の部屋はまだ寒かったりすると困っちゃうじゃないですか。それからそのエアコンがちゃんと暖気を吹き出して部屋に暖気が届くように、エアコンの位置を決めてあげることも重要。日射取得して、エアコンに太陽光が当たっちゃったらエアコンは止まっちゃいますからね。

もっと言うと、基礎の作り方・エアコンの位置ってものすごく重要です。空気の流れと間取り・部屋の配置、暖めたい部屋の配置ってあるじゃないですか。失敗しやすいエアコンのパターンってエアコンのセンサーの問題もあるし、埋め方もあるんだけど、意外にそこにエアコンをつけちゃうとどうなのかな?っていうことがある。こっちを暖めたいのにエアコンは反対を向いて吹いていたらそっちに暖気は行かないよね。これすごく簡単だよね。でも意外にこんな感じでエアコンを設置する会社って多いらしいです。

屋根裏エアコンの設置方法は2つあります。天井裏を密閉してエアコンを設置すると、その部分が冷えてしまい、冷気が下がらず、結局屋根裏で結露します。これは当然のことです。エアコンはセンサーで温度を感知し、調整する空気を送り出すため、これをサイクルとして維持しないと機能しません。それを閉じられた空間に設置すると、その部分だけが急速に冷えてエアコンが停止します。冷気が屋根裏にたまるので、冷気が下がってこないという問題が生じて、屋根からの輻射熱で結露が発生してしまいます。

なので室内の空気を吸い込むように動かすことが重要です。一番いい方法は日射を活用することです。日射熱を利用してエアコンを助けて、湿度も下げていくことができます。最終的には空気が循環し、快適な環境が整います。もちろん、エアコンを騙すことで電気代がかかりますが、それは限りなく少なく、1000円程度です。

空調計画は、家によって異なる要因が多いということを知っておいていただければと思います。