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ホーム > ブログ > YouTube > ①庇を付ける理由は日射遮蔽でも無い②ガルバ屋根の裏にスポンジを貼るメリット③メーカーさんは大事な事は言わない④G3でも室温35℃は普通⑤GW500mmでも室温12℃
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 | 2025.12.05

①庇を付ける理由は日射遮蔽でも無い②ガルバ屋根の裏にスポンジを貼るメリット③メーカーさんは大事な事は言わない④G3でも室温35℃は普通⑤GW500mmでも室温12℃

https://youtu.be/K2tgGQNGKso

今回は、私が配信させていただいたYouTubeに対するコメントをご紹介します。

早速ですが、以下の動画に対していただきました。

◼︎①間違った屋根裏エアコンの使い方②湿度を下げる方法は3つある③エアコン1台が正しい訳でもない④性能さえ良ければ他は要らない?⑤夜の8時でも動いている現場
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/aircon_shitsudo_houhou/

「終の棲家も完成して半年になります。施工前からメルマガや動画を見て勉強させてもらい、参考にしていました。質問にも答えていただいてありがとうございました。初めての夏になりますが、予想より2階が暑いですね。6地域で関西です。家は南向き、庇は南側1階2階共に60cm出ていますので、日射遮蔽は90%はできている感じです。

西側は庇40cmで、壁は白系の16mmサイディング、通気、タイベックシルバー、ダイライト、アクアフォーム100mm、気密シートになります。屋根はシルバーグレーのガルバ縦葺き、タジマのニューライナー、野地板、通気、アクアフォーム250mmになります。西側の窓は、階段の明かり取りの45cm角のものだけです。

建築中に外壁屋さんが、“250mm吹いていたら涼しいですよ。”と言っていたので期待していましたが、8月気温35〜38℃で小屋裏は32〜33.5℃、部屋は30.5〜32℃ぐらいになります。ガルバの上に反射シートを貼りたいぐらいです。ガルバ横葺きには断熱材つきのがありますが、縦葺き用のスポンジを施工するべきでした。

小屋裏点検口は熱がこもると思い、2か所つけました。質問なのですが、屋根断熱の時は小屋裏は部屋と同じ扱いであれば、点検口に換気扇を吸気と排気を1か所ずつ設置して、部屋のクーラーを作動させたら空気が回り、小屋裏の温度も下がると思うのですが、結露も含め、何か問題はありますか?小屋裏の温度を下げる方法はあるのでしょうか?

西日が当たる3時半ぐらいから小屋裏の温度は上がりますね。ガルバ屋根の温度が65〜75℃ぐらいになると聞きましたが、250mm吹いていても32℃以上になるのですか?あと、ガルバ縦葺きは薄い鉄板なので、厚みのある屋根材より温度が直に伝わり、ルーフィングを傷めやすいと思ってしまいますが、実際はどうなんでしょうか?」

当社では庇を南側に90cm出すと、2階に掃き出し窓をつけても、真正面に来た時には全てカットできるという計算になっています。ただ、太陽の位置によって変わってしまうので、庇にはそんなに頼っていません。日射遮蔽に対しては、アウターシェードをした方がいいと思います。

日射というのは上から入るだけじゃなくて、反射することもあるので難しいです。庇はたしかにいいものですが、日射遮蔽というよりも、通気をするとか、外壁を冬に汚さないとか、傷めないという意味でつけるケースが多い感じはします。いずれにしても、庇はあった方がいいと思います。

ガルバの裏打ちにスポンジがあっても、ちゃんと断熱材を入れている家なら全く関係はありません。また、ガルバが放射冷却で濡れないようにするためのものなので、あれを断熱材という風に思ってはいけません。当社も断熱のためにやっているわけではなく、あくまでもガルバが冷えすぎて、表面結露を起こさないようにしているまでです。

あとは雹の問題もあります。群馬では一時期すごく雹が降って、音の問題とか、当たった時のガルバの損傷の問題があったので、当社ではやるようにしています。やる、やらないで室内環境が変わるということはないと思います。特に外壁には通気層というものがあるので、基本的に効果はありません。

どことは言いませんが、某ハウスメーカーさんが、ALC板という、サイディングに比べたらいくらか断熱性があるようなものを通気層の外に貼ると、断熱効果があるという風にホームページに書いています。私は、「そういうことを未だに書く奴がいるのか!」と思ってしまいます。建築的な常識でいうとゼロではないですが、それを過大に宣伝するのはおかしいです。大手ハウスメーカーさんは、こういうわけのわからないことを未だにやっているわけです。

一種換気もそうじゃないですか。ハウスメーカーさんは一種換気についてものすごくアピールしたり、つけたりしますが、そもそも一種換気が機能するためには、気密が高くなければいけません。他の隙間をなくして換気のところの隙間だけでやるから、効率が上がるわけじゃないですか。なので、隙間だらけの家に一種換気をつけて、そこで熱交換をしてクリーンエアを入れたとしても意味がありません。

ただ、換気メーカーさんは「それじゃあ効きませんよ!」とは言わないと思います。売れなくなる可能性があるからです。実際に換気メーカーさんの営業マンと雑談した時にも、「あれは全然効いていないよね?」と言ったら、「そうなんですけどね。うちらも商売なのでね。」と言っていました。意外にも住宅業界では、こういうことがまかり通っています。消費者の方の中でも、勉強している方はわかると思いますが、勉強していない方は「やっぱりすごいな。」とか「一種換気は夏涼しいんだ。」と思ってしまうはずです。

ちなみに一種換気をつけても、家は涼しくも暖かくもなりません。あくまでも、そういう効果をちょっと補助できるかなという感じだからです。私が乗っているスバルのXVのモーターみたいなものですかね。加速の時にアシストをくれるだけで、別に燃費はよくなりません。

この方は、建築中に外壁屋さんに「250mm吹いていたら涼しいですよ。」と言われたので、20℃ぐらいになるようなイメージをしていたのかもしれませんが、実際はそんなに変わらなかったとおっしゃています。ただ、これは普通のことです。当社のG3の付加断熱をした家でも、夏に何の空調もしないまま外気温が38℃ぐらいになったら、家の中はすぐに35℃ぐらいになってしまいます。空気がそもそも暑いので、いくら断熱材を使っても空気温度以下にはなりません。断熱材は空気を冷やしてはくれません。

仮に窓がない高気密の家でも、空気は入るじゃないですか。真空にはなりません。おそらく室内の空気は、33℃ぐらいになると思います。逆に言うと、エアコンをかけていないのに空気の温度が33℃だったら、高性能かもしれませんよね。

そこでこの方が「どうしても涼しくしたいから、点検口を天井につけて空気の流通をしたらどうか。」と言っているわけですが、多分難しいです。冷たい空気はすごく重いので、どんどん下に下がります。それをファンで上昇させて、天井の中で回すとなったら、とんでもなく強烈なファンで吸い込まないといけなくなります。だから冷房に関する空調システムは、基本的には高いところから下に落として、どうしても上げたい場合は、とんでもなく太い配管で思いきり押し込むような感じにしないといけないといけません。

モデルハウスやオープンハウスに来た方はわかると思いますが、当社の屋根裏エアコンは、絵のように冷やした空気を落下させています。そうすることで、吹き出す温度よりも暖まります。また、下で生活している人は多いと思うので、内部発熱が多くなります。それをエアコンがリターンで吸って、何となく温度差がなくなるというのが屋根裏エアコンのシステムです。

いくら断熱材を入れても、どんな高性能住宅であっても、断熱材だけで空気の温度が下がることは絶対にありません。あとは、冷たい空気を持っていくことはできなくないですが、かなり至難の技だと思います。でも、実際にはそういう空調システムもあります。ランニングコストを下げたいがためにすごいファンを使ってガーッとやるので、どうしても音がしてしまったり、ファンもぶっ壊れてしまったりすると思います。

たしかに計算上は、ファンが使う電気量は少ないので省燃費になります。ただ、住んでいて快適かどうかというのは、また違う話になってきます。そういう空調システムもあるし、それを過大に宣伝する工務店さんもありますが、どうなのかなと思ってしまいます。

いずれにしても、高性能にして断熱材をいっぱい入れたからといって、それだけで空気が冷えるとか、暖まるということはないです。あくまでも空調機というものを使う必要があります。パッシブ設計の基本で、日射取得を使う方法もあれば、超高性能住宅だったら、内部発熱で暖めるという方法もあります。ただ、誰も住んでいなければ当然寒いです。

私も昔「高性能住宅はすごく暖かいんだろうな。」と勘違いしていたことがありました。ただ、ちょっと寒い方の地域で、冬はどんより空で、日射取得も全然できないような状態の家に見学に行った時に、その相手先が空調器具のスイッチを入れ忘れていて、すごく寒かったということがありました。でも、それは当然ですよね。外気温が既にマイナスになっているんだから、断熱材を40cm入れても、家の中がホカホカになんてなるわけがありません。

断熱とは何なのか、断熱とはそもそもどういう意味なのか、遮熱とはそもそも何なのかということについては、過去にメルマガでガッチリと解説をしました。また、遮熱について勘違いしている消費者の方や実務者の方もいますし、遮熱が効くケースもあれば効かないケースもあります。断熱は遮熱とは何が違うのかについても、2回にわたって解説したはずですので、ああいうのを読んでいただければ騙されないんじゃないかなという感じがします。そういうのに興味がある方は、メルマガ等を読んでいただければ、より面白おかしく学べると思います。