https://youtu.be/8KPckLKWiz0
今回は、私の配信させていただいているメルマガ、X、Facebookを読まれた方からのコメントをご紹介します。
1つ目のコメントです。
「別発注は恐ろしいですよね。自分は外構の希望を出したらうちではできない、別途外注してもらった方がいいと言われましたが、別途外注すると嫌なことが起こりそうな気がしたのでできる範囲でやってもらいました。」
何度も言っていますが、別途工事はあくまでもお客さんの責任なので、十分に選定をした方がいいと思います。別途工事をやる理由としては、大きく2つあるはずです。1つは、そもそも建築屋さんが取り扱っていないからです。特殊なものや仕入れられないものは、お客さんの方で別発注してもらうというのは、仕方がないことですよね。また、「私は素人でわからないから、お金は払うので、業者さんと打ち合わせをしてくれませんか?」ということもあると思います。
ただ、別途工事をやるもう1つの理由として、安いからというのもあると思います。建築屋さんを絡ませるとお金を上乗せされちゃうから、ダイレクトにやるというルートもあります。建築屋さんでもやっているけど、別途工事にした方がコストが下がるので、お客さんは得をするわけですよね。なので当然、それに対してお客さん自身は責任を持つ必要があると思います。
建築屋さんに頼んで、お金を払って管理してもらうという方法もあるし、建築屋さんのルートで何とかやってもらうという方法もありますが、安いからといって別途工事を選んでしまうことは本当に怖いと思います。当社のお客さんのケースはそうではありませんが、こういうことも起こり得るわけです。
nobandさんは、外構工事を住宅屋さんに頼もうとしたら「そういうのは別でやってください。」と言われたみたいですが、怖いのでできるところまでやってもらったそうです。満点ではないですが、失敗するよりはいいですよね。これも1つの回避策だと思います。
以前、海外製のいい食洗機をつけたいというお客さんがいました。某ホームセンターさんが海外製の食洗機の代理店をやっていたので、相談に行ったら「設置できますよ。」と言われたそうです。当社の方で取り付けるスペースを用意して、給排水と電気を持ってくれば、あとは機械を押し込んで、設備屋さんと電気屋さんが繋ぐだけで作動するので、いいんじゃないかということだったんですが、最後の最後になって、ホームセンターさんに断られました。
理由は定かじゃないですが、そのホームセンターさんは面倒臭いことをやりたくなかったんだと思います。既製品のキッチンについている食洗機をズボッと抜いて、新たな食洗機を設置するぐらいの工事ならいいけど、造作キッチンみたいなところに持ってきて、隙間をパッキンか何かで埋めるような、細かいことはやりたくないんでしょうね。
そのお客さんは「造作キッチンにこういうのを入れられますか?」と相談していたわけだから、ホームセンターさんはどういう工事か薄々わかっていたんじゃないかと思います。ただ、そんなことをやっても割に合わないと思ったんでしょうね。職人さんの手間もかかるし、1日で何件も回らなくちゃいけないから、そういう仕事は受けたくないのかもしれません。そこまでホームセンターさんに要望するべきじゃなかったのかなという感じもしますが、それだったら最初からできないと言ってくれればいいのにと思ってしまいました。
別途工事をするにあたっては、綿密に打ち合わせをして、ちゃんと図面を見せておかないといけないと思います。口頭だけの確認は、ちょっと怖いです。文面を貰うとか、ちゃんと現場を見てもらうとかするべきです。あくまでもそのお客さんは悪くありませんが、別途工事にしてコストを削減しましょうとセールスしてくる人もいるらしいので、気をつけた方がいいと思います。
2つ目のコメントです。
「元大工社長の致命的なところは知識のアップデート機会が殆どない方が多い(全てではない)ですね。根拠なく善悪判断しがち。エアコン全室1台ずつつけられそうになったことあります。」
他の動画でも言いましたが、元大工社長さんにはそういうことが多いかなと思います。実際に、元大工社長さんが経営する会社の家なのに、横胴縁が全部繋がっていたということもありました。でもホームページを見ると、技術のことをバッチリ書いてあるわけです。木の癖はいいから、胴縁の癖を見てくださいという感じがしてしまいます。
3つ目のコメントです。
「お世話になります。家を建てることって自己満足だと思ってます。だからいろんな正義があるのだと。ただ、自己満足って満たされた後って無であったり、別の視点、見てなかった視点において不満足なところが出てきたりしますね。個人的には自分の視界に元々ない提案をできる工務店を選ぶことが長期的な満足度を高めるポイントだと思います。
その点において、家の性能といった提案力と乖離したポイントって、案外満足度に繋がりにくいと家を建ててみて感じます。寒くないなー、暑くないなーで終わりですからね。」
家づくりというのは、ほとんどの方が初めてするものなので、どうしても自己満足や自己実現みたいなところに行きがちになりますが、一時の感情が入りすぎてしまうのはよくないと思います。家は長きにわたって住むものじゃないですか。それでもやっぱり、若い時と40代の体力とでは変わってくるので、なかなか厳しい感じもします。
私はよくお客さんに、「昔は30年で死んじゃったからね。」と、ふざけて言っています。昔の家は30年で建て替えをしていたじゃないですか。でもそれは、日本の家が30年しか持たなかったからというよりも、30年経つとみんな死んじゃっていたからなんです。今は家を建てて30年で死ぬということは、なかなかありません。仮に家がボロボロになっても、自分は死にません。そう考えると、物事をもう少し広く見ることが大事になってくると思います。プロを活用して意見を聞いていかないと、もったいないかなという感じもします。
私もアドバイスをさせていただく中で、すんなりと意見を聞いていただけるお客さんもいれば、そうじゃない方もいると感じます。インスタグラムやネットの情報を、どうしても優先されてしまう方がいるわけです。私というプロの意見よりもそういった情報を優先されてしまうのは、決して悪いわけではありません。その人の自己満足や自己実現だからいいんだけど、それはどうなのかなと思うところも正直あります。
プロにもいろんなプロがいますが、意見を聞いた上で視野を広げて、長い目で見てベストなものを選定していくのが、一番いいんじゃないかと思います。間取りというのは本当にそうするべきだと思います。間取りというのはどうにもなっちゃうものですが、最終的にはどんな生活をしたいかと考えると、ものすごくシンプルになります。
設計士さんが作る間取りで、すごく段差のある間取りというのがあるじゃないですか。あの間取りはたしかにカッコいいです。私もそういう家の見学会に行ったことがあるし、面白いとは思います。ただ、50〜60代になって、家の中で毎回段差を下がりながら移動するのは、なかなか厳しいですよね。20〜30代の時とか、お子さんが小さい時だったらいいかもしれませんが、人生は後半の方が長いわけです。それを考えると、変化のある床の構成はきついなと思います。
でも、そういうのはインパクトもあるし、あまりやらないから新鮮味もありますよね。旅館かどこかで「この間取りは面白いな。」と楽しむ分にはいいですが、毎日住むとなったら勘弁してほしいです。同じ説明をしてもすんなりと入ってくる人もいれば、入ってこない人もいるわけなので、その人の受け取り方や視野の広さというのは重要だと思います。
4つ目のコメントです。
「今、●●●●が雨ざらし現場で床下にカビが生えたって話で問題になってますね。ノボパンに吹付って壁構成なので尚更大変。」
ノボパンというの木質系のチップを固めたパネルです。強度が高く、壁倍率も高いので、ノボパンを使うと広い空間が作りやすいんですが、透湿抵抗が高くなってくるので、湿気は動きにくくなります。なのでノボパンを使う場合は、室内側の防湿をガッチリとする必要があります。
ノボパンを使ってもいい家もあれば、使わない方がいいんじゃないかという家もあります。性能がそんなに高くない家で、室内側に気密シートを貼らないでノボパンを貼るのは、ちょっと危険かなという感じがします。性能が低い家でノボパンを使うんだったら、より防湿対策をしていかないといけないと思います。
ただ、世の中は上手くできていないもので、ノボパンはコストが安いわけです。なので、そういうところにあまりコストをかけたくないという会社さんは、ノボパンを使う傾向が高いです。高性能な家でノボパンを使うのはいいですが、そういう家じゃないのにノボパンを使って、防湿もしない会社さんというのは、見えないところにかける金をケチる傾向があります。そういう会社に限って、気密、通気、断熱というものをあまりよくわかっていないので、ちょっと怖いなと思います。
また、ノボパンは水に強いですが、ずっと雨晒しにしていいというわけではありません。結局は木のチップなので、ノボパンを貼ってサッシをつけたら、なるべく早く透湿防水シートを貼って、不用意に濡らさないようにする必要があります。いくら水に強いといっても、限度はあります。だから基本的には、透湿防水シートを貼って水に濡らさないようにしなければいけませんが、ローコスト系の会社さんは、そういうところはあまりやりません。
使う材料によって長所も短所もあるので、そこをわかってやっていかないといけないと思います。耐震性能が上がるからいいものだとか、水に強くコストも安くていいものだと思うかもしれませんが、世の中はそんなに簡単ではありません。これを勘違いすると、床下にカビが生えてしまうわけです。
ちなみにこの会社さんについては、ちょっと何だかなと思うことがあります。全国的にかなり売れている会社さんですが、この前現場で、夜の8時半頃に投光器をつけて職人さんが穴を掘っているのを見ました。そんな会社はまだまだありますので、くれぐれもお気をつけください。