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ホーム > ブログ > YouTube > ①既存住宅を完璧に改修するのが難しい理由②室内の隅々まで暖かくする必要はない③第三者機関の検査レベルはどうか④シャブコンを使わないのは綺麗ごとなのか
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 | 2024.07.10

①既存住宅を完璧に改修するのが難しい理由②室内の隅々まで暖かくする必要はない③第三者機関の検査レベルはどうか④シャブコンを使わないのは綺麗ごとなのか

今回は質問コーナーです。まずは以下のコメントです。

「我が家は2戸1の連棟です。瓦屋根も切り離しです。この度隣が解体することになり、接合部を防水シートをはり、金属サイディング(アイビー工業の伸癖)を張るといわれてます。築年数が80年以上で土壁になります。

動画をみて、防水シートとは透湿防水シートのことなのか?そもそも内壁を外壁にするのに防水シートと金属サイディングで大丈夫なのか?最低でも構造合板+透湿防水シート+金属サイディングではと思います。家の外壁はモルタルと浪板の部分があります。施工する側が構造合板を貼るとほかとのバランスがわるい、みたいにいわれます。どのように施工してもらえば良いのか教えて下さい。」

既存建物の断熱・改修についてはたまに質問をいただくことがありますが、古い家の場合が多いです。古い家は納め方がバラバラなので、よくわからないというのが正直なところです。一方新しい家は、施工方法が体系化されています。

私のお爺さんも大工でしたが、「そこに合わせて上手く納めるのが職人技だ」みたいな風潮もあり、言ってしまえば適当でした。そういう家を改修するのは、現状を見ながら「こういう風にしかやりようがない」という状況になってしまうので、言葉にするのがすごく難しいです。今回の方も、状況がわからないからお許しくださいという感じです。

例えば、家を半分に切って片方をなくすとします。この時、切った面の壁に水が侵入しないようにするために、透湿防水シートを貼って外壁を守ります。また、それまで内壁だった壁は外壁と違って弱いものなので、補強も必要です。筋交いを入れるのもいいけど、構造用合板を張る方がシンプルでラクです。ただ、そうすると家全体のバランスがどうなるかわからないので、下地として構造用合板を張った方が、雨仕舞い的にもいいんじゃないか、となります。バランスは、残った家の間取り・基礎などを構造計算しないとわからないし、場合によっては成り立たないこともあります。バランスはさておき、雨風をしのいでちゃんと防水するためには、構造用合板やベニアを貼るなどした方がいいです。

屋根については、複雑な形状をしているからただ切って貼るだけではダメです。どうしたら水が漏れないかというのは、実物を見て、現場合わせでやっています。

下田島モデルハウスも今改修工事をしていますが、屋根はいじらずに外壁をいじるだけなので、すごくシンプルです。外壁を剥がす前に換気扇フード・インターホン・防犯カメラなどを全部取って配線だけを出しておいて、外壁と中の胴縁を剥がすと、透湿防水シートだけの状態になります。今回は付加断熱だから、透湿防水シートは機能しないので放っておいて、その上に付加断熱をしてウルトさんの製品を貼って、胴縁をやって、杉板のファサードラタンをやって、防犯カメラ・インターホン・フードを戻していく流れなので、そんなに難しくはないです。

今回の場合は、屋根が絡んでくると厄介だと思います。なかなか上手く解説できませんが、本当に現場合わせなので、現場でできる職人さんを上手く活用した方がいいと思います。

他にも似た質問があったんですが、文章を読んでも、私の中でどんな状態なのかが想像できないんです。答えるならしっかりと答えたいし、安直に答えるのは失礼だと思うので、考え中です。

次のコメントです。

「床下エアコンの暖気で基礎の隅々まで行き渡るんでしょうか?基礎下すべての空気が対流する程エアコンの風量がないような気がします。床を気密シートで気密して暖気の出口まで空気を押し込むとかで対応しているなど、何か対策があるのでしょうか?」

まず、隅々まで行き渡らせる必要はないと思います。人間がいない隅々の場所まで暖めてももったいないです。もっと言うと、人が寝る場所をそんなに暖かくしちゃうと、かえって寝にくい場合もあります。床下エアコン・屋根裏エアコンであっても、暖める場所・冷やす場所をちゃんと決めた中で熱を与えていくようにするのがベターだと思います。

また、建物の大きさにもよるんだけど、基礎断熱で密封して、床下エアコンの位置を決めて、吹き出した風が通りやすいように基礎を作れば、意外と風圧は行きます。それでも行かない場合には、保険として床下の一部にファンをつけ、ファンで強制的に奥まで持っていきます。あとは、吹き出し口の開閉を調整して、手前で噴射せずに奥の方まで行くようにするのも手です。

まとめると、隅々まで暖める必要はないということ、建物の形や床下エアコンの位置などにもよるけど、意外に遠くまで風圧が行くということ、吹き出し口の開閉によってある程度調整も可能だし、それでも上手くいかない場合はファンを床下に設置する方法もあるということです。

当社のお客さんでも、ご自身で床下にサーキュレーターをつけた方がいます。話を聞くと「不満足ではないんだけど、熱が弱いから自分でサーキュレーターをつけた」とのことでした。そういうことをやりたいお客さんの場合は、あらかじめ床下に2口コンセントを設置します。2階の床下にスイッチをつけて、そこで床下の電源を操作できるようにして、そこにサーキュレーターを差している感じです。後施工でもそんなに難しくないです。いずれにしても、100%を目指すというよりは、上手くやっていくという感じの方がいいかと思います。

次のコメントです。以下の動画に対してです。

▼①施工ミスの対応で住宅会社のレベルが解る②ガラス交換と気密の関係③上棟したら直ぐに窓を付ける理由④色々な浴室換気扇の活用方法⑤性能評価証明取得+許容応力度計算=完璧?⑥ホームインスペクションは信頼出来るのか?

①施工ミスの対応で住宅会社のレベルが解る②ガラス交換と気密の関係③上棟したら直ぐに窓を付ける理由④色々な浴室換気扇の活用方法⑤性能評価証明取得+許容応力度計算=完璧?⑥ホームインスペクションは信頼出来るのか?

「小暮先生もよく分かっていると思うのですが、現状の瑕疵保険や建設評価の検査を行っている検査員(下請けの設計事務所が多い)の方々が、構造計算書も読めない方がが殆どである為、そもそも構造計算書の根拠を基に構造図を読める実力が有りません。おおかたは釘の種類とピッチ、金物の確認、被りと配筋位しか見ません。それも検査合格を前提に見る様な感じですよね。彼等は人通口下部に地中梁がなくてもOKとしてしまいますし、瑕疵保険の施工要領通りにべた基礎の区画が出来ていないなんちゃってべた基礎でもOKとして処理してしまう人々です。

また設計段階でも現状許容応力度計算はおろか、品確法の耐震等級計算でさえ理解していない評価員が多く、スパン表が適用できない条件でも、設計者がスパン表適用と言ってるのだから、設計者責任として評価員・評価機関側としては通す。審査上の不足はない。責任は設計者にある。と言う意味不明な慣例がまかり通っている業界です。

真面目に家づくりをしている工務店が日の目を見ない業界です。無責任でもみんながやってるから問題なし。検査適当だけどみんながやってるから問題なし。とにかく人材が育っていない住宅業界です。設計も監督も審査期間も検査員も真面目な人は稼げない。日の目を見れない業界になってしまってます。」

このコメントは私の中ですごく残っています。かなり痛烈なことを書いていただいてますが、当たってるなと思うところもあります。

住宅会社さんの中には「JIOを入れてるから安心」とアピールする人がいるけど、それだけで安心というものではないです。JIOは保険機関として最低限の検査をするだけなので、自分で有償の第3者検査機関に頼むという方法があります。これも頼み方によって全く違って、低価格でそんなにやらないところもあれば、価格は高いけど隅々までやるところもあります。動画ではあまり言いすぎるのもよくないかと思って言わなかったことを、この方が書いてくれました。

国の規定がまず絶対にあって、これをクリアすれば別に違反ではないという前提があります。この基準がすごく低い基準になっているので、検査員の方はそれを元にするしかないです。

例えば、住宅会社さんのホームページのブログの写真を見ると「まだこの基礎を使ってるんだ」と思う会社もあります。直径1cmの鉄筋を餅網のように配置して、その鉄筋の間隔は30cmで、隙間がすごいんです。でもこれをずっとやってコンクリートを打てば「ベタ基礎」と言えるんです。

でもこれは違反じゃないんです。許容応力度計算をしたら完全にアウトなんですが、検査的にはOKになっちゃうし、人通口の下に補強筋を入れなくてもOKになっちゃうんです。仮に消費者の方が「これでいいんですか?」と聞いても、「これで国の基準をクリアしてますから」と言われたら言い返せないですよね。

許容応力度計算をすると「構造計算代で50万円かかって、それに基づいて基礎をやるともっと高くなるから、やっても意味はない」と言う会社さんもいるそうです。やる意味はあると思うけど、許容応力度計算をしても50万円なんてかからないと思います。当社もやっていますが、そこまではかかりません。

なかなかこの辺りは難しいです。さっき言ったような鉄筋でも国としてはOKだし、検査も通るし、JIOの保険も入れます。でも現実的に構造計算をしたら、これじゃ無理となってしまいます。最終的には消費者の方がどこまで求めるか、というところかもしれません。もっと言えば、個々の住宅会社さんが「うちはこういう考え方でやった方がいいと思っているので、この金額でやらせてもらってます」というのを、お客さんがいいと思うか、そんなに高いのは嫌だと思うか、お客さんがジャッジするものだとしか言いようがないです。

次のコメントです。

「昔基礎工事をやってましたけど、ジャブコンをやらないとポンプ車から生コンが詰まってしまう理由も少しあります。生コンが途切れて生コンの破断や仮枠の破裂も有りますからいちがいに言えません。」

シャブコンとは、コンクリートを流す時に水を加えて流しやすくするものです。隙間までスルッと入る感じでいいような気がするけど、水分が多いので、場合によっては強度低下を起こしたりするし、そもそも今はシャブコンをやってはいけないんです。流れにくいんだったら流れやすいように、バイブレーターをかけたり細かく打ったりするのが正規の方法です。

これに対して私が「ポンプにつまらない様に、最初にモルタルを流して滑りを良くするはずです。シャブコンにしないと詰まってしまうと言う事はないかと思います。」と返信したところ「それならば何で大手ハウスメーカーの基礎問題が有るんですか?綺麗事は要りませんよ」と返ってきました。大手ハウスメーカーさんがシャブコンをやっている、なんて話はしていないし、なんで話がそっちに行っちゃうのかな?と思いました。綺麗事は要りませんというのもよくわからないです。こういうことを綺麗事と捉えるのは、ちょっと違うと思います。

いずれにしても、どんな理由であれシャブコンをやることはダメです。そうならないように、細かくコンクリートを流したりしていくしかないです。そうしないと強度も担保できません。それに手間がかかって面倒臭いのであれば、きちんと手間賃として請求するべきだと思います。

この人も「安いお金でやらされて、さらにそんなことを言われたら困るから、余計なことを言うんじゃない」という気持ちがあるのなら、それはわかります。でもだからといって、シャブコンがいいというのは違うと思います。