https://youtu.be/dSo4Lw8rsP0
今回は、私の配信したYouTubeに対するコメントをご紹介します。
まずは、以下の動画に対するコメントです。
◼︎地盤保険が降りないケース
「木造2階建て住宅建築のために表面波探査法で“改良の必要なし”の判定が出た場合は安心してよいのでしょうか?小暮さんは表面波探査法で調査してもらったことはありますか?」
地盤保険については、あまり興味がない人が多いです。それよりも、断熱やUA値の方が大事だという人の方が多いはずです。ただ私は、地盤や構造というものは本当に大事なことだと思っています。
実はこのことについては、メルマガで詳しく説明をしました。住宅の地盤調査の方法は、大体2つに絞られます。1つはスウェーデン式サウンディング試験(SWS)、もう1つは表面波探査法です。
SWSというのは、鏃みたいなものに重りを載せて、回転させながら地中深くまで持っていって、どこで建物に刺さるのかを調べるものです。一方、表面波探査法というのは、振動を与えて跳ね返り具合を調べるものです。各々にメリットとデメリットがあるので、別にどっちの方法を使ってもいいと思います。それぞれの弱点をどういう風に考えて補うのか、どういう風に解析するのかというところが、最終的にはポイントなのかなという感じがします。
当社が調査を頼んでいる会社さんはスウェーディング法を使っていますが、それだけでは液状化判定ができないので、表面波探査法とミックスするという方法もあります。なおかつ、それを解析する方がどういう風に判定するのかということが重要だと思っています。
地盤保険会社をどこにするかによっても、判定の仕方が変わるらしいです。地盤保険会社の中には「事故率が多少上がっても、契約をたくさん取れれば別にいいじゃないか。」と考えるところもあれば、「事故はまずいから、数は減ってもしっかりと仕事をしたい。」と考えるところもあります。どう選ぶかは、依頼している住宅会社さんの考え方によります。
「保険会社だから安心だ。」というのはおかしな話です。あくまでも保険会社は民間ビジネスであって、国がやっているわけではありません。住宅会社においても、薄利多売で「多少通気しなくてもいいじゃないか。」という会社もあれば、「それはまずいでしょう。」という会社もあります。
結局は頼んだ住宅会社さんを介して調査会社さんが解析するので、選ぶ段階でその先も決まってしまいます。そんなことを言ったら「そうやって商売をしているのか!」と思われそうですが、そういうところも含めて工務店や住宅会社選びをするべきだと思います。
ハウスメーカーさんはよく「無料で地盤調査をします」と言いますよね。なぜそう言うのかというと、それを元にアポイントを取りたいからです。別にそういうことをするのは全く悪いとは思わないし、むしろ無料なんだからやってもらったらいいと思います。ハウスメーカーさんに無料で地盤調査をしてもらって、しっかりと調べてもらった資料を当社に持ってきていただけると、私としてもありがたいので、「上手く使いましょう。」と、ふざけて言う時もあります。決して推奨しているわけではないですが、そういうのもありかなと思います。
いずれにしても、ネットで検察すると「なぜ表面波探査がいいのか。」とか「スウェーディングの問題点はここだ。」と一生懸命言っている人も出てきますが、正直どっちもどっちです。木造と鉄骨の戦いみたいな感じで、お互いに言い合っているだけで、実際はコストなどのいろんな面で、各々にメリットもデメリットもあるわけです。
断熱でも何でもそうですが「こっちが最高でこっちがダメ。」とか「これが最強。」と声を大にして言う人に限って、実はそんなに詳しくないのが事実です。喋りが上手で、理路整然と動画が作ってあるとつい信じてしまいそうになりますが、本当のプロはそういうことは絶対に言いません。
西の巨匠は、高性能住宅などいろんなものを作ってきて、自分自身で得た経験を「俺はこうなんだよね。」とか「理屈ではこうなっているけどそうはならない。」と、率直に言ってくれます。ただ、世間一般で言われていることというのは、経験に基づいていることが少ないような気がします。偉い先生や有名な建築士の方が言っていたことや、大学の先生の本に書いてあったことを、代弁して言っているだけなんじゃないかと思います。
自分がやった結果「本当にこうだったんだよね。」と語れる人は、人の言葉を借りたりしません。でも、そっちの方が正解だと思います。また、どれを信じるかというのも、その人のセンスなのかなという感じがします。決して特定の人を馬鹿にするわけでもないし、工法を馬鹿にするわけでもないですが、経験をもとに自分の言葉で話すのが正論じゃないかなという風に思います。
次は、以下の動画に対するコメントです。
◼︎①UA値を下げない方がいい場合もある②当社と◯条工務店の違いは何か?③どんなに勉強しても解らない部分④部分断熱が難しい理由⑤4:1以降に建てる家は安全なのか?
①Ua値を下げない方が良い場合もある②当社と◯条工務店の違いは何か?③どんなに勉強しても解らない部分④部分断熱が難しい理由⑤4/1以降に建てる家は安全なのか?
「社長さんの“構造体をちゃんと頑強に設計、施工しているか”という件ですが、建築後はそんなに違いがわからないけど、築15〜20年以上経った時にご近所さんの家と見比べてみると、我が家がちゃんと施工されているのがわかることだと思います。あとは来客された方に“この家は新築されてそんなに経っていないですよね?”と言われるくらいに家の見た目の劣化が起き難いということだと思っています。」
UA値を下げない方がいい場合もあるというのは、私の実体験です。下げた方がいい場合もあれば、逆に下げない方がいい場合もあります。実務者の方は「そういうこともあるんですね。」とか「実際そうですよね。」と言ってくれます。これこそ、理屈ではないというところですよね。
以前メルマガで、新興住宅団地の動画を上げました。築25〜30年ぐらいの家が混在している団地で、地元工務店さんの家もあれば、ハウスメーカーさんの家もあります。また、当時は珍しいものだったと思いますが、木の外壁を張ったような家もあります。通勤時に通るたび「同じ年を重ねているのにこんなに変わるんだな。」というのを目の当たりにします。
その動画を見た方からも「こんなに変わるんですね。」とか「木の外壁のお家は素晴らしいですね。」という感想をいただきました。その当時からそういう家を作るということは、本当にそういう家が作りたかったんだと思うので、愛着があるんでしょうね。また、ちゃんとメンテナンスもされているんだと思います。だから余計に綺麗に見えるんでしょう。
愛着がない家は、プレハブ住宅みたいな量産的なものを建てているので、フローリングの床も色褪せて、ビニールクロスも焼けています。そういうものに対して、なかなか愛着は持てません。また、よっぽどのことがない限り、お金をかけて綺麗にしようとは思わないはずです。
「床が傾いてギシギシ言っていたり、雨漏りしたりしているから直すしかない。」というのと、「今ある木の状態を綺麗に保ちたいから、塗った方がいいんじゃないか。」というのとでは、お金のかけ方が全く変わってくると思います。家というのは30年ぐらい経つと変わってくるものですが、今の人は長生きするし、昔みたいに30年経ったら壊すという感じではないので、最初に作る家でその後は決まってしまいます。
そうは言っても、いいものにお金がかかるのは事実なので、ここは難しいところだと思います。「理屈はわかったけど、現実はこうじゃん!」というところもあるので、そこのバランスをどうやって取るかが重要です。これについては以前の動画でも解説をしましたので、参考になればと思います。