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 | 2023.12.20

①メーカーの施工要領書を守れば安心か?②透湿ルーフィングを使っているのに結露してしまう家③新住協に加盟していれば安心?④新型APW430を使うメリットとデメリット⑤地元同業者から相談が来た

今回は質問コーナーです。

「外壁はガルバリウムの縦張りで、胴縁は横胴縁になります。横胴縁は1本あたりの長さがL=1820mm以下で、胴縁間の隙間は30mmです。これでは、小暮さんが仰った通り、30mm程度の隙間では通気が難しいのかなと感じています。ただ、これは使用する外壁材のメーカーの施工要領に書いてある内容なので、メーカーが出している施工要領であれば問題ないと考えても良いのでしょうか?」

メーカーさんが書いてる施工要領書には、横胴縁の場合には30mmずつ開けてくださいと書いてあるのは事実です。それをやることによって、メーカーの施工要領書を守ってることにはなるけど、難しいのが、メーカーさんの施工要領書はその部分だけしか語ってないということです。つまり、外壁しか語ってない。仮に30mm開いていて、そこを空気が通って、最終的には軒の方に行って棟換気まで行かないと空気が流れない。でも外壁メーカーさんは当然屋根メーカーさんではないので、外壁のことだけしか言わない。これが一番難しいところです。外壁メーカーさんの言う通りにやれば、施工要領書に沿ってるということに違いはないから、それはOKと言えてしまう。ただその空気は最終的にどこをどう回ってどこから流せるのかというところまで考えないと完結にはならないので、そこまで含めて考えないとなかなか正しいとは言えません。

たしかメルマガで動画を見せましたけど、30mmずつ横胴縁を開けたとしても、窓回りとかは詰まりやすいし、貫通管という壁から換気扇のダクトの貫通部分とかもどん詰まりになりやすい。そういうところも含めて、外壁メーカーさんの施工要領書には書いてあるはずです。

そして、メーカーの施工要領書ということは、外壁材はガルバリウム鋼板じゃなくてガルバリウムサイディングだと思うんです。ガルバリウムサイディングとガルバリウム鋼板はちょっと違う。違うと言っても、別に今回の施工には関係なくて、耐久性が違うということです。窓回りとかダクトのパイプの抜け方が意外に重要だったりするので、そういうことは書いてあると思うんだけど、いずれにしても30mmずつ開けることはいいんだけど、空気が流れる道が最終的には一筆書きのようにならないといけない。屋根が切妻だった場合、シンプルですよね。しかし、寄棟の場合、抜けづらくなってきます。外壁メーカーさんは、外壁のことしか言えない。あくまでも外壁メーカーだから、屋根の心配までしてられないんです。メーカーさんは売っている部分のみのことを言っているから、間違っているわけではないけれど、気をつけた方がいいかもしれません。この辺りは、依頼している住宅会社さんにちゃんと確認することが大事です。

では次です。

「ガルバリウム鋼板の屋根に透湿ルーフィングを貼っても大丈夫なんですか?」というご質問です。

ガルバリウム鋼板を透湿ルーフィングにペタッと貼っちゃったら、抜けても出ようがないですよね。そうするとガルバリウム鋼板の上がずっと濡れている状態になって、ガルリウム鋼板の裏側は塗装してないから傷んでしまう。透湿ルーフィングを使うんだったら、ガルバリウム鋼板と野地板の間に隙間を空けて、なおかつ空間を作ってあげて、湿気が抜けていくような感じにする。屋根の先端から空気が入りながら抜けた湿気を上昇気流に沿わせて外に排出するような屋根にしないといけない。単純に透湿ルーフィングを使えば、野地板が濡れても大丈夫というわけではありません。

ちょっと考えれば当たり前の話なんだけど、住宅会社さんによっては残念ながらセールスのために使ってたりするから、理屈を考えずに使ってるような方も一定数いる気がするので、この辺はみなさん自身で調べていただいた方がいいです。そもそも透湿ルーフィングは一般的なルーフィングではないから、変わったことをやるんだったらちゃんと確認をする責任があるので、とにかく透湿ルーフィングがいいとか、透湿ルーフィングだと湿気が抜けるからということだけで終わりにしない方がいいです。

他の動画で言ったと思いますが、人間は自分勝手に都合よく考える癖があるから、変わったことをやりたいんだったら、その理屈をちゃんと聞くとか調べるということをしなくちゃいけない。もっと言うと、松尾先生のセミナーに出てるから間違いないと思うことも、自分勝手な解釈です。松尾先生のセミナーはお金を出せば出られるし、松尾先生のセミナーを聞いたからといって、俺の言ったことを絶対にやってるよなと永遠にチェックされるようなことはない。セミナーに参加したことは事実だけど、松尾先生の言ったことを素直に全部実践するかどうかは本人次第だし、松尾先生はそこまでの責任は持ちません。

新住協も全く同じで、新住協に入ってるからOKというわけではない。あくまでも新住協に入るのは自由だし、お金出せば入れるわけです。この辺りも意外に、消費者の方は当たり前のことだとは思うんだけど、なぜかそこだけで信用してしまったりする。セミナーに参加してるとか、リストを持ってるとか、それを1つのきっかけにするのはいいんだけど、そこからが重要なんです。

では次です。

「塗料を販売していますが、イソシアネートとは反応後は安全です。残留物質があったとしても空気中の水分と容易に反応してしまうのでそれほど問題ないと考えています。EUの規制に関してですが、 使用料が0.1重量%未満か使用者が安全に使用するための訓練を受けることを義務化したもので完全に禁止したわけではありません。」

私が前に配信した動画で、発泡ウレタンについてある方から、発泡ウレタンはEUで禁止されてたり、人体に被害が出て禁止されているはずなのに、なぜ日本では許されてるのでしょうか、大丈夫なんでしょうかという質問をいただいたことがありました。

私の答えは単純で、心配であれば使わない方がいい。別に発泡ウレタンを使わないと家ができないわけではないし、グラスウール・セルロースファイバーとかいろんなものがあるわけだから、そういうものを使っても性能は出ます。ちなみに私の自宅は発泡ウレタンを使いましたけど、今のところ家族全員健康ですということも言いました。私の経験では、発泡ウレタンを使ったからといって、そこに住んでる人が病気になったということは今のところはない。ただし100%そうとは限らない。人によっては悪い反応を起こしちゃう人もいるかもしれません。ただ塗料を販売してる方がそういうのは問題ないと言っているから、そういうことみたいです。家に関しての規制についても世間一般で言われてることとはまたちょっと違うみたいです。いずれにしても、そんなに害があるものは今の時代に売られてはいないと思います。

では次です。

「最近YKKAPからAPW430の「日射取得型ダブルLow-E トリプルガラス (クリア色)」 仕様というものが発表されましたが、 こちらについて小暮さんの感想をお聞かせ頂けますでしょうか。」

(APW)430のトリプルなのに、クリアで日射取得しやすい、熱損失を抑えながら日射取得を促進するからものとしてはいいです。ただ、価格が高いじゃないですか。それからトリプルはすごく重いので、掃き出し窓なんかに使うのは開閉が難しくなってきます。寒冷地であれば、熱損失を防ぎながら日射取得をするという面があるので、使うのはいいと思うんです。今はどっちかというと、寒冷地だと基本的にはトリプルガラスを使います。うちの場合はペアを使う場合もありますけど、日射取得ができなそうな場合はトリプルガラスを使って、徹底的に熱損失を減らします。その代わり日射取得をするよりも室内の床下エアコンで暖めることも選択肢に入れた方がいいです。

ただし、暖かい地域では、わざわざこれを使うメリットはそんなにない気がします。別に普通にペアを使って、日射取得して家の中を暖めて、夜になったらハニカムブラインドでガードするという方法もある。ハニカムブラインドが嫌だという人はカーテンをするのもいいと思いますが。大きい窓だと値段が高くなるし、重いのでどっちを取るかという問題になります。私は春・秋とか、気持ちのいい時は窓を開けて空気を通すという住まい方を提唱しています。

あとはうちには、日射取得やデザインの関係もあって、掃き出し窓を1階・2階ともにつけるので、私的にはAPW430の日射取得型ダブルLow-Eトリプルガラスを温暖地で使うという選択肢は今のところないです。価格もすごく高いですし、使ってくれと言われれば使いますけど、価値が高いし重いから、年を取った時に開けるのはかなりきついかなという感じです。ただ、レバーか何かがあってそれをつけて使うという方法もあるとは思います。そんな感じで、使うこと自体は全然悪くないけど、マイナス面もあるかなと思います。

あとはYKKさんについて余談だけど、うちがYKKさんからLIXILさんに今年になって変えたというのは、みなさんもご存知だと思います。その際にあった出来事をあんまり言っちゃうとまずいですが、敢えて言うと、APWについて、県内の工務店さんから相談されたんです。APWの搬入をしたら、こんな感じで曲がっちゃってて、メーカーさんに言ったんだけど、上手く取り合ってくれないとのことだったんですが、私的には完全にアウトでした。要は樹脂のところが曲がっちゃってて、俺だったら絶対に文句を言います。

販売量がどんどん増えて工場を増設してるのはいいんだけど、クオリティは下がってきたなという感じがしました。だからといってLIXILさんが今後どうなるかはわかりません。今のところLIXILさんの製品についてはクオリティはちゃんとしてるけど、LIXILさんも数を追うようになって工場をバンバン作っていって製造管理を誤るようになってYKKさんと同じようになる可能性もあります。

別にYKKさんの方はこの動画を見てないと思うけど、クオリティの悪さが昔に比べると出てきた感じがする。そういう写真なんかも私は見てるし、当社に納入されたものに対して文句を言ったこともあったりしたから、YKKさんからLIXILさんに変えたということが事実としてある。YKKさんは販売数を多くするのはいいんだけど、その一方で、天下のYKKですから、ちゃんとした製造管理をしていただきたいですね。私なんかが偉そうに言うことではないですが。