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 | 2025.08.05

①西の巨匠の正体②外部からの視線を排除する家③凝り過ぎた外構計画の末路④屋根をガルバにする必要はない理由⑤元大工社長さんが作るハチマキみたいな通気胴縁

今回は、私が配信したYouTubeに対していただいたコメントをご紹介します。

1つ目のコメントです。以下の動画に対していただきました。

◼︎①羽子板ボルトに発砲ウレタンを吹く理由は何か?②知識と感情と違和感の違い③サッシ下の胴縁が気になる④過剰な家づくりが多くなっているかも
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/hagoita_bolt_riyu/

「私は広島県在住でこれから新築検討中です。度々お話に出てくる西の巨匠がとても気になっているのですが、差し支えなければ工務店名を教えていただきたいです。」

率直に言いますと、西の巨匠は新築住宅の請負はほぼしていません。70歳を超えたおじいちゃんなので、これまでに建てたお客さんの家のメンテナンスをしたり、昔から知っている方に設計だけやってあげたりしているみたいです。付き合いがない方から依頼を受けて新築住宅を建てるということは、今はやっていないはずです。

私も70歳を過ぎたら、若い方の新築住宅を請け負うということはしないと思います。アドバイスをしてあげるとか、設計をしてあげるくらいならいいですが、施工も含めて全部やるのはパワーが必要だし、作る責任というものもあるので、なかなか難しいんじゃないかと思います。

先日メルマガにも書きましたが、広島住宅研究会という、広島で高性能な家を建てたいと思っている工務店さんが集まって、勉強をする会があります。私もそこに呼ばれて講師をさせていただいて、群馬の家づくりについてだとか、拙い経験についてお伝えしました。そこに集まってくる方の中には、西の巨匠の後を継ぐ感じでいろいろ勉強されている方や、西の巨匠からお客さんを紹介されて手伝っている方もいらっしゃいます。ご興味があれば、そういう方に問い合わせをしてみるのもいいかと思います。

私はあまり工務店さんの紹介はしません。姫路であれば「森下さんの会社は変な仕事はしないよ。」とは言いますが、やっぱり紹介するには責任が伴うし、その会社に携わっている人のことをちゃんとわかっている必要があるので、なかなか難しい感じがします。

宣伝ではありませんが、西の巨匠と一緒に広島住宅研究会で勉強されている、On設計事務所の長田さんという方がいます。私も長田さんのことはよく知っていて、Facebookのメッセージでやり取りもするし、当社に見学に来られたこともあります。当社が使っている珪藻土を紹介させていただいたこともありました。

長田さんは、いろんなメーカーさんの透湿防水シートを取り寄せて透湿性を実験したり、軒ゼロ住宅は本当に通気しないのかということを客観的に調べてみたりしている方です。ものすごく面白くて研究熱心な方なので、もし広島の方で高性能住宅を建てたいという方がいらっしゃったら、私がオススメできるのはこの方かなという感じがします。また、お客さんに寄り添ってくれる柔らかい雰囲気を持ちながら、「それはよくないですよ!」と、はっきり言ってくれるし、施工も管理もしてくれる方なので、ぜひ訪ねてみてください。

2つ目のコメントです。先ほどと同じ動画に対していただきました。

「実家や独身寮で西日の暑さを経験したため、西側には窓をつけない予定でしたが、購入した土地の西側に公園があり、その緑を眺められることに間取りソフトの3Dデモで気づき、予定を変更して結構大きな窓を設置しました。(気づけたのは間取りソフトへの公園の緑の書き込み。木の高さはグーグルアースプロで把握。)暑さへの対策は、トリプルガラスとハニカムブラインド、外で遮熱する目的でシャッターを設け、効果的に機能していますが、一番の収穫は公園の木々の緑を居ながらにして眺められ、季節の移ろいを感じたり、木々の揺れから風を感じられることです。庭の植栽も含め、家の中で自然を感じられることの重要性を非常に強く感じます。」

他の動画でも話しましたが、北側に中庭を作るのは、別に悪いことではないんじゃないかと思います。ただ、どうしてもマイナス面は出てくるので、そこをどうやってガードするかとか、それをどうやって補うかという風に考えられるのであれば、ありだと思います。

南側に高い建物が建っていて見えないから、北側を有効利用しようというのは悪くありませんが、南側に高い建物も建っていないし、ちゃんと敷地もあるのに、家を思いきり南側に寄せて北側に中庭を作るケースは多いです。作ってから何もしないとなると、他の問題が起きそうな感じもします。

自宅の近所にも、「この家はどうなのかな?」と思う家があります。1つは、外部からの視線を全て遮っている家です。防犯目的もあるのかもしれませんが、天井付近にFIX窓がついているだけのようです。プライバシーが保たれるのはいいと思いますが、外の風景は一切見えないし、光の入り方も限定されますよね。

若ければこういうのも面白いと思いますが、年を取っても閉鎖的な空間にいるのはよくない気がします。「俺はそういうところが好きなんだ。」という人もいるかもしれませんが、年を取った時に、季節や空気感、地域との繋がりを感じないというのは、どうなんだろうと思ってしまいます。

似たような家がもう1軒あります。すごく高いコンクリートブロックで囲われている家です。ブロックの高さは、1階から2階の高さぐらいまではあるんじゃないかと思います。そんなにブロックを積んで、危なくないのかなと思ってしまいます。そういうのも、プライバシー空間ができるという意味ではいいのかもしれませんが、田舎に建っているとどうしても違和感があります。

やっぱり人間は、自然を感じることは大事だと思います。年を取れば取るほどそういう風に感じます。なので、ハニカムブラインドを締め切ったままひっそりとして、網戸もつけていない家はどうかと思います。建てちゃいけないわけではありませんが、「そういう考え方もあるんだよ。」ということを頭に入れながら、最終的に「私はこういうのがいい!」という風に決めた方がいいと思います。勢いで作ってしまうと、あとから大変なことになります。

年配の方の家の建て替え依頼を受けた際、家を見に行くと、大体は植木がいっぱい埋まっています。そして「これは残すんですか?」と聞くと「全部切ってください。」と言われます。昔は自分で松を買ってきたり、垣根がどうだと言ったりして楽しんでいたようですが、年を取ると、毎年剪定するのは大変だし、こんなものに時間を潰されたくないと思うようです。なので外構計画はシンプルにして、芝生は自分で切るというぐらいがちょうどいいのではないかと思います。

雑誌に出てくるようなものは、よっぽどのことがなければ上手くいかないので、やらない方がいいと思います。カッコいいのはわかりますが、そういうのも大事なんじゃないかなという感じがします。

3つ目のコメントです。以下の動画に対していただきました。

◼︎①30坪4000万円もするのに・・・②ハウスメーカーが無垢床を使いたくない理由③30年耐久の本当の意味④15年で350万円の延長保証費用
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/30tsubo_4000_manyen/

「スレートを使っている工務店さんに自宅の屋根素材を見られた際に、“ガルバなんかにする必要はないんだ”と理由もなく言われました。特に理由がなかったので、“太陽光を載せるのに屋根に穴を開けたくなかったんです。キャッチクランプで固定したかったんです。”とお伝えしました。」

意外にこういうことは、職人さんが勝手な思いから言うことが多いです。別に客観的な理由があるわけでもないし、確固たる信念があるわけでもありません。でも消費者の方は、「プロの方が言うんだから、何かあるのかな?」と思ってしまうわけです。

「無垢はダメなんですよ!」と言う人も同じです。何で腐るのかということはよくわかっていないけど、それが普通のことのように言っているという感じです。でもこういうことは、住宅業界に限らずどんな業界でもあると思います。

それに対して「コメントありがとうございます。おそらくですが、その工務店さんは特に意味もなく、いつも言っていることを話しているのだと思います。しかし聞く側からすれば、プロからの意見ですので、何かあるのかな?と考えてしまうはずです。」と返信しました。

また、それに対して「そんなことを言っている割には、アスファルトルーフィングは緑色の一番安いものを使っているし、性能持続性などを全く考えていない家を作っていると思います。また、築3年目で北面が黒ずんでいる家を建てていたり、空調計画もなく、エアコンがたくさんついている家を建てています。」という風にいただきました。

要は、何も気になっていないわけです。何となくその人は、空気を吸うとか、飯を食うみたいな勢いで言っていますが、特に何も考えていないということなんでしょうね。でも、こういう人は今でもいます。青空の中でグラスウールが日に照らされている現場もあるし、外壁に透湿防水シートじゃなくて防水シートが貼ってある家もあります。

縦張りサイディングで、横胴縁を全く隙間がなく、ハチマキのように巻いている家も見たことがあります。でも、その家を建てた住宅会社の社長さんは元大工で、腕には自信があるとのことでした。おそらくその住宅会社さんに頼んだお客さんは、社長さんが元大工だから、家づくりに詳しいだろうと思って決めたんだと思いますが、実際にその家を見る限りでは、家に詳しそうな感じはしませんでした。そういうことは本当に多いので、私は元◯◯というのは好きにはなれない感じがします。