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 | 2019.10.22

全館空調のリスクヘッジを考える

今回は全館空調について
解説をさせていただきます。

最近、全館空調が
流行ってきたと感じています。

先日も我々が読む業界誌で
全館空調の特集が組まれ、
世の中に販売されている全館空調が
紹介されていました。

高い物だと200万円ぐらいするし、
安い物は40万円ぐらいでできる
という感じでものすごく幅があります。

当然、安い物と高い物で
メリット・デメリットがあるので
一概にどれが良い悪いとは言えませんが、
高い物は本当に高いという印象でした。

逆に言うと、
そんなに費用をかけなくても
こうすれば安くできるんじゃないの?
と思うところもありましたが。

まぁそれはさておき全館空調は
これから流行ってくると思いますが、
なるべく機械に頼らない方が
私は良いと思っています。

機械をいっぱい付けて
その機械のパワーで家中を
涼しくしたり暖かくしたりするより、
なるべく家の基本性能を高めた上で
最小限の機械を付けるという方が
良いと考えます。

その方が地球環境にも良いし、
ランニングコストや
機械のメンテナンスコスト、
交換コストもかからないからです。

ただそうはいってもやっぱり
リスクヘッジは考えるべきです。

当社の場合は
小屋裏エアコンというのと
床下エアコンという2台のエアコンで
全館空調を行っています。

夏は小屋裏エアコンで屋根裏を冷やし、
その冷気を下に落とすことによって
家中を涼しくします。

冷たい空気は重いですから、
下に下がるという特性を生かして
家の一番高い所にエアコンを付けて
上から冷やしていくという理屈です。

あと一般的には
2階で寝る方が多いですし、
夜は2階の方が暑いです。

なので寝る時に2階が暑くならずに
寝やすいというのもあります。

1階のエアコンは
主に暖房用に使うエアコンです。

暖かい空気は軽いので上に上がります。
なので家の中の一番低い所に設置をして
暖かい空気を自然に上げてあげるという
理屈で全館空調をやっています。

あと最近出てきた全館空調の方法に
「階間エアコン」というものがあります。

1階と2階の間にエアコンを埋めこんで、
1階の天井や2階の床から噴射して
1台のエアコンで家中を空調する
という方法です。

あと別の方法として
小屋裏エアコンを付けるのですが、
そこにダクティングをして
吹いてあげるというやり方もあります。

1台のエアコンで
冷房の時は屋根裏から吹いて、
暖房の時はダクトを通して下から
吹き上げるという方法です。

当社の方法は冷房用と暖房用で2台使う。
その他の方法は冷房も暖房も1台なので、
メンテナンスコストが抑えられます。
エアコンが1台ですからね。

では1台の方が効率的で良いのか
ということですが、私は正直1台って
ちょっと不安があるんですね。

なぜかと言うと、
例えばこのエアコンが何らかの理由で
ダウンした時に、全くバックアップが無い
というのが考えられるからです。

仮にこれが寒い地域だとしたら、
もしエアコンが壊れたとしても
極端な話、寒さ対策が取れます。

家の断熱がしっかりとしていれば
着込むという方法もありますし、
電気ストーブやファンヒーターのような
代替手段がすぐ見つかります。
ホームセンターに行けばすぐ買えますしね。

ただ暑さはなかなか代替手段がないんです。
冷房は基本的にエアコンしかないんですね。

扇風機も当てれば涼しくなりますが、
真夏の暑い時に回しても
全く涼しくなりません。

しかもずっと扇風機の風が
当たっていると体にも悪いです。

なので冷房に関して言うと、
エアコンしかないんですよね。

皆さんが家を建てる場所が
寒い地域だとしたら、エアコンが
壊れたとしても他の代替え手段が
見つかるのでなんとかなるでしょう。

ただ群馬県の太田市は
夏のものすごく暑い時にもし
エアコンがダウンしてしまったら
バックアップがないのでものすごく怖いです。

そういうことを考えると、
当社が採用している2台のエアコンのうち、
仮に小屋裏エアコンが壊れたとしても
床下エアコンの冷房が使えます。

冷気はなかなか上がりませんが、
1階はちゃんと冷えます。

仮に小屋裏エアコンがダメになったら、
その時は1階で寝ていただいて、
その間に修理をすることができます。

なので効率よく全館空調する
というのも良いですが、
あまりにも効率を重視し過ぎると
何か起こった時に怖いと感じます。

皆さんもぜひこういうことを考えながら
家づくりを行っていただければと思います。