今回は、私のメルマガにいただいた感想をご紹介します。
「小暮社長様、いつも有意義なメルマガをありがとうございます。今回も社長のコメントは正直すぎて感心いたしました。コロニアル屋根ですね。マンションの4階に暮らしておりますが、南側ベランダからは秋の紅葉シーズンの様な景色が広がっています(笑)。原色をとどめている屋根は皆無といって良いくらいです。」
コロニアル屋根が劣化して、秋の紅葉みたいに茶色くなっているということですね。いいセンスをしていると思います。たしかにコロニアルというのはそういう感じです。
このメルマガを読まれた方はわかると思いますが、当社に家づくりの相談に来られた方が、某大手ハウスメーカーのSさんに相談に行ったところ、「30坪の平屋で4000万円」と言われたそうです。また、その金額に外構工事などは含まれていなかったので、「そんなにするの?」とびっくりしたそうです。ただ、大手さんというブランドがあるというのは事実です。
さらにびっくりするのが、屋根がコロニアルで、外壁がサイディングで、窓がアルミ樹脂で、西でも北でも大きな窓がついているということです。これは結露するだろうなという感じがしますよね。もっと言うと、オプションで床を無垢にできるようなんですが、それは無垢ではなく突板だったそうです。
私のYouTubeを見ている人はわかると思いますが、無垢の床というのは横から見ても無垢であるのに対し、無垢っぽい突板というのは、ベニヤ板の上に無垢の薄い板が貼ってあるものです。また、貼ってある厚さによって値段も変わります。
ハウスメーカーさんは基本的に無垢は使わず、突板の方がいいと言います。なぜかというと、突板の方が貼りやすいからです。無垢は貼るのにコツがいります。無垢は暴れにくい、杉は暴れやすい、パインはさらに暴れやすい、ヒノキはちょっと暴れにくいという風にそれぞれ特徴があるので、貼りやすさも異なります。ちなみに当社が使っているホワイトバーチやアカシアは暴れにくいので、貼りやすいです。
大工さんは、今回は杉、今回はアカシア、今回はバーチというように貼り方を変えるわけですが、ハウスメーカーの大工さんは、毎回違うものを貼るのは嫌がるはずです。
話を戻します。その方の話だと、営業マンさんが「このコロニアルは30年耐久です。」と言ったそうです。そのように聞いたら、一般的な消費者の方やハウスメーカーさんばかり回っている方は、30年間何もしなくていい、反ることもない、耐久性があって割れることもない、すごく頑丈なものなんだと思うかもしれません。ただこれは、「さすがハウスメーカーだな。」とか「使っているものが違うな。」という風に安心させるセールステクニックなわけです。
でも30年耐久というのは、あくまでも30年間色褪せがしにくいというだけの話です。サイディングでも30年間色褪せしにくいものがありますが、メーカーさんが工場で30年間分くらいの紫外線をずっと当てる実験をしても、著しく退色しなかったというだけです。
コロニアルの欠点である、割れちゃうとか、撥水機能が落ちてくるという点で、建物によってはグリーンになってしまいます。ただ、これはコロニアルのせいというよりも、建物の設計の問題だったりするので、コロニアルが悪いという風には言えません。やっぱりガルバに比べたら、素材として水を含みやすいということもあり、グリーンになりやすいです。
この方は、3年くらい前に当社のモデルハウスに来たことがあって、2年くらい前に当社のオープンハウスに来たことがありましたが、その後は音沙汰ありませんでした。久しぶりに相談に来られて話を聞いたところ、こういうことがあってびっくりしたとのことでした。30年の耐久性があると言っても、コロニアルは薄いし、30年も持つとは思えないと言っていて、私もその通りだと思いました。
あくまでも色褪せについて言っているのであって、30年間ノーメンテだとか、反りませんとか、割れませんと言っているわけではありません。ただ、消費者の方は「30年間何もしなくてもいいんだ。」と思ってしまってもおかしくありません。そのため、30年経ってメンテしようかなと思って上がってみたら、とんでもないことが起こっていたというケースもあり得ると思います。
でも、なぜかわかりませんが「60年保証」というものがあるそうです。30年もいらないと言っているのに、何で60年保証があって10年ごとに点検をするのかと突っ込みたくなります。そこでまたお金がかかるのは、話としておかしいと思います。
住宅業界というのはこういうことが多いです。話が繋がっているように見えて、そうではなくなってくるわけです。「さっき1+1と言っていたのに、今度は1+2になっちゃったんですか?」という感じです。もし私がこういう説明をするとなっても、恥ずかしくてできません。
こんなことを言ったら怒られそうですが、こういうことができるのは、大きな会社さんの分業制というところなのかなと思います。設計をする人、メンテナンスをする人、売る人、現場監督さんという感じで別々にやっていけるのはいいことですが、その弊害もあるんだなという感じがしてしまいます。
まだこういうことをやっているんだなとつくづく思ってしまいましたが、それでも売れているのは事実です。消費者の方というのは、大きな会社というところで信用される方が多いんでしょうね。だからといって「どうやって探せばいいんだ。」とか「地元工務店だったらいいのか。」と言われても、困ってしまいます。
最終的にはご自身で納得して買えばいいと思うので、グタグタと文句を言うつもりはありません。もし私のYouTubeを見て「ハウスメーカーさんはどうなのかな?」と思っている人がいたら、こういうことがあるので、ちゃんとチェックして納得した上で買ってほしいと思います。
あとはやっぱり、こういう理屈を覚えながら家づくりをしないといけないと思います。60年保証や10年点検というものは本当にお金がかかります。以前ネタで言いましたが、私の姉貴も15年で350万円のメンテ費用を請求されました。「何でこんなにかかるんですか?」と聞いたら、「家はお金がかかるものなんです。」と言われたそうです。いい家だったらそこにお金はかからないと思いますが、そういうこともあるようです。もしお気に障る人がいましたら、見ないでいただけたらと思います。