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ホーム > ブログ > YouTube > ①C値=2.0なら1種でも3種でも同じ②3種換気で最適な給気口位置はどこか③コンセントを沢山付けると便利なのか④CO2濃度は1000ppm以下が正しい?⑤一種換気のダクトが断熱層の外にある家
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 | 2025.03.30

①C値=2.0なら1種でも3種でも同じ②3種換気で最適な給気口位置はどこか③コンセントを沢山付けると便利なのか④CO2濃度は1000ppm以下が正しい?⑤一種換気のダクトが断熱層の外にある家

今回は、私の配信させていただいたYouTubeに対するコメントをご紹介します。まず最初は、以下の動画です。

◼︎①三種換気は「給気口の位置」が重要②日射遮蔽3パターンを比較してみた
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/sanshu_syahei_pattern/

「いつも楽しく拝見しています。来年の3月に高気密高断熱の家に引っ越します。気が早いのですが、趣味も兼ねて今の賃貸アパートでもCO2センサーを買ってCO2濃度をモニタリングしています。やはり狭い賃貸に親と子供、合計5人がいると一気にCO2が跳ね上がります。(何もしなければ1300ppmくらい)そんな時は古典的に、外が寒かろうが窓を開けます。(うちはキッチンのファンも回しています。)すると、10分ほどで一気にCO2が下がります。500ppmくらいまで。調べてみたのですが、住環境先進国のドイツでもそのようにするそうで、ドイツ語でStoßlüften(衝撃換気)と言うそうです。さすがドイツ人、考え方が合理的です。だらだら汚い空気で過ごすよりも、室温を下げてでもCO2を短期間で一気に下げるそうです。実に合理的。そして、気分もそちらのほうがスッキリします。ところで、肝心の我が家ですが、床下エアコン・小屋裏エアコンで三種換気を採用しているのですが、リビングの換気口を下に、ガラリも何もないところに設置してしまいました。それだと冬寒くなりますでしょうか?それとも何ともないでしょうか?(強く主観に依存する質問で申し訳ないですが。)もう内装まで来ているのですが、不安になってきてしまいました。担当の設計にも相談してみようと思います。ちなみに、UA値0.41、C値0.13、延床40坪。換気にはシロッコファンを入れています。」

空間が狭い場所に人がいっぱいいれば、CO2濃度は上がります。前にも言いましたが、C値が2以上の家に一種換気や三種換気をつけてもあまり効果はないみたいです。アパートというのは気密性能が低いので、どこからでも空気が入るような状態のため、換気をしたとしてもギューッと引っ張られるような感じになってしまいます。24時間換気をきっちりと作動させるんだとしたら、できればC値は0.5ぐらいにしておいた方がいいというのが基本中の基本です。

国は「24時間換気をしましょう」と言いながら、気密性能については全く語っていないので、話がズレてはいますが、そもそも24時間換気を規定した2003年頃は、気密性能がどうという話はされていませんでした。追記していけばいいと思いますが、それをすると困る方たちがいるんでしょうね。こういうところが日本のいい加減なところ、弱いところだと思います。

CO2濃度は1000ppmが一般的だと言われていますが、本当にそうなのかということについては、メルマガで言いました。こういうことを言うと「お前は何を言ってるんだ!」と言われそうなので、メルマガを読んだ人だけ理解してもらえたらと思います。

24時間換気はそもそも何のためにするのかということも、メルマガで2回にわたって私なりに解説をしました。ネットで検索すると出てくる、24時間換気が必要な理由や、24時間換気をつけることによる効果というのは、あくまでもケースバイケースだと思います。私もCO2濃度計は会社やモデルハウスに置いていますし、自宅でも使ってますが、吸気と排気が作動できるようにしておけば、そんなに驚くことはないんじゃないかという感じがします。

ドイツは夏もそんなに暑くないから、エアコンがついてないと聞いたことがあります。断熱性能を上げて、窓も性能が高いものを使うんですが、空調計画についてはあんまり考えないみたいです。でも、機械に頼らずに本体の性能だけをひたすら上げていくというのは、お金がかからなくていいかもしれません。日本みたいに断熱も気密も窓も大事というのもいいですが、さらにたくさんの機械をつけていくのはやりすぎじゃないかと思います。

結論としては、給気口のところに床下エアコンのガラリがあると、床下エアコンをかけた時にガラリから暖かい空気が上がって、冷気が入った時に混ざるから、そんなに寒さを感じないということになります。ただ、絶対にそうしないとダメかというと、そんなことはありません。日射取得ができていて、断熱と気密ができていて、家の中の温度を上げられるような家であれば、給気口がよっぽどとんでもないところについていない限り、そんなに影響はないです。

給気口の位置というのは、どこにどうやって家具を置いてどうやって寝るとか、コンセントをどうするということを含めて考えるべきであって、何となく適当につけるものじゃないと思います。私も、給気口や屋根裏エアコンの冷気の位置は、部屋のレイアウトや家具の置き方、人のいる場所を考えながらズラしています。コンセントや家具の高さも全く同じです。事前に買うものをある程度想定した方が綺麗に収納できるので、そういうのは打ち合わせで細かく決めていきます。

コンセントの数は足らない分には増やしていいと思いますが、やたらとつけてもお金がかかるし、みっともないですよね。お客さんの友人が、某住宅メーカーから「今のアパートはコンセントが少ないのでいっぱいつけておいた方がいいですよ。」と言われて、追加で40個つけたそうです。そのメーカーさんのコンセントの金額が1個いくらなのかはわかりませんが、1カ所2万円ぐらいすると聞いたことがあります。仮にそうだったら80万円ぐらいになってしまうので、内部配線工事よりも高くなります。

そんなことを言いながら、私も15年前に家を作った当時は忙しくて考える暇もなく「とりあえずコンセントはこれでいいや!」という感じにしてしまったので、結果的に半分も使いませんでした。なので、そういう部分も考えながらやっていく方がいいです。引っ越した時に、何をどこにしまうということが決まっていると楽だからです。生活のイメージもすぐにできるし、あっという間にスッキリします。

家づくりというのは、完璧じゃなくてもいいので、住んだ後のことも想定しながらやるといいです。人によっては「そんな面倒臭いことはやっていられない。」と思うかもしれませんが、私は面白いと思います。そういうのが面白いと思う方が、当社にお越しになるのでしょうね。

その後、以下のコメントをいただきました。

「ご丁寧に解説ありがとうございます。日当たりはとても良いので悲観せず引き渡しを待ちたいと思います。余談ですが先日気密測定で家族全員+設計+大工さんで締め切っていましたがやはりCO2濃度は500ppm以上にはなりませんでした。暖かくてCO2濃度も上がりにくい家に住めるのがとても楽しみです!」

当社のお客さんの家では、家族4人でいても500〜700ppmぐらいです。お子さんが騒いだりすると、1000ppmぐらいになります。お子さんが小さい時は寝室が別々じゃないので、1400〜1500ppmぐらいまで上がってしまうこともあります。そういう時は、部屋の給気口を開けてもらったり、引き戸をちょっと開けて空気を流通させてあげてもらったりした方がいいです。また、仮に1400ppmで夜に寝たとしても、重い病気になるということはありません。

次は、以下の動画に対してです。

◼︎一種換気がカタログ通りにならない条件

1種換気がカタログ通りにならない条件

「いつも動画を参考にさせていただいております。建て替えの際は大いに参考にさせていただきました。ありがとうございます。第一種換気についてご意見をお聞きしたいです。パネル工法のメーカーで家づくりを依頼しました。ところが2階SAから夏は暖かい空気、冬は逆に冷たい空気が排出されます。原因は第一種換気のダクト部分が断熱材の上に露出してしまっていることであると考えられています。これは換気メーカーの施工指示に従ったやり方ではないそうです。天井の断熱材はグラスウールが使われています。ハウスメーカーには苦情を入れているのですが、どうなるかまだわかりません。これを正しい設置に直すことは難しいでしょうか?ぜひご意見をお聞きしたいです。よろしくお願いします。」

そんなことをやる奴はいるのかなと思うし、使われている製品がどんなものかもわかりませんが、わざわざ露出させるということは、天井の中に入れられないからじゃないですか。天井を二重にしてその間に入れるしかないけど、そんなことをしたらとんでもないことになります。

絵のように、送り出す配管が断熱材の外にあるから、冬はすごく冷えて夏はすごく暖まることになってしまいます。屋根断熱にしてしまえば何も関係ないですが、このメーカーさんは天井断熱にしてしまったみたいです。そうなると、ダクト自体を断熱ダクトに変えたり、断熱材を巻いて暖まりにくくしたりするしかありません。

昔の◯条工務店さんは、家は性能という感じですごくこだわっていたと思いますが、最近はどんどん売れる方向に持って行っている気がします。窓がバラバラになってきていたり、施工的に問題を起こしていたりすると聞いたことがあるので、大きな会社さんはこうなってしまうのかなという感じがします。かと言ってメーカーさんの中では、断熱や気密に気を使っている方だというのは事実です。

他の動画で、◯条工務店さんの規格住宅の実データを公開しました。家が建っている場所の条件もわからないし、日射取得があるのかどうかもわからないので何とも言えませんが、一言言いたかったのは、HEAT20というのはいいけど、それだけで夏涼しくて冬暖かい家になるわけではないということです。

新住協の会員さんが作った家でも、そうなってしまった事例があるみたいです。こういう家を作った会員さんがいて、新住協にクレームが来たそうです。

床暖房を全面につけたら寒くはなりませんが、燃費的にはよくありません。床暖房というのは輻射暖房なので、床面温度を27℃ぐらいにしないと暖まりません。だた、そうすると乾燥感がすごくなるので、加湿が必要になってきます。また、こたつと同じで、強烈に足を暖めることに慣れちゃうと、暖かく感じない体になってしまいます。

床暖房は元々、日本のように素足で過ごさない場所で使われていました。なので、日本でガンガン使っていくのは違うのではないかなという感じがします。あくまでもそれが悪いという意味ではありません。

床暖房は暖かくていいですが、「すごく乾燥するので困った。」とか「加湿しないと湿度が20%になっちゃうから、何かいい方法はありませんか?」との声をよく聞きます。でも、いい方法はありません。やめるという方法もありますが、ああいう暖かさに慣れてしまうと、他の方法では暖かくないと感じる人もいます。

日中は日射取得で暖めて、夜寒い時は床下エアコンを使わず、床断熱できっちりと気密を取って、壁掛けエアコンで暖めてもいいと思います。暖気は上に行きますが、床の断熱と気密をきちんと取れば、そこそこの暖かさになります。床下エアコンほどの暖かさは感じにくいですが、そのくらいで暖かいという感じにしないと、ランニングコストやメンテコストがかかります。

私のような格好でずっと暖かい状態にするというのもなかなかエネルギーがかかるので、単純に1枚羽織ればいいんじゃないの?とも思います。家の性能だけで何とかするのは、厳しいのではないかと思います。