Facebook
X
YouTube
ホーム > ブログ > YouTube > ①AI小暮君に聞いてみた!②最適な制震ダンパーの数は何本?③3種換気だと除湿器が必要か?④外壁の杉板の厚さは何ミリが良いか?⑤承認欲求の為の家づくりが多くなっている
YouTube
 | 2025.12.10

①AI小暮君に聞いてみた!②最適な制震ダンパーの数は何本?③3種換気だと除湿器が必要か?④外壁の杉板の厚さは何ミリが良いか?⑤承認欲求の為の家づくりが多くなっている

今回は、AI小暮くんにいただいた質問をご紹介します。

早速ですが、1つ目の質問です。

「制震ダンパーの取り付けは外周ですか、それとも中ですか?何個取り付けるのかをどうやって決めるのですか?」

AI小暮くんは以下のように回答しました。

「ご質問ありがとうございます。制震ダンパーの取り付け位置(外周か内側か)と、何個付けるかの決め方ですね。申し訳ありません、今の私にはうまくお答えができないようです。前提としてお伝えできるのは、ダンパー単体の可否や、外周か内側かという二択よりも、建物全体の構造計算に基づいたバランス設計がものすごく重要だということです。そうなんですよね、壁や部材を一部だけ強くしても全体が強くなるとは限りません。」

いずれにしても「今の私にはお答えできません。」というのが結論ですね。制震ダンパーの取り付けは、外周でも中でもあります。あくまでも、間取りを設計した後に制震ダンパーメーカーさんに投げて、バランスを見てもらいながら「この家だったらこことここにつける。」という風にアドバイスをいただくのが一般的だと思います。

当社のお客さんに制震ダンパーを求めている人はいないので、制震ダンパーを使った許容応力度計算は今のところしたことがありません。当社はローコスト時代から含めると、400軒以上の家を作っていますが、おかげさまで倒壊したとか、外壁が地震でズレちゃったとか、そういう家は今のところ1軒もありません。大きな地震が来た時に、吹き抜け空間である階段のところで壁のボードが割れて、ちょっと出ちゃったというお家はありましたが、実際にそこへ行ってボードを叩いてみたところ、単純にボードが割れてしまっていただけでした。

下地の木がすごく出ちゃったとか、中が破壊されたわけじゃなかったので、ボードだけ取って、釘や金物が緩んでいないか、損傷していないかを確認して、新しいボードを張って、クロスを張り替えました。本当に損傷をしたのであれば、そもそも窓が開かない、窓が歪んじゃうという風になるはずですが、全くそういうことはありませんでした。特に吹き抜けのところは揺れてしまうので、ちょっと捻れてしまったのかなという感じがしました。

制震ダンパーは怖いなと思うところもあります。「うちだったらこの金額です!」と言っている制震ダンパー屋さんがいたので、よくよく見てみたら、他の会社では6〜8本必要なところを4本で大丈夫と言っていました。その分安いわけですが、「本当に大丈夫なの?」と思ってしまいました。

制震ダンパーをつけることによって壁が強くなるという構造計算の仕方があるんですが、それもちょっとおかしいと思います。あくまでも制震ダンパーというのはメインではないので、地盤調査の結果を含めた許容応力度計算をやった上で、お金はかかるけどつけるというのであれば悪くはありません。ただ、構造計算をそもそもしていなかったり、「制震ダンパーをつければ何とかなる。」と言われてつけたりするのはダメだと思います。ギプスをつけて思いきり補強したみたいな話になってしまいます。

でも、制震ダンパーを使っている会社さんは、後者の方が多いかなと思います。当然、前者のような会社さんもありますが、肝心なことをやっていないのに制震ダンパーをつけて売りにしている会社の方が、絶対に数としては多いはずです。もし不安だったら、制震ダンパーをつけている会社さんに「構造計算も許容応力度計算も全部しているんですか?」「した上でつけているんですよね?」「どういう計算書があるんですか?」と、聞いた方がいいと思います。

断熱だけやれば涼しくなるわけじゃないし、気密だけ高めればいいわけじゃないし、樹脂窓をつければ暖かくなるわけじゃないですよね。それらを統合した中で、空調計画というものをしなければなりません。物事には、これをやればOKというのはありません。セルロースファイバーも、発泡ウレタンも、ロックウールも、グラスウールも、それぞれに長所と短所があるので、「私はこういうところを考えて、これを使っています。」と言えればいいわけです。「セルロースファイバー最強!」などと言っている人は、あまりよくわかっていないんだろうなという感じがしてしまいます。

2つ目の質問です。

「小暮さんは第三種換気を採用されているようですが、基本的には除湿機併用をオススメしていますか?」

除湿機を使っているお客さんは少ないと思います。ランドリールームで洗濯物を干す時は、除湿機を使って除湿をした方が早いですが、家全体を除湿機でコントロールしているという人は、今のところいません。高崎のお客さんのお家には、ご主人さんの趣味で観葉植物や水槽があって、湿気が出ちゃっているので、除湿機を常に回していましたが、そういう特殊なことをしなければ、家の湿度が60%行っちゃうようなお家はないはずです。他の動画でも言いましたが、日射取得を活用しながら水分を飛ばすという風にアドバイスをさせてもらっています。

AI小暮くんは、以下のように回答しました。

「ご質問ありがとうございます。まず前提の、当社が第三種換気かどうかについては、手元の資料に明記が見当たりません。申し訳ありませんが、今の私にはうまくお答えできないようです。

その上で、夏の湿度コントロールについては次の整理です。除湿器の併用は、選択肢の一つです。夏の湿度を低くする方法として、当社は次の3つを挙げています。エアコンの温度設定を低くする、除湿器を使う、適度な日射取得。状況に応じて除湿器を使うのは有効だと考えています。

ただし、前提は日射コントロールと空調計画。窓の外側での遮蔽を優先し、室内に熱を入れないことが基本です。これができていないと、設備を足しても効きが悪くなりがちです。

調湿建材への過度な期待は禁物。珪藻土やセルロースファイバーで夏がカラッとするほどの効果は期待できません。あくまで空調、遮蔽が主役です。

まとめると、除湿器は常時必須というより、設計と運用の土台(日射遮蔽・空調)を整えた上で、必要に応じて併用する立ち位置が現実的です。」

情報が足らないのかもしれませんが、ちょっと甘い気がします。私の中では納得できない回答です。日射遮蔽もいいですが、遮蔽をしつつ、穏やかに日射を入れるというところが重要かなと思います。それをすることによって、エアコンの回りもよくなって、湿度も下がりやすくなります。この辺りは進化が必要かなという感じもします。

3つ目の質問です。

「夏場は室温を26°C程度にしたとしても、相対湿度が55%以下にはできないので、どのように対策しようか検討しています。」

AI小暮くんは、以下のように回答しました。

「日中に少しだけ熱を入れてから冷やすのを試す。再熱除湿の考え方を家全体に応用する。床下エアコン+屋根裏エアコンがある場合は、床下で穏やかに暖めつつ屋根裏で冷やす、全館版の再熱除湿が有効です。」

これはモデルハウスでやりましたが、たしかにそうなります。ただ、上と下の調整がなかなか難しいので、そんなことをやるんだったら日射を入れてエアコンを回した方が早いという風に思います。26℃程度にしたとしても、湿度が55%以下にはならないのは、もしかしたら日射取得不足が原因かもしれません。閉じすぎちゃっているのかもしれないし、エアコンが回らない状態になっているのかもしれないし、そもそも室内干ししちゃっているのかもしれないので、なかなか難しい話になってきます。

あとは、UA値の下げすぎ問題もあるかもしれません。もうちょっと詳しく知りたいという方は、メルマガの感想で送っていただけたら、それを題材にしてYouTubeなどで解説することもできますので、そういうのをご活用いただくのもいいのかなと思います。

他にもたくさん質問をいただいていますが、「外壁の杉板の厚さは何mmですか?」という質問について取り上げてみます。

外壁の場合は18mmかなと思います。ただこれも難しくて、18mmだと無骨になってしまうので、9〜10mmの薄めのものを使ったりします。その代わり反りやすいので、柱のピッチを細かくする必要があります。また、柱のピッチを細かくすると縦ラインが目立つので、建てる柱を細くしてすっきり見せるというのも設計方法の1つです。意外にこういうことにも気を遣っています。いろいろな見え方を考えながらやっていかなければなりません。

また、「外壁材のオススメは何でしょうか?」という質問も取り上げてみます。

オススメといっても、質問者さんが何を期待しているのか、何を目的にしているのかがわからないので難しいです。過去にメルマガやYouTubeでも言いましたが、土地についても同じことが言えます。「いい土地があったら教えてください。」と言う人がたまにいるんですが、いい土地と言われても難しいですよね。

人があまりいない、日当たりがよくて静かな場所でも、買い物には不便だったり、子どもが学校に行くのにすごく遠かったりというデメリットがあります。また、ご主人さんの通勤の問題だとか、お子さんの安全を考えれば、街中の方がいいんじゃないかということになるはずです。その代わり、そういうところは狭かったり、高かったり、うるさかったりしまう。私はそれが嫌なわけです。

今は買い物だってネットでできちゃうので、田舎でも不便ではありません。また、電車がなければ車で移動すればいいですよね。年を取ったら乗れなくなるかもしれませんが、乗れるように健康管理をすればいいという答えもあると思います。結果的に、すごく健康な生活を送ることができるかもしれません。

家づくりもそうです。私は昔「家は最高の遊び場」と言っていました。生活するだけの場所だったら、マンションでもアパートでもいいですよね。ただ、それだけで人生が終わるのはもったいない気がするじゃないですか。やっぱり家という自分の安らぎになる場所がある方がいいと思うわけです。

「ホテルは行くところ、家は帰るところ。」という言葉もそうです。家というのは自分の帰る場所なので、大事にしたいですよね。なので当社では、こういう風な間取りがいいとか、こういう条件で家を作りたいということを、必ず打ち合わせをする時に羅列書きでいいので書いてきてもらいます。それに対して私が、「これは具体的にどういうことなんですか?」「これはどういうイメージなんですか?」「これをやるためにどのくらいの大きさが必要なんですか?」と質問をしていきます。

そうするとお客さんも、「そうですよね!」「実際いらないかな?」と答えてくれるので、そういうことも含めて、家を建てる場所を決めていきます。周囲の環境だとか、隣地の家の建て方とか、パッシブ設計をする上で必要な太陽の方向とか、いろいろなことを考えます。そして、こういう間取りがいいという風にお客さんに提案をすると、ほぼほぼ「わかりました!これでいいです!」と言っていただけます。

「何か違うんですよね。」と言う人も過去に数名いましたが、その方は言うことが毎回変わっちゃうので、なかなか間取りが書けませんでした。ただお客さん自身も、自分の言っていることがブレているとわかっていたので、「これ以上打ち合わせしても無理ですよね。」という話になりました。あれもいい、これもいいと思ってしまう気持ちもわかりますが、それらをやるとなると、私がよく言っている快適性や構造的安全という部分を全て無視した家を作ることになってしまうわけです。

話がどんどんズレていっていますが、まずは自分で何をしたらいいか決めていかなければ、選んでいるようで選ばされている家になってしまうので、くれぐれもお気をつけいただいた方がいいかと思います。