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 | 2024.02.10

①チェックリストよりも大事な事②ハウスメーカーの営業マンは現場に行かない③ダイハツ偽装と住宅業界は似ている④上棟後にずぶ濡れになっている家がある理由⑤床下エアコンの通気口は開閉式が良い

今回は質問コーナーです。

まず1つ目は、「メーカーの施工要領書を守れば安心か」の動画にいただいた質問です。

確か他の動画にも同じような質問があり、「セルロースファイバーの密度が担保されているかを知る方法はないですか?」という内容でした。

知る方法は、あると言えばあります。搬入された材料の量を調べるなどの方法です。ただ、そこまでやっても本当に使ったかどうかはわかりません。搬入された量がわかっても、多めに入れて返していればそれはわかりませんから、堂々巡りになってしまいます。

そんな中で、“nobandさん”が「安全かそうでないかは、食品添加物と同じでいろいろな見方があるので、何を信じるかだと感じます」というコメントをくださいました。私がここに加えてよく言うのが、その会社が情報をきちっと出しているかということです。

例えば、Facebook・メルマガ・ブログなどでお客さんに向けた情報発信をしているか。お客さんに現場をきちんと案内しているか。気密測定をちゃんとしているか。それを、こういう風にちゃんとやっているなら多分間違いないんじゃないかな、というような感覚です。

もっと言えば、これはまた感覚ですが、私は話をした時に合うかどうかはすごく大事だと思っています。価値観・嫌なこと・好きなことなどが合うかどうかで、信用に足るかの判断になるところは、私はあると思います。

私も下田島モデルハウスやオープンハウスで接客をさせていただく中で、失礼なことを言いますが、このお客さんは私と合わないな、と感じることがあります。それは、人間的に悪いなどということではなく、物事に対するお客さんの考え方と私の考え方が合うか合わないか、ということです。

わかりやすく極端に言うと、例えばお客さんに聞きたいことがあって、メールで連絡をしたとします。それを、その日のうちに教えてくれるお客さんがいたとします。これってすごく合いませんか?お互いのことを考えているってことですよね。

でもお客さんの中には、返信に2~3日かかる方もいますよね。でもこれも仕方ないと思います。

では仮に、2週間経ってから連絡が来たらどうですか?別に悪いことではないですが、スピード感というか、物事に対する真剣みというところで、私は違和感を感じます。もしかしたら、その方の優先順位は家づくり以外のことにあるんじゃないかなと思います。

お互いのスピード感、相手を思い合う心などがないと、信用はできないと思います。もっと言えば、仲良くなれないと思います。

また、例えば当社に質問が来たとします。それに対して、私はその日に来た質問はその日のうちに返すようにしています。出張などでどうしてもパソコンを開けなかった場合も、次の日には必ず返しています。その中で、私がお答えしたことに対して「お忙しい中すみません」と返してくれる人もいます。

しかし、全く返さない人も中にはいますよね。ここもなんとなく私の中では違和感があります。でもこれも、悪いわけではありません。お客さんからすれば私は、いろんな業者さんに連絡をしている中の1社ですから、そんなに重要視されていないんだとわかります。

その一方で私は、質問をして人から何か答えをもらったのであれば、何らかのお礼ができる人間の方が仲良くなれそうだなと感じます。こういうところで、価値観・向く方向などは参考になると思います。“nobandさん”が言うように「何を信じるか」が原点であり、最終的にはこういうところに行き着くのかなと思います。

職人さんも同じです。もちろん腕がいい方がいいけど、その腕と共に、その人が大事にしていることや、そういうのはできないなどという点が心の中にないと、信用はできません。

次の質問です。これも「メーカーの施工要領書を守れば安心か」という動画に対していただきました。

「ハウスメーカーの営業は施工要領を全く理解していません。ちゃんとした住宅会社なんでしょうか?縦・横胴縁も、ポリスチレンの床断熱がどう施工されているかもわからない。歴20年の方でしたが、現場には行った記憶がないそうです。ハウスメーカーの営業は間取り作成と契約書だけなんでしょうか?研修もしないのでしょうか。」

ハウスメーカーで契約して、大きなハウスメーカーだから型も決まっていて、施工の下請けの施工代理店さんがいてマニュアル化もされているから安心だけど、営業マンさんに対してはものすごく不満だという話です。

しかし、失礼ですがハウスメーカーさんってそんなものじゃないかなと思います。分業制の弊害としか言いようがないと思います。

私の友達で、元大手ハウスメーカーさんで営業マンをしていた人がいます。どんどん分業制になっていき、あなたは営業マン・あなたは設計・あなたは現場監督・あなたは発注という感じで、余計なことはさせないという前提があるようです。

ですから、営業マンさんは現場なんか知りません。実際のところはわかりませんが、現場なんか行ったら所長に怒られる、そんな暇があった電話しろと言われるような会社もあります。そういう場合は、この人が悪いわけでもないかもしれませんが、現場に行っていい会社なのにこの人が行かなかったのか、それはわかりません。

しかし、私が若い頃のハウスメーカーさんの営業マンは、そうではありませんでした。まずは必ず現場で3~5年間研修をしていました。自社の家の作り方がわからなければ人に物なんか売れない、それがわからないと図面なんか書けない、という前提条件があったからだと思います。

しかし今は、どんどん時間短縮をして、分業化した方が効率がいいという考え方で、分業制の形になりました。製造業はどこもそうだと思います。

話はそれますが、それで怖いのが不正です。最近ダイハツでありましたよね。勝手な想像で言いますが、分業していった結果、営業マンは「さっさと作れ」「早く売りたいんだ」と言い、広告部門は「いつまでにやってもらわないと」と言い、実際の現場の人と管理職の間で軋轢が始まります。最後は営業部門・広報部門・経営者に押し切られて、偽装してまでも売らなくちゃいけない、という考えになってしまったのではないでしょうか。

でもこれは住宅メーカーさんでもあることです。工期を間に合わせるために、雨の中で全く養生せずに上棟している家も実際にあります。

私はああいう感覚が全くわかりません。お客さんが良いか悪いかではなく、ああいうのを見るのが気持ち悪いです。しかしこれも感性なので、気持ち悪くないという人もいるから難しいです。

また、昔は大手ハウスメーカーの元営業マンさん・現場監督が当社に在籍したこともありました。しかし例えば現場監督さんでは、現場監督のことはほぼ知りませんでした。書類の整理などはすごくわかるけど、例えばプレカット図を見ても全然わかりません。金物図も、どこにどういう金物を使うか、その金物をどこで手配するのか、その金物はどういう金物なのか、知らないから合っているかチェックできない状態でした。これはほとんどの方がそうでした。

営業マンさんでは、確かに土地の探し方・住宅ローン通し方は知っていますが、建物のことは全く知らなかったです。これも分業制の弊害かなと感じます。

ハウスメーカーさんのいいところは、変に自由設計をさせないことです。それが良いか悪いかは別として、規格で設計量を厳密にやって、施工代理店をちゃんと登録させて、そこを研修させる事はちゃんとしています。

一番怖いのは、設計ルールも自由で、全く現場経験も資格もない営業マンさんが、お客さんの言う通りに間取りを書いて、それをプレカットに投げてカットさせて、それを現場に持っていって大工さんに「やっておいて」としている会社です。こういう会社が一番怖いです。

でも意外に、そういう家も売れています。売れる理由は金額なのかデザインなのか、わかりません。

次の質問です。「基礎断熱で床下にカビが発生する家」という動画に対していただきました。

「基礎断熱に必要なことは、室内側へ床下の通気口を設けることとおっしゃられており、ふと気になりました。多少なりとも設置した通気口から外気に近い温度が室内側へ入ってくるのを防ぐ方法はありますか?通気口を閉めた時には確実に通気遮断できるのでしょうか。」

もしかしたらこの人が言っている基礎断熱というのは、●●工法のことかもしれません。基礎断熱なんだけど、基礎に換気口があり、その換気口が温度によって開閉します。夏は空気を入れて、冬は閉じて冷たい空気を入れないような仕組みです。

一般的に基礎断熱は、床下を部屋と同じように考えて、そこで断熱・気密を取るものだから、床下に通気口をつけて開けることはしません。私は不思議なのが、開閉するということは、絶対に密閉はしないんです。樹脂窓で鍵をガチッとかけてパッキンをつけたって開くわけですから。これがまかり間違って悪さをすると怖いです。

●●工法が悪いという意味ではないですが、私が前に見たのは、当社の近くで●●工法を施工していたお家で、基礎断熱にして換気窓みたいなものをつけて、床下の土間コンに炭みたいなものを塗っているお家がありました。それがいいものかどうかはわかりませんが、調湿効果を期待しているのかもしれません。

それは構わないのですが、そもそも上棟の時に養生もしておらず、雨でずぶ濡れだったんです。床下がプールになるぐらいでした。

先ほどの開く通気口でも何でも、それに対してきちんとした施工をしなきゃいけないというルールがあると思います。それをすっ飛ばして「これをつければいい」とする全く違います。1+1=2にならなくなります。

物事は必ず理屈があります。何かをつければいい・貼ればいいというものではありません。これを理解せずにやっている会社さんもまだいると感じます。

フランチャイズをバカにするわけではないですが、例えばフランチャイズに加盟して、その会社の開発したものを買うのはいいけど、開発したものが生きるような正しい施工をしないと、もっと言うと理屈を理解した上でやらないと、求めたことと逆のことが起こります。

この辺りは消費者の方も気をつけた方がいいと思います。消費者の方が見破るのは難しいですが、一番いいのは現場に行くことです。

基礎がずぶ濡れの家を見た時に、この家の施主さんは現場に来たことはないのかと思いました。多分来ていないのだと思います。普通だったら怒り心頭だと思います。

さて、コメントには続きがありました。

「わかりにくい文面で恐れ入ります。通気口=開閉式スリットを床につけると思いますが、そこから冬に冷たい空気が室内に入らないか気になりました。」

この方が言っている通気口は、私がよく言う床下エアコン用の、床についている通気口のようです。

床下エアコンを使う場合、床下を貫通するような口があります。これが当社の場合は開閉します。そこから床下の冷たい冷気が入って家の中が寒くならないですか?という質問でした。

床下の温度って、冬はかなり暖かいんです。下田島モデルハウスで計測しても、真冬の朝方-3℃ぐらいの時でも、床下エアコンをつけなくても、床下は大体14〜15℃あります。それが室内に来てもそんなに寒くはなりません。

ただ、床断熱の場合は、床下に冷気が入ると繋がっているから寒くなってしまいます。基礎断熱はそういうメリットがあるので、あまり心配しない方がいいと思います。

ただついでに言うと、この通気口は開閉式のものもあれば、1年中開けっぱなしのものもあります。

私が開閉式を選んでいる理由は、夏場に冷房を使う時に、冷気がそこから落ちすぎてしまうからです。床下が結露することはないと思いますが、床下まで冷やす必要はないからもったいないですよね。床につける通気スリットは、私は開閉式にしておいた方がいいと思います。

他社さんでは、網戸の網をと木組みでやっている会社さんもあるようです。温暖地ならいいと思いますが、東北・新潟・日本海側などの寒い所では、開閉できないものはもったいない気がします。

しかしそういう所は、涼しければそんなに冷気は落ちないのかもしれません。さすがに群馬県などでは、去年の夏は41℃でしたから、冷気はなるべく落とさない方がいいです。

ちょっと私が勘違いしてしまいました。