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ホーム > ブログ > YouTube > ①○○工務店VS○○工務店の戦いが始まる②湿度60%にすると風邪を引かないのか?③欧米の家は快適を目指し日本の家はUa値を目指す④夏でも日射を入れた方が良い理由⑤若い頃に快適な家と歳を重ねても快適な家の違い
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 | 2025.11.20

①○○工務店VS○○工務店の戦いが始まる②湿度60%にすると風邪を引かないのか?③欧米の家は快適を目指し日本の家はUa値を目指す④夏でも日射を入れた方が良い理由⑤若い頃に快適な家と歳を重ねても快適な家の違い

https://youtu.be/-VJuQ1M-drI

今回は、私が配信させていただいたYouTubeに対するコメントをご紹介します。

早速ですが、以下の動画に対していただきました。

◼︎超高性能住宅は除湿しにくい
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/kouseinou_jyutaku_jyoshitsu/

「貴重なお話をありがとうございました。1つ質問させてください。温度が上がると除湿されるというのは、温度が上がることで空気中に含むことのできる水蒸気量が多くなるから、そんなに湿気を感じなくなって不快に感じないという意味合いでしょうか?除湿=水蒸気量が減るという風に思っていたので、温度が上がったとしても水蒸気量は変わらないのかなと思っていました。」

超高性能住宅にはいろいろな作り方があります。来年あたりに某工務店さんが、冬に厳しそうな超高性能住宅をバンバン販売するんじゃないかと思います。夏はいいのかなと思いつつ、除湿しにくいものだし、冬は確実に厳しいはずです。だけどUA値は低いという超高性能住宅が販売されて、私のYouTubeを見ていない方々がこぞって買うことで、某工務店さん同士の戦いが始まるんじゃないかという気がします。もうこれ以上は言いませんが、私はちょっと楽しみです。

コメントいただいた方は、ものすごく勉強されているんでしょうね。私のYouTubeを見ている方やメルマガを読んでいる方もわかると思いますが、湿度というのはあくまでも、◯%というのが正しいわけではありません。空気中に入っている水分量が何gなのかということを知ることが一番大事です。

よくお医者さんが、冬になったら湿度を60%ぐらいにしないと風邪をひいちゃうとか、菌にやられちゃうと言いますよね。ただ、それは正しくありません。同じ60%であっても、温度によって意味が変わってしまうからです。

私がよく使っているスマホの無料アプリで『快適を計算』というものがあります。それを使って計算してみます。仮に温度計の数値が23℃として、湿度は60%とするじゃないですか。ここに1m×1m×1mの箱があるとします。このような状態だと、その箱の中に入っている空気の中に、12g/㎥の水分が含まれているということになります。

昭和の寒い家だと8℃、ローコスト住宅だと15℃ぐらいだとします。15℃で60%だと7.7g、8℃で60%だと5gしか水分がないということになります。当社のお客さんの中にも、冬の朝に起きるとフーッと白い息が出るくらい寒いという理由で、家を建て替える人がいます。外気温が-4℃の時、家の中は0℃ぐらいしかないわけです。0℃で60%だと、水分は3gしかないということになります。

同じ60%でも、下田島モデルハウス、ローコスト住宅、平成初期の家、昭和の家では、快適さが違ってきます。なので、お医者さんが本来言わなくちゃいけないのは、「湿度60%」ということではなく「水分のグラム数」じゃないかと思います。体力のある人もいれば、ご年配の方や赤ちゃんもいれば、大谷みたいなすごい人もいるので、どこで平均を取るのかと言われると難しいですが、冬場にウイルスにかかりにくいような室内環境を目指すなら、水分量は最低でも9gは必要だという感じがします。

現に、空気中1㎥あたり9〜13gぐらいの水分がある状態にしておかないと、ウイルスにかかりやすいという医学的データもあります。また、年配の方や体力がない方はなるべく水分が多い方がいいし、若い方や体力がある方は乾燥気味でもいいというように、幅は当然あります。23℃の時に60%だったら、水分は12gあるのでいいですよね。でも15℃の場合は下回ってしまうので、危険じゃないですか。だからといって一生懸命加湿すると、今度は結露してしまいます。

15℃しかない家で水分を9gにしたいという場合、室温を上げるという方法もありますが、室温を上げずに加湿をしまくるという方法を取るなら、70%ぐらいにする必要が出てきます。ただ、そもそもこういう家は断熱性能が低い可能性があるので、余分な水分が窓にへばりついて、窓ガラスで結露を起こすんじゃないかと思います。

一番嫌なのは、北側の壁の中で結露することです。防湿気密シートを室内に貼っていないと、水分が壁のボードを突き破りながら中の断熱材の方に入っていって、余計に冷えて壁体内結露を起こします。そこまでいかなくても、洗濯機の裏側などにカビが生える可能性もあります。お医者さんの言っていることを目指した結果、より不健康になってしまうということもあるかもしれません。やっぱりそういうことを含めて、相対的に考えなくちゃいけないと思います。

欧米など、パッシブ設計というものが確立されているところでは、ただ単に数値だけを目指すんじゃなくて、快適な環境を作らなければならないと言われているそうです。日本はなぜかわかりませんが、未だにこういうことをきちんと語りません。あくまでも私の推測ですけど、語らなくても家が売れちゃうのかなと思います。

また日本は、ようやく今年の4月から、断熱等級6以上で一次エネルギーを35%以下にしないと、補助金が出ないという風になりました。ただ、あくまでもそれは、CO2削減というところを目安にやっている側面が強いので、健康かどうかというところとは乖離しています。もしかしたら、まかり間違ってこの動画を見てしまう人がいるかもしれませんから、そういう方は視点を変えるべきです。補助金を貰うための家と、50年ぐらいの単位で住むにあたって快適に健康でいられるための家というのは、違う場合もあるので、ここは本当に理解してもらいたいなという感じがします。

夏場に日射取得をすることで、空気中に入る水分が多くなって湿気を感じにくくなるというよりも、エアコンを動かすことができるということの方が大きいです。エアコンはものすごく単純な機械です。空気中の温度を感知して、設定した温度まで一生懸命頑張って除湿をしてくれながら温度を下げるというものなので、窓をどんどん減らしていくようなUA値の下げ方をすると、除湿しなくなってしまいます。

エアコンを動かそうと、どんどん温度を下げていくと、今度は性能が高い分、設定した温度にグングン下がっていって、冷え切った感じになってしまいます。除湿されて、湿度が低い乾燥したところにいることになるので、逆に風邪をひくんじゃないかと思います。女性の方は間違いなくきついですよね。

私はそういう住宅を「暑がり型住宅」と言っています。ものすごく暑がりな方は、温度を22℃に下げても大丈夫ですけど、私はどっちかというと寒さに弱い方なので、きついかなという感じがします。温度よりも湿度を重視しているので、27℃ぐらいの温度でいいから湿度は50%ぐらいにしたいと思う人間なので、温度が24℃ぐらいになっちゃったら、ずっといると足が冷えて、寒くなってしまうと思います。

女房を見ていても思いますが、女性は更年期を過ぎると本当に体調が変わって、若い頃とはまた違ってくるので、あまりにも片方に振っちゃう家というのはどうなのかなと、個人的には思います。だからといって、高性能住宅が悪いと言いたいわけではありません。そういうことも含めて、工務店さんと話し合いながら進めていくことが大事だと思います。

当社のお客さんは、「補助金は貰えますか?」とか「断熱等級はいくつですか?」という単発的な質問をするんじゃなくて、「付加断熱をするメリットやデメリットは何ですか?」とか「松尾先生のバージョン3のエアコンはどう思いますか?」といった質問をしてくれます。それに対して、私なりの意見をお話ししています。

当然お客さんの好みもあるし、ご予算の中でやっていかないといけないということもあります。付加断熱をすることばかりにお金をかけちゃうと、外構にお金が全く行かなくなってしまったり、高性能だけどメンテコストがすごくかかる家になってしまったりします。なのでそういうことも含めて、家づくりについて考えた方がいいんじゃないかと思います。当社の売り込みみたいな感じになっちゃっていますが、参考になれば幸いです。