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 | 2019.11.02

職人さんが正しいとは限らない

今回は方向性を変えて、
職人さんが正しい訳ではない
という話をさせていただきます。

当然、私も職人さんたちには
いつもお世話になってますし、
ものすごく尊敬しています。

いくら私たちが一生懸命に
お客さんとお話をして設計をしても、
職人さんがいなければ家はできませんから。

職人さんは本当に
重要なパートナーです。

いつもうちの家をやってくれる
職人さんとは色んな事を話しますし、
お互い意見交換もするので、
世間一般的に言うとかなりレベルの
高い職人さんだと個人的に思っています。

ただ世の中には色んな職人さんがいて、
ちょっと言いにくいんですが中には
それほど勉強をされてない職人さんもいます。

例えばその職人さんが
あまり断熱・気密や耐震に
こだわってない住宅会社さんの仕事を
ずっとやっていれば、その職人さんは
多分その経験しかしてませんから、
それ以上の事は多分できないと思います。

実際に当社も
断熱・気密にこだわった頃に
お付き合いしていた大工さんは
なかなかできなかったです。

気密測定をしても、
やっぱりなかなか数値が
上がらなかったというのがありました。

今はその大工さんとは
付き合いがなくなってしまいましたけどね。

やっぱり色んな事について意見交換をして、
こうやればもっと気密が上がるんだよとか
なるほどそうやるのかと言って
賛同してくれた職人さんもいれば、
残念ながらなんでそこまでやるんだよ、
面倒くさいじゃんと言って
うちの会社の仕事を辞めちゃう
職人さんも正直いました。

これはお互いの考え方なので、
どっちが正しいとか間違ってるというのは
全然ないと思っています。

ただもし皆さんが
断熱・気密の高い家を作りたいのに、
職人さんがそれだけの知識がなければ
やっぱりそういう家はできませんし、
住宅会社さんもそのような知識が無ければ
やっぱり家はできません。

例えばこんな事もあります。

今は耐震パネルを貼る会社が
ものすごく多いです。

この耐震パネルには規定があって、
外周部は15cm間隔で釘を留めて、
内側は200ピッチで・・・という
この位置に留めなさいという規定があります。

あともう一つ重要なのが、
使う釘も規定されています。

耐震パネルを使う時は、
こういう釘を使いなさい
というのがあるんですね。

釘には色んな種類があります。

例えば耐震パネルを使う時の釘は、
N釘という釘を使います。

ただ他にも
NC50とかCN50という
釘があったりします。

ざっくりと言うと、
N釘とNC釘で同じ長さ5cmでも、
太さが違ってきます。

せん断能力といって、
要するに釘の強さが
3割ぐらい減っちゃいます。

なので耐震パネルを使う時は
N釘を使わなくちゃいけない
というルールがありますが、
残念ながら大工さんの中には
ここまで分かっていない人もいます。

ここに打たなくちゃいけない
というのは必ず印がしてあるので
誰でも打てると思います。

ただ使わなくちゃいけない釘が
わからない大工さんもいるんですね。

耐震パネルは、
厚みが僅か9mmしかありません。
そこに釘を留めた時に3mm分が
めり込んでしまったら、残りが
6mmしかないことになります。

要は3分の2の
耐力になったという事です。

そういう場合は、
必ず横にもう一本釘を打って
補強するというルールがあります。

これを大工さん自身が
わかっていて補強してくれる、
もしくは現場監督さんが
全部チェックすればいいです。

ですが
どんどん進んでいく現場だったり、
監督さんがゆっくり現場を回れないような
会社だと大工さん任せになっちゃうという
ケースがものすごく多いです。

大工さんに任せるのはいいけど、
その大工さんがもしこういう事を
わかっていなかったとしたら・・・。

確かに釘を打ったけど、
実際は耐力は出てないという事にも
なり兼ねません。

この耐震パネルは
ものすごくわかりやすい例です。

もう一方で基礎もそうです。

基礎には立ち上がりがありますが、
人通口といって人が通れるように
カットした時には、もしこれが
構造的に大切なものだとしたら
補強するという構造的なルールがあります。

これを基礎屋さんが
勝手にやってくれるのかといったら
やってくれる事は絶対にありません。

住宅会社さんがわかっていて、
構造的に問題が出るから基礎屋さんに
補強するように指示をしなければ、
基礎屋さんが勝手にやる事はあり得ません。

もしくは基礎屋さん自身が
補強しなくちゃいけないんじゃない?
と言ってくる事もないと思います。

当社の基礎屋さんは
いつもうちが図面を描くので
しっかりとやってくれます。

ちなみに基礎屋さんに
「他社でもこういう事をやりますか?」
と質問をした事あります。

そしたら
「こんなこと子育てさんしかないよ」
という返事をもらいました。

でもこれが現実です。

別に職人さんを
馬鹿にする訳ではありません。

職人さんはものすごく素晴らしい
パートナーですが、だからといって
職人さんが全てを知ってるという事は
ないという事を皆さんも理解して
いただければと思います。

ぜひ参考にしてください。