facebook
instagram
youtube
ホーム > ブログ > プロが語る家づくり > Vol.10 住宅会社を見分けるチェックリスト
プロが語る家づくり
 | 2020.05.31

Vol.10 住宅会社を見分けるチェックリスト

小暮:
例えばウチの会社は松尾先生に教えてもらっているのもありますし、私自身の考え方もあって、やっぱり住み心地が良くてランニングコストがかからない家をつくってるんですが、一方でね、ウチはお前の家より格好いいぞ、おしゃれだぞというので戦っている会社もある。それはそれで私は全然良いと思うんですけど、でもお客さんって意外にその辺よく分かってないと思うんですよね。本当は住み心地の良い家を欲しいんだけど、実際に自分で選んだ会社はそうじゃなかったみたいなこともあると思うんです。

松尾先生:
なるほどね。

小暮:
それをどうやって知ったらいいのか。実際じゃあどういう勉強をすればいいのか。当然お客さんは基礎知識もないし、時間もないわけですし、本を読むにしてもどんな本がいいのかもわからない。そういうお客さんに対して、松尾先生だったらどういうアドバイスされますか。

松尾先生:
正直なところ、お客さんにとって死活問題と言えるほど重要ポイントになるのは、どこの工務店を選ぶか、どこの住宅会社を選ぶかです。そこで95%決まると思ってもらっていいですね。

小暮:
じゃあ本読むとか、ネットで検索するのも良いんだけど、その前に?

松尾先生:
結局は勉強しないと、なかなか適切な知識が得られないかと思うんですけど、実際はどれだけ勉強していても、ちょっと値段が安いからとか、ちょっとあの人との付き合いがあるからとか、あの人が良い感じだからみたいな理由だけで、勉強した知識を差し置いて、俺が教えたらなんとかなるわみたいな感じで、ダメな会社を選んでしまう。例えば断熱はこうして気密シートはこうしてって言って、やってくれることもあるけど、社内規定やいろんな理由があって出来ないというのもあるので。どこの会社を選ぶかということでもう90〜95%決まると思ってもらっていい。

小暮:
じゃあそれを選ぶってどうやってやるのって話ですが。

松尾先生:
手前味噌ですけど、僕の松尾設計室のWEBサイトにですね、工務店を選ぶ時のチェックリストを載せています。
https://matsuosekkei.com/guideline/checklist/

小暮:
表がありましたね。

松尾先生:
A4の大きさで箇条書きでまとめてるのがあります。お客様はですね、見た目がきれいか汚いか、高いか安いか、営業マンの印象が良いか悪いか、みたいなことって別に僕らが教えなくても自分で判断できますよね。

小暮:
そうですね。

松尾先生:
そうじゃない部分の大事な見分け方を具体的に、しかも、大事な項目がYesNoとか数字でわかるように端的に表した13項目を用意しましたので、それに基づいてチェックしていただくといいです。絶対満たしておいた方が良い項目と、できれば満たしておいた方が良い項目と半々に分けています。たぶんあのチェックリストで選ぶと、9割ぐらいの工務店がドーって雪崩の如く消えていくはずです。

小暮:
私も見ました。私なんかは別に普通じゃないかなと思うので全然良いですけど、おそらく世の中の工務店って嫌でしょうねあれね。

松尾先生:
工務店も、住宅メーカーもね。

小暮:
だって、車で言えば買った後にこのぐらいの燃費ですよとか、安全性能このぐらいですって言われているようなものですからね。

松尾先生:
あのチェックリストを全部満たしてる会社というのは、たぶん性能的には凄く真面目な会社だと思います。それ以外で大きく違うのは、値段と規模とデザイン設計力。これは満たしてる会社の中でもたぶんかなり違うと思います。でもそこは皆さんが勝手に判断できる話ですから。こっちの方がダサいよとか、こっちの方が格好いいよとか、値段もあっちの方が安いんじゃんとかって。それはご自分たちで判断してもらえれば良いと思います。でもね、リストがない状況で比較検討することに比べたら、物凄いラクになると思います。

小暮:
いやー、私も今だからいいですけど、10年とか20年前にあれをやられたら、たぶん商売にならないなーって。ああいうリストの中で選んでるとですね、極端な話ですよ、間取りが決まらなくて困るという消費者の方ってよくいますけど…。

松尾先生:
良い間取りって言っても、例えば旦那さんと奥さんとでもう全然違うのはよくある話ですよね。万人にとって良い間取りというのは、正直難しい。ただし、下手な間取りと上手い間取りというのはやっぱりある。例えば料理に例えると分かりやすいですけど、和食・中華・洋食みたいなのがあったとして、和食でも美味い店もあれば、洋食でも下手な店がある。でも食べた瞬間に、細かいことは分からなくても美味い、まずいというのはたぶん誰でもわかる。

小暮:
美味い、まずいはわかりますよね。

松尾先生:
趣向の違いと味のレベルの違いというのはちょっと話が違う。レベルの違いというのはやっぱり、もう完全に工務店さんによって差があります。趣向は俺はイタリアンが好きとか、俺は和食が好きみたいなのは人によって違いますから。だから大前提としてレベルが高いのを選びましょうって話です。

対談第二弾

Vol.1 最低の断熱基準さえも義務化できない国
Vol.2 HEAT20 G2でも欧米では最低レベル
Vol.3 全館空調はメンテナンスコストに差が出る
Vol.4 太陽光発電はつけないと損をする
Vol.5 現時点では蓄電池より〇〇〇の方がいい
Vol.6 断熱材は 材質×厚みで考える
Vol.7 外断熱か、内断熱(充填断熱)か
Vol.8 木造と鉄骨はどっちが丈夫か?
Vol.9 大手はなぜ樹脂サッシを使わないのか?
Vol.10 住宅会社を見分けるチェックリスト
Vol.11 太陽に素直な設計
Vol.12 中古住宅リフォームの注意点

一覧に戻る