facebook
instagram
youtube
ホーム > ブログ > プロが語る家づくり > Vol.12 おすすめできない製品・部材とは
プロが語る家づくり
 | 2021.03.23

Vol.12 おすすめできない製品・部材とは

小暮:
次の質問はですね、今となってはおすすめできない製品はありますか。

松尾先生:
筆頭は蓄熱暖房機ですね。同じような意味で言うと、電気温水器ですね。その2つは速攻でダメな感じですね。

小暮:
今って電気温水器ってついているんですかね?

松尾先生:
いや、もうほとんどのところが販売をやめちゃっていますね。

小暮:
蓄熱暖房機はまだありますよね?

松尾先生:
でも東北エリアなんかは販売が禁止されているので、もう売っているところはほとんどないんじゃないかな。あと、深夜電力の値段が1.5倍くらい上がってしまって元がとれなくなった。

小暮:
他に材料とかはあります?

松尾先生:
んー今パッと思い浮かぶ限りはないかな。

小暮:
私は、昔使って弱めだったのが瓦ですね。

松尾先生:
空気層に設置するあの遮熱のシートとかほとんどいらないと思いますね。

小暮:
アルミのね。私も昔使っていましたけど、あまり効果ないですね。

松尾先生:
ひどい会社になったらあれだけをやって、断熱を一切やらないっていう会社もありますね。

小暮:
あの実験を動画で見たことがあるんですよ。電気ストーブの前にあれをこうやって温度計で測るんですけど。

松尾先生:
空気層における遮熱シートみたいなやつは、断熱性能の低い住宅の夏においてはそれなりの効果があるんですけど、高断熱住宅においては夏でもほとんど違いはないし、冬においては全く関係がないので。それこそUa値0.87くらいの住宅でもほとんど差異は出ないっていうのが実験で出ていますので。

小暮:
瓦も悪いものじゃないですけど重いとか、あと太陽光をつける際の付け方がちょっとね。

松尾先生:
先付け金物っていうのでやっていくんですけどね。

小暮:
太陽光の付け方は何がベストですかっていう質問がきているんですよね。これは先生がよくおっしゃっているキャッチ工法?

松尾先生:
キャッチ工法にするか、先付け金物にやるか、そのどっちかになるでしょうね。上から揉み込んでコーティングするっていうのはやめた方がいい。その付け方やるくらいならつけない方がいいと思いますね。

小暮:
雨漏りリスクもすごいですよね。穴うちでコーティングなら太陽光はつけない方がいいですね。あと何かオススメしないものってあるかな。

松尾先生:
それは言い出したら、ガラスルーバー窓とかね。あとは一般的な樹脂アルミサッシとかね。

小暮:
樹脂アルミじゃなくて、アルミサッシでも今普通に内側に樹脂の窓枠にフィンがついている。樹脂アングルサッシ。あれを樹脂アルミサッシっていう人がいるんですよ。

松尾先生:
それはもう悪質ですね。

小暮:
樹脂のアングル付きアルミサッシですよね。これはちょっと勘違いしたら全然違うので。あとサイディングは昔もそうですけど、今はあまり使ってないですよね。

松尾先生:
サイディングは今でも使っている会社は多いですけどね。

小暮:
サイディングについては私のメルマガでも書いたんですけど、引き渡し後10年以内に反った事故があって、その時のサイディングメーカーさんの対応がすごい悪かったので、それからはやめたっていう経緯があります。規定で長さの1%までは反っていいってルールがあったんだけど、それが明らかに早すぎた。施工の仕方も間違ってないんだけど、なかなか取り合ってくれず、最後は品質管理センターに電話してもダメ。最終的には支店長が良い方で、その方がじゃあ材料だけ出しますと言ってくれて、施工費はうちの方で持ちますのでとなって、なんとか貼り直させてもらった経緯があります。

松尾先生:
なるほどね。

小暮:
あとはこの前、アルヒマーケティングさんという会社が「家を建ててからどこにお金がかかるか」っていうアンケート調査の結果を発表していたのですが、やっぱり外壁のメンテナンス、あとは防水関係とか設備関係ですよね。そこは絶対にお金がかかるから注意した方がいいと。あとは、あまりにも高性能なシステムみたいなのも難しそうだと個人的には考えますが、何か耐久性を高めるポイントはありますか?

松尾先生:
結露計算をしているかどうかってところですね。内部結露をすると、結局腐ってきたりシロアリが来たりとなりますから、結露計算を行って断面の構成を決めているかどうかっていうところですね。

小暮:
実際に結露計算をしているところって多いんですかね。

松尾先生:
ほとんどないです。この辺は大手住宅メーカーの悪口みたいなことばっかり言ってきましたけど、大手住宅メーカーは耐久性に関することは、逆に工務店とは比べ物にならないくらいしっかりしていて、やはり中央研究所がちゃんとやっているからです。そこは工務店さんや設計事務所が総じてめちゃくちゃ弱いところですね。だからこの点でやる場合は、結露計算やっているかどうかは耐久性を判断する上で一番重要です。99か98%のところはやってないと思うので。

小暮:
私はこの前工事の現場で見たんですけど、この家って明らかに中で結露するだろうなって思ったんですよ。外側に普通にベニヤ板。構造合板の代わりにベニヤ板を使って、袋入りのグラスウールを普通に使ってプラスターボードでやるんですね。これってどうですかね。

松尾先生:
防湿シートの施工がちゃんとできていればいいのですけど、袋入りのグラスールを使っていて防湿シートを施工するっていうのはなかなか難しいものがあるので、あまり宜しくはないなと思いますね。

小暮:
ベニヤだったら通気はしませんよね。

松尾先生:
外の合板を、構造合板とベニヤって似ていますけどものが違うので、本当はそれはやっちゃいけないことですよね。

小暮:
じゃあ結露計算をやっている会社ってほとんどないっていうことですね。

対談第三弾

Vol.1 Ua値やC値だけでは家の性能は語れない
Vol.2 太陽光発電は得か?損か?答えは明確
Vol.3 もしもの大災害は必ず起こると考える
Vol.4 住宅会社の営業トークは嘘だらけ
Vol.5 営業マンの嘘を見抜く方法
Vol.6 家を知らない人が家を売る怖さ
Vol.7 「断熱材で調湿」は「濡れた布団で寝る」のと同じ
Vol.8 窓と日射について抑えておくべき基本
Vol.9 営業マンより消費者の方が知識量は上
Vol.10 YouTubeの中にもたくさんの嘘がある
Vol.11 耐久性のポイントは耐震性と水害対策
Vol.12 おすすめできない製品・部材とは
Vol.13 カタログ数値に踊らされてはいけない
Vol.14 適正な断熱性能はこのように考える
Vol.15 30年先を考えたサッシの選び方
Vol.16 いつまでも美しい家のデザインとは